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【吉鷹弘の打撃研究室】連載第55回「アマチュア大会で驚くべき技術を見た」の巻

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 打撃のスペシャリストである筆者が、話題の試合を題材に打撃技術を分析していく連載コラム。今回は10月24日に開催された『アマチュア打撃格闘技―JAPAN CUP2015』で、プロ顔負けの技術を見せた選手を分析する。

・【試合レポート】各団体の王者集結、2階級を新空手が制す
・那須川と大月がEXマッチで激しい攻防

■攻撃⇔防御を自在に転化出来るレベル

今回のコラムの主役・川手裕貴

 2015年10月24日(土)東京・新宿FACEにて行われた全日本新空手道連盟主催の 『アマチュア打撃格闘技―JAPAN CUP2015』は全日本新空手道連盟、RISE、シュートボクシング協会という歴史のある各団体より選抜された選手を中心に、正道会館、ホーストカップも協力団体として名を連ねた。

 今までにない画期的な打撃のアマチュア統一大会であり、各団体より選抜された選手らが集い、アマチュア各大会のタイトルホルダーや既にプロ(3戦以下)のリングに上がっている者など 国内では類を見ないハイレベルな参加者に覆われたアマチュアの打撃の最高峰に値するものだった。

 3階級(-55kg、-60kg、-65kg)に分かれて統一ルールによるトーナメント戦にて行われたが、この初めての記念すべき大会で私の目を一番惹きつけた選手は、60kg以下級で見事優勝を果たした川手裕貴(建武館/新空手東京大会K-2トーナメント軽量級優勝)だった。

 準決勝戦はサウスポーとの対戦。続く決勝戦は上背とリーチがある選手との対戦と、異なるタイプにも技術的に十分対応出来ることを見せてくれ、左フックを始めとした左レバー打ち、さらには左ヒザ蹴りなど特に要所要所で左の攻撃を繰り出す瞬間と間合いが絶妙ゆえに、決して強く攻撃しなくても十分な威力を相手に与えることができるのだ(例えるならば野球の打撃にて、決してパワフルではないもののジャストミートしているので本塁打を放つことが出来るという感じだ)。

相手の左ストレートをバックステップでかわす川手

 準決勝戦は対サウスポー対策として右インローと右ミドルをリードブローに用いながら、虚をつく様に左ロングフックを放っていく。相手が左ストレートを出してくれば、バックステップを用いながら寸前でかわして左ロングフックを返していく。

 サウスポー相手の左ロングフックは、相手の左ストレートよりもスピードで劣っている場合は非常に出し難いものではあるが、それを補うだけの技術がある川手は相手の左の攻撃に空を切らせてそこを突くーーという防→攻の転化を実践することが出来るので、悠々と対応していた。

 アマチュアレベルでは防御だけ、攻撃だけで終わる選手が多いのだが、川手は攻撃⇔防御を自在に転化出来るレベルにまで到達している。何年も新空手の大会で練り上げ続けてきた努力の賜物だと思う。 ・・・

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吉鷹弘の「打撃」研究室 第55回 内容
攻撃⇔防御を自在に転化出来るレベル
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間合いに合わせて自ら退き、打点を合わせる

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