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 12月2日(日)東京・TDCホールで開催される『RISE/M-1MC~INFINITY~』のメインイベントにて、世界最大の立ち技格闘技団体『GLORY』からの刺客を迎え撃つ吉本。一時は燃え尽きたとの想いもあったが、彼を再び戦いに駆り出したものとは? そして彼の驚異的なスタミナはどうやって養われたものなのか?(取材日:2012年11月26日)

PROFILE
吉本光志(よしもと・こうじ)
1980年2月6日、東京都出身
身長171cm、体重65kg
2000年7月31日、J-NETWORKでプロデビュー
2003年に全日本キックへ移籍
同年11月23日、小林聡と打撃戦を展開して敗れるも一気に名をあげる
2005年9月24日、韓国でIKMF東洋ライト級王座を獲得
2006年7月28日、パンクラスで総合格闘技デビュー
2007年7月27日、パンクラスのネオブラッドトーナメント優勝
2008年9月19日、カノンスックから殊勲の勝利を収める
同年12月23日のTOUITSUトーナメント1回戦で赤十字竜(現・羅紗陀)に判定勝利
2009年11月22日、初代RISEスーパーライト級王座を獲得
2010年12月19日、初代RISEライト級王者決定戦で裕樹に2RKO負け
2011年2月27日、RISEスーパーライト級タイトルマッチで菅原勇介とドロー、初防衛に成功
2012年1月28日、RISEスーパーライト級タイトルマッチで左右田泰臣を判定で倒し2度目の防衛
戦績:41戦25勝(2KO)13敗3分
STURGIS新宿ジム所属

格闘技を始めた時の強くなりたいという目標を最後まで持ち続けたい

 ーー40戦を超えるキャリアを持つ吉本選手ですが、欧米人選手と対戦するのはこれが2度目ですね。

「大昔にオランダ人選手とやって以来(2004年8月22日=ムラッド・ティアルティ戦)です。自分は日本でしっかりとした地位を築くということが、格闘技をやるにあたって高い位置にいることの証明だと考えていました。下手に海外を目指すよりも、日本でしっかりチャンピオンになって実力を証明することが価値のあることなんだろうなって。海外で活躍したと言っても、胡散臭く聞こえる場合もあるじゃないですか。ニセモノなんていらないんですよ。自分は日本で強いことを証明するというのを意識してやってきたので、特に海外の選手うんぬんという発言はしてこなかったと思います」

ーーでは、この時期に海外の強豪選手との試合が組まれたことについてはどう思っていますか?

「今回は自分から希望しました。自分でお金を払って海外に行くのではなく、自分の力が評価されて海外から選手を呼んでもらえて試合をして、お金をもらえるというのは素晴らしいことだと思うんです。日本でベルトを防衛する義務感だけで格闘技はやっていたくない。もちろん、チャンピオンなので防衛戦は定めだから守っていきます。RISEのベルトは苦労して獲ったベルトなので絶対に返上はしたくありません。ただそれとは別に、義務感だけではなく向上心を持って、格闘技を始めた時の強くなりたいという目標を最後まで持ち続けたいと思っています」

ーー今までは希望しなかったのに、今回は自分から外国人選手を希望したというのは、今がその時だということですか?

「本当は夏ぐらいに自分がヨーロッパへ渡って試合をしたいという希望を出していたんですが、折り合いが悪くて決まらなかったんです。今回はGLORY推薦選手ということで、しっかりといい勝ち方をして海外のリングにも上がれるようになりたいと思います。自分がやり残したことはそれくらいかなって思うので」

ーーキック、総合格闘技を問わず、日本人選手が海外の試合で敗れるというニュースが多いですよね。そういう状況に自分が一石を投じたいという考えがあるんですか?

「あ、そうなんですか? 全く知りませんでした(笑)。周りの人たちに影響を受けたかと言えば、そっちではありませんね。強いて言えば、自分の周りにいる格闘技をやっていない友だち、例えばアートや飲食をやっている友だちが海外に作品を出したり店を出したりしているんです。そうすると海外のネットワークが広がって、どこかの国からどこかの国につながるという道筋が生まれるんですよ。それって素晴らしいなと思ったんですよね。違うジャンルの話ですが、それには影響を受けました」

ーー今回対戦するラズ・セルキシアンの試合映像はご覧になりましたか?

「見ました。けっこう乱暴なパンチを打って来る印象です。強さはもちろん感じるけれど、自分が勝てる要素はあると思うし、勝たないといけない。お客さんのほとんどは今回のセルキシアン選手を見たことがないだろうし、馴染みもないと思います。日本人の強豪選手とやれば、その強豪に対して吉本はどこまでやれるのかっていうのが相手を通して分かる部分があるけれど、今回の相手は“外国人選手”ということ意外は分からないじゃないですか。そこで接戦してもお客さんはどう盛り上がっていいか分からないし、セルキシアン選手よりも吉本光志を見に来るお客さんの方が多いでしょうから、自分一人で試合を成り立たせるような内容にしないといけないと思っています」

ーー欧米人選手と日本人選手の違いはどう感じましたか?

「一度試合をしたことがあると言っても、その時の自分はまだプロの中のプロではありませんでした。1Rにヒジでカットされてすぐに終わってしまったんじゃないかな。その頃の自分は特にお客さんを意識することもなくただリングに上がっていただけで、自覚を持ってはいませんでした。もちろん、その時はその時で必死にやっていましたけれどね。自分がしっかりした意思を持って外国人選手にチャレンジするのは、今回が初めてと言っていいでしょう。違いと言っても、日本人は日本人で千差万別ですし、自分のスタイルも日本人の中では珍しいじゃないですか。ほかにはいないかなって」

ーー世界でも類を見ないんじゃないですか。吉本選手の圧倒的な手数とスタミナで、相手を乱戦に持ち込んでその上で倒すというスタイルは。

「それをアピール出来たらいいですね。自分に足りないものや課題もありますが、自分のことを昔から応援してくれている仲間たちもいるし、そういう仲間たちが悲しみながら会場をあとにするようなことだけはしたくありません。吉本を応援するために来て良かったと、胸を張って会場をあとにしてもらえるような試合を最低でもしないといけないと思っています」

ーー今なら欧米人選手にも勝てるという自信は?

「向上心を持つためにもそういう気持ちは必要だと思います。日本人は日本人で強いと思うんですよ。ただ、左右田(泰臣)選手を相手に防衛した(2012年1月28日=吉本が判定勝ち)からいいやではなく、そこで上を見たら何があるかです。登山家が言う、そこに山があるから登る、登ったらもっと高い山があったからその山に登る、というのと同じです。そういう気持ちがなくなったら自分は終わりだと思います」

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