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2016年12月度・格闘技MVPスペシャルインタビュー 那須川天心(RIZIN、KNOCK OUT)

■「もっと上に、誰も手が届かないところまで行きたい」

 1カ月で3試合、しかもキックボクシングルールとMMAルール、大みそかの試合を除けば初めてのルールでの試合にも関わらず全てで勝利を収めたのは離れ技としか言いようが無い。

「終わった時はやってやったぞ、という感じでした。みんな喜んでくれましたし、僕も凄く嬉しかったです。終わってみれば楽しかったですね。自分でもよくやったなと思いました。突っ走った感があります。でも、ちょっと無茶しすぎましたかね(笑)。2連戦はもういいです。自分でやると決めたことだったので、それはいい形で達成できました。怪我したのはMMAの1試合目でやられた腕くらいですかね」

 実際、MMAに挑戦することには周囲から反対意見もあったという。もし選手生命に関わるような怪我をしたらどうするのか、と心配する声もあった。

「そういう声は聞きましたが、とにかく挑戦するしかないと思っていました。僕は怪我も少ない方ですし、月イチペースで試合をやりたい方なので、自分にとってはいいモチベーションになりました。みんなには焦りすぎと言われましたが、自分ではいいだろうと。選手生命云々は考えなかったですね。そんなことを考えていたら次に進めないですよ。考えたらダメです」

 RIZINで一気に知名度を上げた那須川は、休む間もなく2月12日(日)東京・大田区総合体育館で開催される『KNOCK OUT vol.1』への出場が決定。しかも、対戦相手には元プロボクシングIBF世界フライ級王者のアムナット・ルエンロン(タイ)が用意された。

 アムナットは過去にムエタイを経験し、ルンピニースタジアム認定フライ級王者に輝いた実績を持つ。その後、プロボクシングに転向し、12戦無敗でIBF世界フライ級王座に就いた。2014年5月には、アマチュア時代にも対戦して勝利している井岡一翔の挑戦を退けて初防衛に成功。井岡の3階級制覇を阻止するとともに、井岡にプロ初黒星(現在でも唯一の黒星)を付けた。同王座は5度の防衛に成功(昨年5月の6度目の防衛戦で敗れた)。ボクシング戦績は17勝(5KO)1敗で、2016年5月の試合を最後にプロのリングから離れたが、アマチュアボクシングでリオ五輪にタイ代表として出場している。

「モチベーションはかなり上がっています。日本の強いボクサーに勝っている選手なので、その選手とキックルールですが戦えるのは嬉しいですね。今回はパンチで勝負するつもりです。昨年まで世界王者だった相手にパンチで勝てば周りの声もまた変わるでしょうし、僕は何でも出来る選手になりたいので強さを証明したいです。RIZINにもまた出たいですし、海外でも試合がしたい。格闘技界をどんどん盛り上げていって、もっと上に、誰も手が届かないところまで行きたいです」

 ミルコ・クロコップも「とても驚いたよ。才能については間違いない。間違いなくスターになるでしょう。MMAを背負って立つ存在になるかもしれない」と太鼓判を押している。まだ18歳。キックボクシング、そしてMMAでこれからも数々の伝説を築き上げていくだろう。格闘技史上に残る“奇跡”はまだ始まったばかりだ。

関連リンク
・ゴールドジム Web site
・試合レポート「那須川がバックスピンキックでルンピニー現役王者を1RでKO」
・試合レポート「那須川天心がMMAデビュー戦でTKO勝ち」
・試合レポート「連戦の那須川天心が今度は絞め技で一本勝ち」
・過去のMVP選手一覧 

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