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【コラム】10・15『RIZIN』で桜庭とレジェンド対決が決定
今さら聞けないダン・ヘンダーソンの凄い戦歴

元WOWOWのUFC中継解説者としても知られる格闘技ジャーナリストの稲垣收(いながき・しゅう)氏が、世界を舞台に格闘技のディープな情報を発信する世界格闘技最前線。
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桜庭和志とのPRIDE時代にも実現しなかった“レジェンド対決”が決定したダン・ヘンダーソン。日本で数多くの試合を行い、母国アメリカでも数々の偉業を達成した彼の足跡を振り返る。(文:稲垣 收)

 7月30日にさいたまスーパーアリーナで開催された『RIZIN FIGHTING WORLD GP 2017 バンタム級トーナメント1st ROUND-夏の陣-』に、元PRIDEミドル級&ウェルター級王者ダン・ヘンダーソン(46=アメリカ)が登場し、10月15日にマリンメッセ福岡にて開催される『RIZIN FIGHTING WORLD GP 2017-秋の陣-』で、桜庭和志(48=フリー)とグラップリングルール(組み技限定ルール)で対戦することが発表されたことは、本サイトでも報じた。

Dan HendersonのInstagramより

 日本では「ダンヘン」の愛称で親しまれていた彼は、自身のインスタグラムに、たまアリで撮った写真をアップし「日本に戻って来れて、RIZINの試合を見れて興奮してるぜ。10年ぶりだ。さいたまスーパーアリーナの中にいると、たくさんの素晴らしい思い出がよみがえってくるよ」とコメントしている。

 ではダンヘンとはいったい、どんなファイターだったのか? 

 ダンヘンの最も注目すべき偉業は、“皇帝”ヒョードルとヴァンダレイ・シウバ、そしてマウリシオ・ショーグンの3人にKO勝ちしていることだろう。

 だが彼は、それ以外にも数々の名勝負を繰り広げてきた。

 筆者は、彼がリングス参戦のために99年に来日した頃から何度もインタビューしているが、リングス、PRIDE、ストライクフォース、UFCでの活躍について、振り返ってみたい。

■レスリングを続ける資金稼ぎのため総合へ

 ダンヘンは1970年8月24日に米カリフォルニア州で生まれた。

6月3日、娘さんの高校卒業を祝うダンヘンと家族の写真
Dan HendersonのInstagramより

 レスリング選手だった父のもと、5歳からレスリングを始め、大学時代には全米学生王者となり、92年のバルセロナ五輪、96年のアトランタ五輪にグレコローマン・レスリング米国代表として出場した。

「だけど、レスリングだけじゃ食っていけなくてね。電気代すらロクに払えないこともあったんだ」と初来日した頃、ダンヘンは筆者に語った。「だから、レスリングを続けるための資金稼ぎに総合格闘技を始めたんだ」

 そして1人でサンドバッグを殴る練習を2週間ほどしただけで、ブラジルで行われた『ブラジル・オープン』という大会の4人トーナメントに出場して、優勝してしまう。97年6月、26歳の時だ。

 翌98年5月には『UFC 17』のミドル級トーナメントに出場し、“ブラジルの強豪柔術家”アラン・ゴエス、“カナダのオールラウンダー”カーロス・ニュートンを破って優勝する。(このゴエスとニュートンは、ダンヘン戦の後PRIDEで桜庭と対戦し、ゴエスは引き分け、ニュートンは一本負けしている。ニュートンはその後、UFCウェルター級王者になった)

■ノゲイラ、アイブルを破りリングスKOK王者に

 この後、ダンヘンはUFCを離れ、優勝賞金20万ドル(約2300万円)獲得を目指して、前田日明が主宰する、日本の『リングスKing of Kings』トーナメント(KOKトーナメント)に参戦。

 UWFインターナショナルで桜庭の先輩だった金原弘光や、“オランダのケンカ屋”ギルバート・アイブル、“柔術マジシャン”アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ、“マルコ・ファスの弟子”でレスリング南米王者のレナート・ババルらを降して優勝し、みごと20万ドルを獲得した。
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