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第2回「合宿先での出来事が新米記者にとって大きなチャンスに」

 「私も気が弱いもんだからね、ここまで来て帰れとは言えないよ」との大山総裁の言葉に、ホッと胸をなでおろしたボク。「どんどん取材しなさい!」とも言ってもらい、折れそうになっていた心は持ち直した。

  ところが、である。宿舎に戻ってくると支部長たちが広場で談笑していたので、やはり挨拶せねばなるまいと思い、近寄って話しかけた時の話だ。「始めまして。ゴング格闘技の熊久保と申します。合宿の取材をさせていただきますのでよろしくお願いします」。そう言うと、支部長たちの顔つきがみるみる険しくなっ ていく。その内の一人から次に飛び出した言葉は「キミはゴングか!」と明らかに怒っている。

  ここからは新米記者のボクにとってはかなり辛い時間だった。もの凄く長く時間が感じられたと記憶している。複数の支部長たちから罵声の数々を浴びせられたのだ。ここではとても書けないようなことも言われ、もう涙目状態である。その罵声を聞きながら、ボクは「もう嫌だ、なにが極真空手だ。なにが武道家だ。もうクビになってもいいから取材をやめて帰ろう」と決めた。完全に心が折れてしまったのである。

  誰が何を言ったか、強烈な記憶なので今でもハッキリ覚えている。最後に浴びせられた言葉は「自分たちで頑張って大きくなるのなら立派だよ、でも極真を利用するなよ! 極真を!」と、他流派の代表に向けられた言葉だった。そんなことを俺に言ってどうするんだろう、と思ったね、正直。ボクはただその場に立ち尽くし、黙って罵声を聞いていた。ここから開放されたら、もう帰ろう、とそれだけが心の支えだった。

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