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【月間ベストファイター・2月】紅絹、史上初のRISE QUEEN王座防衛も笑顔を見せなかった理由とは

■若手からの挑戦を熱望「もっとケンカを売ってくれないとお母さんになっちゃう」

試合後に安堵の表情を見せた紅絹、「若い子はおとなしい」と物足りなさを感じているようだ

 この『RISE GIRLS POWER 2』では全8試合が行われたが、大会アンバサダーを務める神村エリカはこの一戦に「差が開きすぎというくらい、平岡選手と紅絹選手の試合はベストバウト」と最高級の賛辞を送った。36歳という年齢を数え「ベテランと言えば紅絹」というようなポジションを築いている紅絹だが、デビューから13年戦い続けてきた理由を「意地ですね」とシンプルな言葉で語った。

 紅絹が最初にタイトルを手にしたのは2012年11月のJ-GIRLSミニフライ級王座だった。「それからはいいところ行ってはコケ、いいところ行ってはコケを繰り返したので、ベルト取ってからやりきったという達成感が無かった」と、充実感を得られない時期を過ごしていたことを明かした。「何度もやめようと思ったことはあった」と引退を考えたこともあったというが、持ち前の負けん気に火がつき、後輩とのスパーリングにも負けたくないと奮起。誰よりも厳しい練習をこなした上で「それで結果を出せないとダサイ」と、格好つけるために意地を張り続けたという心境を明かした。

 その張り続けた意地で、初タイトルのJ-GIRLSから7年の時を経て2本目のベルトを手にした紅絹。挑戦を続けていたつもりが、いつしか若い選手から追われる立場となった。今回平岡を下し、次の挑戦者を待つ身となったが、次の挑戦者候補は「誰が来るかわからない」という。その心を「若い選手にはもっとアピールして欲しい」と、強い印象に残る若手がいないことであると明かした。

 46kg級には選手が多く、層が厚いと認識しながらも「ベルトを欲しがっているか伝わってこない」という紅絹。『RISE GIRLS POWER 2』の大会後、同大会で”ムエタイ才女”伊藤紗弥をKOしたNJKFミネルヴァ日本ピン級王者・Ayakaは、記念撮影の際に紅絹の顔ではなく「じっとベルトを見ていた」という。しかし紅絹からすれば「『次やろっか』『おばちゃん奪ったろか』と言うくらい、ケンカを売ってくれるほうが私としてはうれしい」と、まだ物足りなさを感じているようだ。

伊藤紗弥をKOして名を挙げたAyaka(右)を筆頭とするベルトを狙う若手に紅絹は「もっとアピールを」と奮起を促す

 RISE女子は女子高生ファイターというような若い選手も多い。礼儀正しい若者が多いRISE女子だが、紅絹はそれ故に「若い子はおとなしい」と感じてしまうという。「もっとケンカを売ってくれないとお母さんのような感じになってしまう」と笑った紅絹は「『生意気ね!叩き潰してやるわよ!』くらい思わせて欲しい」と、若手の奮起に期待を寄せ、共に女子格闘技を盛り上げていく気構えを見せた。

 彼女ら若手の成長を待ち受ける身としてコンディションの維持は欠かせない。長年第一線で戦い続けるための体作りについては「50kgで試合をするようになってからフィジカルをやるようになった」と、2016年にKrushへ参戦した頃から積極的に取り組んでいるという。栄養面は主に「得意料理はスパイスカレーと生姜焼き」という自炊でコントロールしているといい、サプリメントは補助的に使用しているとした。

■受賞者・紅絹が喜びを語る

 改めて今回のベストファイター賞受賞について「ドッキリかと思った。エイプリルフールには早いんじゃないか」と驚いたという紅絹。「予想していなかったのでびっくりしています」と喜びを語った。

 今回受賞した紅絹には、イーファイトから記念の盾と、ゴールドジムからサプリメント3種類が贈られる。

(取材・文=手塚裕之)

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・2013年の神村エリカと紅絹のRISE QUEEN王座戦(ページ下部)

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