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【RISE】世界初防衛戦に臨む“神童”那須川天心「いつも通り1R KOを狙う」

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2017/05/12(金)UP

 日常生活でも、ファンから声をかけられることが多くなった。

「道を歩いてても、駅のホームで電車待ってるときなんかも、よく声かけられるようになりました。僕、けっこうギリギリに電車に乗ることが多いんですけど、電車が来て、あわてて乗ろうとしてるとこに声かけられたりして、『あっ、どうも~!』なんてニッコリ挨拶してたら、乗り遅れたりとか (苦笑)」

 ファンは一般の人だけではない。

「こないだ富士急ハイランドに行ったら、ゴレンジャーみたいな戦隊モノのショーをやってて、僕、ピンクの人と一緒に写真撮りたいなって思ってたんですけど、向こうも、こっちのこと、すごく見てて。で、向こうから寄ってきて『一緒に写真撮らしてください』って言ってくれたんで。嬉しかったです」

 こんなところに少年らしさをのぞかせる。

 今回の大会にはスポンサーからKO賞が出されることになった。第7試合からメインイベントは1RでのKOで30万円、ほかラウンドで10万円。第5試合と第6試合には10万円(全ラウンド一律)がKO勝者に贈られる。

(関連記事:https://efight.jp/news-20170511_260283

 これで1R KOしたくなりましたか? と尋ねると、「いえ、僕はあまり気にしないです」と意外な返事だ。

「僕はいつも、1RからKOするつもりなんで。でも、これで大会も盛り上がるし、すごくいいことだと思います」

 相手のシェーハンも1R KOを狙ってくるのでは、と聞くと、

「その分、僕は相手の穴を突きやすくなるから、逆にチャンスかも。『KO賞ほしいなら、1Rから倒してみろよ』みたいに挑発して、乗ってくれたら倒しやすい」と余裕の発言だ。

「僕はいつも1Rで倒すつもりでいるんです」

 実際、これまでキックと総合を合わせて、なんと11試合で1R勝利している。

 噂されているボクシングのスーパースター、メイウェザーとUFC王者マクレガーのドリームマッチのような試合をいつかやりたいか、と尋ねると、

「ああいうふうに世界中から注目されるってのは、すごくいいですよね! 日本だと『格闘技やってる』って言うと、引かれることもあります。でも外国だと、すごくリスペクトされてる。僕は、今の日本のサッカー選手や野球選手と同じように、格闘家がリスペクトされるようにしたいと思います。テレビとかで、ちっちゃな子たちが僕の試合を見て『ああ、自分もやりたい!』って思ってもらえるように、格闘技を盛り上げたいんです」

 そのためにも、この世界初防衛戦は絶対勝たねばならない。もちろん、KOで。

 それが“神童”に課せられた宿命だ――。

 だが、自らも言うように、それをプレッシャーに感じず、エネルギーに変える強さが、彼にはある。

 5月20日は、そんな天心の試合を―KO勝ちを―堪能しようではないか。

(文・稲垣収)

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