2018/03/03（土）UP
（最終更新：2020/10/20 05:22）

ナビエフ（右）の荒々しいヒザ蹴りで、ドゥンベ（左）はたびたびバランスを崩した

▼ウェルター級　次期挑戦者決定戦　3分3R
○アリム・ナビエフ（23＝アゼルバイジャン/同級3位、元WMCムエタイ世界ライト級王者）
判定3-2　※28-29、29-28、29-28、29-28、29-28
●セドリック・ドゥンベ（25＝フランス/同級1位、元GLORYフェザー級王者）

　今年2月の『GLORY 50』で、ハルート・グリゴリアン（28＝アルメニア）がマルセル・グローエンハート（31＝オランダ）からウェルター級王座を奪取。今大会では新王者グリゴリアンへの次期挑戦権を懸けて、新星ナビエフと元王者ドゥンベが争った。

　ナビエフは2016年11月にWMCムエタイ世界ライト級王座を獲得した実績を持ち、GLORYには昨年10月から参戦。デビュー戦で新鋭ジミー・ヴィエノット、2戦目で元GLORYウェルター級王者ニキー・ホルツケンを破り、今回のチャンスを掴んだ。

　対するドゥンベは2016年12月にニキー・ホルツケンからGLORYウェルター級王座を奪取。同王座は2度の防衛に成功したが、昨年8月にマルセル・グローエンハートに敗れて失った。同年10月の再起戦では上位ランカー相手に勝利を飾り、王座返り咲きに向けて打倒ナビエフを目指す。

　1R、構えをスイッチしながらジリジリと間合いを詰めるナビエフ。ドゥンベは左右ローを蹴りながら左ボディ・左アッパーからの右オーバーハンドを振るう。ドゥンベがパンチを空振りさせると、ナビエフはすぐさま右フックを振り抜く。両者、一進一退の展開。

　2R、左構えでスタートしたナビエフは左ローから即座に左ハイ。ドゥンベは左右パンチ連打から右ローを返す。荒々しさを増すナビエフは、たびたびドゥンベナの蹴りをキャッチして転倒させ、レフェリーに注意を受けるようになる。

　至近距離からヒザ蹴り突き上げたナビエフの顔面に、右ストレートを入れて離れるドゥンベ。この離れ際にナビエフが強烈な左ストレートをヒットさせる。ドゥンベもナビエフのパンチ連打をスウェーでかわし、すぐさま右インローを返す。

　3R、互いに至近距離で打ち合う場面が増える。ナビエフの左ボディから左アッパー、右ジャブから左フックの連打に、右フックをフルスイングで返すドゥンベ。ナビエフは構わず間合いを潰し、細かくもパワフルなパンチをまとめる。

　パンチが空を切る場面が多かったドゥンベも、ナビエフのヒザ蹴りにカウンターの右フック。これを被弾したナビエフは効いてないとアピールし、終盤には荒々しくパンチ連打で畳み掛け、さらにヒザ蹴りでドゥンベを吹っ飛ばして見せた。

　勝敗の行方は判定に。ナビエフが判定3-2のスプリットで元王者ドゥンベとの熱戦を制し、次期挑戦権を獲得した。

ウェルター級コンテンダー決定トーナメントを制したダネンバーグ。決勝では元ルンピニー王者トンチャイを破った

▼ウェルター級　コンテンダートーナメント・決勝　3分3R
○アイヴァン・ダネンバーグ（25＝オランダ/同級8位）
判定5-0　※29-28、30-27、30-27、30-27、30-27
●トンチャイ・シッソンピーノン（22＝タイ/同級11位、元ルンピニースタジアム認定ウェルター級王者）

　ダネンバーグはIRO、IKBF、FIBAといった団体で王座に就いた実績の持ち主。3勝1敗のGLORY戦績で今回のトーナメントに乗り込み、準決勝（1回戦）ではWPMFとWBCのムエタイ世界二冠王ジミー・ヴィエノットを判定で破り、決勝進出を決めた。

　対するトンチャイは2013年に17歳で、ムエタイ最高峰のルンピニースタジアムでウェルター級王座を獲得した若き実力者。1勝1敗のGLORY戦績で今回のトーナメント出場を迎え、準決勝（1回戦）ではウェルター級9位アラン・シェインソンを判定で退け、決勝に勝ち上がった。

　1R、ダネンバーグがいきなり顔面へのパンチ連打から飛びヒザ蹴りを繰り出し、さっそく持ち味を見せる。トンチャイもガードを固めて左フックを返すが、これはダネンバーグの左フックと相打ちに。ダネンバーグの手数と勢いに押され、トンチャイはクリンチに逃れる場面が増える。

　2R、なおもクリンチでダネンバーグの連打を潰そうとするトンチャイに、観客からはブーイング。ダネンバーグはクリンチに手を焼きながらも、スペースができると細かいパンチや飛びヒザ蹴りを入れていく。3Rも同様の展開となり、勝敗の行方は判定に。手数で上回ったダネンバーグがトンチャイを下し、トーナメント優勝を飾った。