2017/04/23（日）UP
（最終更新：2017/05/15 06:44）

eFightの試合動画
試合レポートと同時にアップする速報動画では、KOシーンはスーパースロー再生。

背中を見せるブラジセビッチに久米は背後からパンチを浴びせる

パンクラス
「PANCRASE 286」
2017年4月23日（日）東京・ディファ有明

▼メインイベント・第13試合　『パンクラス対TEAMシカティック 3vs3』大将戦　ライト級　5分3R
〇久米鷹介 (ALIVE/第7代ライト級キング・オブ・パンクラシスト)
一本　2R 1分05秒　※チョークスリーパー
●マティヤ・ブラジセビッチ (American Top Team EUROPE/クロアチア共和国)

　久米は2016年9月、徳留一樹を1RでTKOに下し、ライト級新王者となった。ベルト奪取から7カ月、王者としての久米の初戦は国際戦にして「パンクラス対TEAMシカティック 3vs3」の大将戦。副将のISAO、先鋒の佐藤天ともにTKO勝利でメインに繋げたため、大将として久米はメインを完全決着で締めたいところ。

　対するブラジセビッチは、第1回K-1グランプリ・ヘビー級トーナメント優勝者ブランコ・シカティック氏推薦のクロアチア人ファイター。昨年11月の「ロード・トゥ・パンクラス・トーナメント」で1日2試合を戦い抜き、日本行きの切符を勝ち取った。MMA転向前は松濤館空手を習い、クロアチア代表だったという。MMAは2011年のデビューから10勝9敗ながら6つの一本勝ちを誇るATT欧州所属選手だ。

　1R、ともにオーソドックス構えから、久米が左ハイで牽制しながら左ストレートを伸ばし、一気にブラジセビッチをケージまで詰めるとテイクダウンに成功する。

　立ち上がるブラジセビッチを小外刈りで寝かせた久米はトップキープ。パウンドを嫌ったブラジセビッチが後ろを向いて亀の状態になると、すかさずサイドから押さえつけ、鉄槌を入れたところで1Rが終了。ジャッジ1人が久米に10-8（10-9×2）をつける優勢で初回を取った。

　2R、すでにその表情から消耗していることがうかがえるブラジセビッチ。久米は右フックを振りながら距離を詰めると、再び小外刈りでテイクダウン。またもブラジセビッチが後ろを向いて亀の状態に。両足を相手の両足に引っ掛けた久米は右手でチョークへ。最後は体が伸びたブラジセビッチを仰向けにして絞め、タップを奪った。

　勝利後、すぐに駆け寄ったセコンドの日沖発と抱き合った久米は、日沖が名古屋に立ち上げたジム「stArt Japan」をPRしてから、「チャンピオンとして、もっとレベルを上げてみなさんが思うチャンピオンになりたいと思います」と語った（日沖は5月28日有明大会で田中半蔵と対戦）。また、メインで勝利した久米には、シカティック氏からクロアチア製のワインが贈られた。

パウンドでアキラを秒殺TKO、圧勝を収めた徳留

▼セミファイナル・第12試合　ライト級　5分3R
〇徳留一樹（パラエストラ八王子/第6代パンクラス・ライト級王者/パンクラス・ライト級4位）
TKO　1R 28秒　※パウンド→レフェリーストップ
●アキラ（フリー/パンクラス・ライト級1位）

　木口道場の元同門同士、ともに87年生まれの両者は、かつて五味隆典率いる久我山ラスカルジムでスパーリングをしたこともある間柄だ。徳留は昨年9月に久米鷹介に敗れ、ライト級王座陥落。今回が半年ぶりの復帰戦となる。対するアキラは昨年7月、ラスカルジムを離れ、長岡弘樹に判定勝ちして以来の試合。王者・久米への挑戦権を懸けた一戦に。

　ともにサウスポー構え。徳留は左ローから入るもアキラはかわす。続けて右のジャブを伸ばした徳留は、左に頭を下げてかわしながら右フックを打ち込んできたアキラに、打ち下ろしの左ストレート！　アキラが腰から崩れて後方に倒れると、徳留はすぐさま上からパウンド連打。アキラが失神したところでレフェリーが間に入った。徳留が28秒、TKO勝利。

　ケージに登り、喜びを爆発させた徳留は、2人の子どもを抱いて記念撮影。マイクを持つと、「子供が生まれて、ベルトを失って一発目の試合でしたけれどいい結果が出ました。必死になって死ぬ気で練習したので、いい結果が出たと思います。久米さんが次に試合をやるので失礼ですけれど、勝ってくれると思うので、もう一度、僕とやってください」と再戦を希望した。