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 2月23日(月)東京・国立代々木競技場第一体育館で開催された『K-1 WORLD MAX 2009~日本代表決定トーナメント』にて、スランプから脱出し、復活優勝を遂げた小比類巻太信。試合後、小比類巻は「勝てたのは前田さんのアドバイスが あったから」と、前田日明が陰のアドバイザー役を務めていたことを明らかにした。前田はなぜ小比類巻に力を貸し、どんなアドバイスを送ったのか!?

前田日明(まえだ・あきら)
1959年1月24日、大阪府出身
少林寺拳法、無想館拳心道空手(二段)を経て、77年7月に新日本プロレス入門
8月25日、山本小鉄戦でデビュー
81年12月、カール・ゴッチと出会いマンツーマンの特訓を受ける
2度のUWF旗揚げを経て91年5月11日、リングスを旗揚げ
99年2月21日、アレキサンダー・カレリン戦で引退
02年に第一次リングス活動停止
05年3月、HERO’Sスーパーバイザーに就任
08年1月21日、不良を対象としたアマチュア格闘技大会「THE OUTSIDER」を旗揚げ
リングス代表

■K-1 MAXはムエタイでもキックボクシングでもない

ーー2月23日の『K-1 WORLD MAX 2009~日本代表決定トーナメント』で優勝した小比類巻太信選手が、「トーナメントで勝てたのも前田さんのアドバイスがあったからですし、本当に感謝し ています」と前田さんにお礼を述べていました。どんなアドバイスをされていたんですか?

「俺は精神的な面をフォローしただけだよ。一番は藤原ジムの藤原敏男会長と、藤原ジムの みんなの尽力。小比類巻自身は天才タイプなんだけれど、彼の天才は精密機械みたいなものなんだよね。肉体と気持ちがビシッと合わさればとんでもない力を発 揮する。でも最近はバランスを崩しているし、自信もなくしてしまい、すぐに焦ってしまってパニックになったりしていたのが目に見えて分かった。

 彼自身、ああでもないこうでもないと自分で練習はしているんだけれど、聞いてみると偏った練習なんだよ。でも彼は天才肌のところがあるからそれなりに効果を出してはいたから、余計に自分のどこが悪いのか分からなくなっていたんだろうな。

 俺から言わせると、K-1 MAXというのはムエタイではない。キックボクシングでもない。ハッキリ言って、K-1というのは“キック&ボクシング”なんだよ。組むのを極端に制限す るでしょう? だから接近戦になったらボクシングの闘いになる。それを分かった上で練習すると全然違うんだよ。

 彼は基礎体力が落ち始めていて、なおかつ怪我とかもあって気持ちも萎えていたから、これは藤原さんのジムへ行かせるのが一番いいと考えてね。あそこには 気持ちの強い選手がいっぱいいるし。周りに影響されながら、藤原さん独自の基礎体力作りや技術論もある。それをやっていきながら、MAXというのはキッ ク&ボクシングだから、それでどうするんだ、特に接近戦になったらどうするかを考えた方がいいんじゃないかと、俺は言っただけなんだよ」

ーー藤原ジムでの出稽古を薦めたのは前田さんだったんですね?

「そう。ただ、藤原ジム自体はもっと前に紹介していたんだよ。魔裟斗と小比類巻がライバル関係で、魔裟斗とMAXで2度目にやって負けた後くらいかな。でも彼には彼のいろんな人間のしがらみがあって、なかなか行けなかったみたいだね。

  彼の中ではムエタイというものがなかなか抜けなくて、距離がある時は前蹴りとか飛びヒザ蹴りとかハイキックが決まるけれど、接近戦になったら連打を喰らっ て終わりというのがいつものパターン。その中でいろんなことを試してきて、これでもかというくらいやられてやっと気付いたんだろうね。

 ものを教える時やアドバイスする時に大事なことがあって、本人の中でアドバイスを受け入れられるような準備が出来ていないと、身体に入っていかない。小 比類巻の場合は“なぜなんだ、ああなのか、こうなのか”というギリギリの工夫があったからね。9割9分の工夫があって、あと残り1個の壁があってそれが分 からなかったんだよ。そこで俺と藤原さんがそれを言ったから、バーンと突き抜けた。

 でも、まだ課題はいっぱいある。決勝戦の試合なんかは0点。あれは接近戦ではなくて、過去の小比類巻がそのまま打ち合っているだけ。あんな試合をやって いるようでは上位に上がっていっても勝てない。それは藤原さんも同じことを言うと思うよ」

ーーでは、けっこう前から小比類巻選手には親身になって接していたんですね。

「俺は勝ち続ける選手には興味ないんだよ。負けている選手とか、頑張っているのに結果が 出ない選手の方に興味がある。なぜなんだろう、と。勝っている選手がなぜ勝ち続けているのかを考えるよりも、負けている選手がなぜ負けているんだろうと考 える方が俺のためにもいい。なぜかと言うと、 ・・・

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