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【ボクシング】31連勝中のボワイヨ「井上尚弥に何も感じない」

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2017/12/29(金)UP

井上と並んだボワイヨ(右)、サプライズを起こすと豪語

 12月30日(土)に神奈川・横浜文化体育館にて行われる『井上尚弥・拳四朗ダブル世界戦』に出場のWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(24=大橋ジム)と、挑戦者ヨアン・ボワイヨ(29=フランス、同級7位)の公開計量が行なわれ、両者とも無事計量をパスした。

 挑戦者ボワイヨは、知的なボクシングをしてサプライズを起こす」と宣言。

 井上の印象を尋ねると「全く何の印象もないね。何も感じない。でも明日の試合では、もっと強いものを見せてくれるだろう」と、昨日の会見でも今日の計量でも、井上に王者のオーラを感じなかったと語った。

 井上の試合映像をたくさん見て研究したかと聞くと、「全然見ていないよ」とボワイヨ。

「私のファイターたちには、試合映像を見せないんだ」と、一緒にいたトレーナーのローソン・フランク氏が説明してくれた。「選手の代わりに私たちが相手の映像を見て、作戦を立てるのさ」

ボワイヨはリミット600gアンダーの51・5㎏でパス

 たしかに陣営によっては、試合に向けてそういうアプローチをするところもある。選手が自分で相手の試合映像を見すぎると、すでに”過去”であるその試合での動きのイメージがつきすぎてしまい、その相手がその後進化して以前と違う試合をした場合、対応できなくなることがある。

 畑は違うが、柔術や総合格闘技で戦い”400戦無敗”と言われた達人ヒクソン・グレイシーも、「対戦相手の試合映像は1度見るだけで、あとはもう見ない」と語っていた。同じ理由からだ。

 ボワイヨが、現在28連勝(5年以上にわたり無敗、31勝、1無効試合)という記録を誇っているのも不気味だ。

 今回がプロ15戦目となる井上に対し、ボワイヨは今回47戦目で、経験値でもはるかに勝る。これまで実に様々なタイプの選手と戦ってきており、その経験から出てきたのが「井上には何も感じない」という言葉だったのではないか――。

 井上は来年からバンタム級に階級を上げるが、バンタム級では、WBO世界バンタム級王者ゾラニ・テテ(29=南アフリカ)が井上戦に興味を持っていることは、本サイトでも報じたとおりだ。このテテ戦について井上も、「バンタムに上げたら自分は挑戦者なので、チャンスのあるところにはどんどん行きたいです」と意欲を見せた。

 しかしまずは、今回の挑戦者ボワイヨを倒さねばならない。それもキッチリと、世界を納得させる形で――。

 ただ、多くの人が「勝って当然」と思っている試合で、強者が思わぬ足をすくわれることがある。帝拳ジムに所属して二階級を制覇していたホルヘ・リナレス(ベネズエラ)が、オスカー・デ・ラ・ホーヤ率いるゴールデンボーイ・プロモーションとプロモート契約を結び、本格的にラスベガスでのビッグマッチを目指すことにした2009年秋、代々木第二体育館で10月10日に行われた試合でリナレスはあくまで”消化試合”的に考えられていた相手6位のフアン・カルロス・サルガド(メキシコ)に、まさかの初回1分13秒TKO負けを喫したのだ。

 何が起こっても不思議はない――それがボクシングであり、勝負の世界だ。

 今回の井上の試合、我々も、そういう緊張感を持って見たい。
(稲垣 收)

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