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8月度ベストファイターは勝次、劣勢に追い込まれても逆転できる理由

 毎月イーファイトが取材した大会の中から決める格闘技月間ベストファイター賞。2017年8月のベストファイターは、8月20日に大田区総合体育館にて開催された『KING OF KNOCK OUTライト級王座決定トーナメント』の準決勝で前口太尊にKO勝ちした勝次に決定!(2017年9月17日UP)

PROFILE

勝次(かつじ)
1987年3月1日、兵庫県出身
身長172cm
戦績:36勝(13KO)11敗7分
藤本ジム所属

選考理由
1、「前口太尊に逆転に次ぐ逆転でKO勝ち」
2、「倒し倒されの試合を制する精神力」
3、「2大会連続の大激闘で観客熱狂」

選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ

 受賞された勝次選手には、ゴールドジムより以下の賞品(プロカルシウム 300粒 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アルティメットリカバリー ブラックマカ&テストフェン+α 240粒 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。

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贈呈:ゴールドジム

ベストファイター記念インタビュー
「“思い描くことは必ず叶う”んです」

■名勝負は1人では作れない

 2017年度8月は立ち技の大会が多く、また好勝負が連発されたためベストファイター候補者は立ち技格闘技の選手の名前が多くあがった。K-1ファイター・左右田泰臣の挑戦を延長戦にもつれ込む接戦の末に破り王座防衛に成功したKrush -65kg王者・中澤純(6日・Krush)、ムエタイの現役トップの実力を存分に見せつけたスーパーレック(6日・ムエタイSF)とチャモアトーン(6日・BOM)、ダウンを奪われながらも逆転TKOで勝利してJ-NETWORKウェルター級王座に就いた極真空手の強豪“ブラックパンサー”ベイノア(20日・J-NETWORK)など。

 その中から8月のベストファイターに選ばれたのが、8月20日に東京・大田区総合体育館にて開催された『KNOCK OUT vol.4』で、元J-NETWORKライト級王者・前口太尊(30=PHOENIX)にKO勝ちした日本ライト級王者・勝次(30=藤本ジム)である。

 国内ライト級のトップファイター8名が団体の垣根を超えて集い、“王者の中の王”を決める「KING OF KNOCK OUTライト級王座決定トーナメント」。4月から開幕したこのトーナメントは1回戦から激闘の連続となったが、その中でも特にベストバウトと言われたのが6月大会でのRISEライト級王者・不可思vs勝次の1回戦。

 両者合計5度のダウンを奪い合うダウンの応酬となり、ポイントで負けていた不可思が巻き返して逆転かと思われた最終Rに、勝次がヒジ打ちをさく裂させてカットに成功し、TKO勝ちを収めた一戦だ。

 この試合は早くもKNOCK OUTにおける年間最高試合候補との評価を受けたが、今回の準決勝ではそれさえも上回る名勝負が生まれた。

 演じたのはまたしても勝次、そしてハードパンチャーで知られる前口だった。

 1Rに勝次が右ストレートでクリーンヒットを奪い一気にパンチをまとめれば、2Rになると前口が攻めの姿勢で巻き返そうとする。しかし、ラウンド終了間際に勝次が狙いすました右ハイキックでダウンを奪った。

 3Rは前口がダウンを奪い返そうと攻め、勝次も仕留めに行く。ここで勝次の左目上から出血があり、ドクターチェック。勝次はバッティングを主張したが、レフェリーは前口のヒジによる有効打でのカットと判断した。再開後、両者は一気に打ち合いを繰り広げ、場内もヒートアップする。

「本当はバッティングだったんですが、レフェリーがヒジって言ったんですよ。それでイラっとしてムカついてアドレナリンが出たんです(笑)。止められたら終わりだから行くしかないと思ってスイッチが入って打ち合いになりました」(勝次)

 不思議なことに、以後、激しく打ち合っても勝次の傷口からはそれほど血が出なかった。これには理由があると本人は言う。

「昔、香港で試合をやった時に相手がヒジばかり狙ってきて頭を切られたんです。頭から血が出てきた時に“うわっ、切られた、やられた”と思ってしまったんですよ。するともう血は止まらないです。それで分かったんですが、アドレナリン全開だと血は出ないイメージで、やばいと思うと血がドバドバ出るイメージなんですよ、僕の中では。経験があるので本当だと思うんですよ。だから血が出ても焦らないようにしています」

 4R、前口がボディを集中して攻め、動きの鈍ってきた勝次から右ストレートでダウンを奪い返した。仕留めにかかる前口に勝次も必死の抵抗を見せ、勝次のピンチに対する応援と前口の逆転勝利への期待で場内は騒然となる。

 そして最終5Rは最初から打ち合いとなり、両者のパンチとヒジが激しく交錯。場内の興奮がMAXに達したのは、両者が足を止めて真正面からのノーガードの打ち合いを繰り広げた時だ。観客が大熱狂する中、パンチを当ててダウンを奪ったのは勝次だった。立ち上がるもダメージが明らかな前口に右ストレートを打ち込むと、前口は吹っ飛ぶようにダウン。またしても勝次が大激闘のシーソーゲームの末にKO勝ちを飾った。

「最後の打ち合いは本当に喧嘩マンガですよね。一発殴って一発殴られて、みたいな。倒すしか勝てないと思ったので攻めに行ったところ、前口選手は判定勝ちという選択は無くして応じてくれたのでああいう打ち合いになったんですよ。

 例えばテクニシャンの選手だったら、4Rの時点でダウンを取っているので5R逃げれば勝てると考えてアウトボクシングしてくる選手はいると思うんです。前口選手はそうではなくて勝っても負けてもKOという気持ちがあったのだと思うんですが、僕の攻めに応じてくれましたね。

 あの時、ガードが上がっていないのは分かっていました。実は乳酸が溜まってバテているという状態を通り越しているくらいヤバい状態でした。練習だったら全然身体が動かないくらいの疲労困憊だったんです。あれは気持ちだけで無理やり身体を動かしていたんです」

 名勝負は1人では作れない。「まさにそうでした」と勝次は言う。

「不可思選手も前口選手も、トーナメントに出てきた8人全員が人生を懸けてきているのは分かっていました。僕も今までで一番大きい舞台なので。仲間や知り合いで大きい舞台を経験している選手を見たり接したりしていて、やっと自分にもチャンスが巡ってきたなって感覚でした。勝ち負けによって人生が変わるので、自分の実力だけでのし上がれるチャンスだな、これに人生を懸けようと心に決めて臨んでいます。

 簡単に負けられない選手同士がぶつかって、倒れられない、人生を懸けた戦いでした。前口選手も気持ちが強くてタフで人生を懸けてきたので強い気持ちを感じました。試合が終わってから思ったのは、勝ててよかったというのが一番ですが、自分の力以上のものが出せてちょっと不思議な感覚だったんです。それはあの大会場で、KNOCK OUTのリングで、大応援団の大声援があったから。そのおかげだと感じています」



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