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第26回「ムエタイにムエタイで対抗せず、ムエタイにムエタイをやらせない方法論」

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「ムエタイの魅力、語りまくります」の第26回。今回もムエタイの敵側、つまり打倒ムエタイを狙う側の話をしてみよう。

 打倒ムエタイの試行錯誤の末に黒崎がたどり着いた攻略法は、「ムエタイのリズムを崩す」というものだった。ご存知の人も多いと思うが、ムエタイの試合では戦いをはやしたてるような音楽が試合中に流れる。日本では録音した音楽が使われるが、タイでは楽器隊が生演奏するのだ。演奏は試合の展開に合わせて早くなったりゆっくりになったり、通常よりも賑やかになったりする。

 タイ人選手たちはその音楽に合わせてリズムを取る、と言われている。このリズムは身体に染み込んでおり、音楽が流されなくてもタイ人はリズムに乗って動くという。タイ人に限らずリズムというのは戦う上で凄く大事で、選手によってはステップやジャブや前足で自分のリズムを作って攻めるのである。その自分のリズムが狂うと、戦いにくくなってしまうので、選手はリズムを崩されるとまたイチからリズムを取り直す。

 黒崎はここに目をつけたのである。ムエタイの独特なリズムを狂わせてしまえ、と。日本人がタイでなかなか勝てないのは、生演奏と相手選手のリズムに知らず知らずのうちに自分もリズムを合わせてしまい、タイ人が戦いやすくなっていたのではないか、と。

 そこで藤原敏男にやらせたのが、独特なステップの使い方だった。単調なリズムではなく、歩幅や立ち位置をどんどん変えていくことによって相手を惑わせ、相手のリズムを狂わせてしまうという方法だ。藤原は1日中鏡に向かい、ステップ運動だけをやって変則的なフットワークを身に付けた。

 それだけでなく ・・・

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