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 PRIDEで活躍し、現在はDEEPミドル級王座に就いている中村和裕が、6月30日(日)広島県立ふくやま産業交流館で初の自主興行『中村和裕凱旋格闘技イベントKING KAZ FIGHT in FUKUYAMA』を開催した。選手とプロモーターの二束のわらじを履き、大会を成功に導くまでの苦労が初めて語られる。(取材日:2013年7月9日)

試合レポート:【KING KAZ FIGHT】中村和裕が地元広島で秒殺TKO勝ち

PROFILE
中村和裕
(なかむら・かずひろ)
1979年2月21日、広島県福山市
身長178cm、体重83kg
チームカズ所属
※詳細は選手名鑑へ→

■第1章 最初は無料体験会に30人しか集まらなかった

ーー地元・広島での初の自主興行、大成功おめでとうございます。

「ありがとうございます」

ーーなぜ出身地である広島県福山市で大会を開催しようと思ったのですか?

「柔道から総合格闘技に転向した時から、ずっと地元で格闘技の試合をやりたいという考えはあったんです。高校を出てからずっと関東の方で生活をしていたんですが、いつでも故郷のことは胸の中にありました。そこで何かしら自分の姿を見せたいなとぼんやりと考えていまして、具体的に考え出したのは去年か一昨年くらいですね。

 それで今年2月にDEEPミドル級チャンピオンになれたこともあって、試合のスケジュールも決まっていなかったので、タイミング的に今がいいと思い、試合後に帰郷した時に広島県立ふくやま産業交流館を会場としておさえました」

ーー目的としては、自分の戦っている姿を地元の人たちに見て欲しかったんですか?

「それもありますが、格闘技の素晴らしさを伝えるとともに、福山で柔道を始めたので地元で柔道をやっている子供たちに柔道のカッコよさを見せたかったというのもあります」

ーー大会開催までにどんな活動をしてきたんですか?

「まず協力者を集めようと思い、地元の後輩や仲間に会っていたんですけれど、これでは限界があると感じまして。福山市が運営している会議室があるんですけれど、そこで無料格闘技体験会を開いたんです。内容的には来てもらった人たちにミットを持ってもらい、パンチやキックを実際に受けてもらったり、軽く絞め技を受けてもらったりしたんです」

ーーまずは格闘技を理解してもらおう、と。

「ところが、50人入る会場に30人しか集められなかったんです。これはヤバイと思って。

 それを5月21日にやったんですが、その日のうちに6月7日にもう1回やると決めて、次は100人入る会場をおさえたんですよ。今度はただ無料体験会をやるだけではダメだと思ったので、チラシを2万枚くらい作って配りました」

ーー2万枚! それは凄いですね。

「5月の1回目の時も総合格闘技の素晴らしさについて45分くらい講演をしたんですが、2回目の時は格闘技と暴力の違いについてトークショーをしますとチラシに書いて、福山出身の格闘家の名前も記載したんです。その結果、2回目は100人の会場に120人くらい集まりました。そこでこれはイケるかなって感触をつかめましたね。

 あとは試合1週間前の6月23日に、ショッピングモールにある映画館の前で公開スパーリング&体験会をやったら、300人くらい集まりました。そういう流れを経て、最終的に大会には1200人を集めることが出来ました」

ーー中村選手の現地でのネームバリューはどうなんですか?

「福山は60万人の人口なので知らない人の方が多いとは思いますが、知っている人たちが熱烈的に応援してくれました。

 同世代は知っていて、知らない人でも“あ、あのPRIDEに出ていた人は福山出身なんだ”という感じで広まっていったみたいです」

ーー今回は選手として試合をするだけではなく、プロモーター業も兼任されたわけですが、最も苦労したことは何でしょう?

「全体的にしんどかったです。前日まで不安だったのは、本当にお客さんが来てくれるのだろうか、ということでしたね。前売り券は1週間前に指定席が完売したんですが、やっぱり不安でした。本当に来てくれて客席が埋まるのだろうか、と」
・・・

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