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【4月・ベストファイター】難聴の古宮晴、無音の戦いにパニックの過去も、苦難乗り越えデビュー戦勝利

毎月イーファイトのサイト名にちなんでより良い試合をした選手に贈られる、格闘技月間ベストファイター賞。2020年4月のベストファイターは、4月4日(土)『KHAOS.10』で、K-1選抜vsABEMA『格闘代理戦争』卒業生による“7対7 全面対抗戦”の大将戦に出場し、メインイベントでK-1選抜・目黒翔大(20=優弥道場)を下した、代理戦争選抜・古宮晴(16=昇龍會/SKR連合)に決定した。(2020年5月12日UP)

PROFILE

古宮晴(ふるみや・はる)
2003年6月9日、大阪府出身
身長173cm
昇龍會 所属
戦績:1戦1勝
構え:オーソドックス

 生まれつき耳が聞こえない難聴というハンデを持ちながら、戦う姿から”サイレントキラー”の異名を持つ。小学校3年でキックボクシングを始め、アマチュア時代にはK-1甲子園2019で第3位に入賞した。
 昨年には、
レジェンドや現役トップ選手が監督となり、格闘界に次世代スターを送り出す番組『格闘代理戦争K-1 FINAL WAR』に出演。チームでの勝ち抜き戦という過酷な試合の中で、1回戦では史上初の3タテを達成。準決勝でも2人抜き、決勝でも1勝をあげて合計6連勝を飾り、MVPに輝いた。デビュー戦となった4月の『KHAOS.10』では代理戦争選抜の大将として、目黒翔太を下してメインイベントを勝利で飾った。

選考理由
1、3勝3敗で迎えた“全面対抗戦”の大将戦として代理戦争チームの勝利に貢献
2、デビュー戦にしてメインイベントを飾り、大会を締めた
3、難聴という同じ境遇の人に夢や希望を与えた

選考委員
格闘技雑誌FightLifeとイーファイトの全スタッフ

受賞された古宮選手には、ゴールドジムより以下の賞品(アルティメットフレキシジョイントUC 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アミノ12パウダー 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。

アルティメットフレキシジョイントUC-Ⅱ®

非変性Ⅱ型コラーゲン(UC-Ⅱ®)に、MSMやユニベスティン、キャッツクローを配合したサプリメントです。
マルチビタミン&ミネラル

100%自然素材を使用したビタミン&ミネラルサプリメント。着色料、香料、保存料は一切使用しておりません。
アミノ12パウダー

BCAAなど体内で合成できない必須アミノ酸を8種類配合。身体作りに好適なアルギニン、オルニチン、グルタミン、グリシン配合。飲みやすいオレンジ風味。
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贈呈:ゴールドジム

ベストファイター記念インタビュー

 4月4日(土)『KHAOS.10』の、K-1選抜vsABEMA『格闘代理戦争』卒業生による“7対7 全面対抗戦”の大将戦に出場した古宮晴(16=昇龍會)。対戦相手は自身より2戦キャリアの勝る、目黒翔大(20=優弥道場)だった。試合は、古宮が持ち味のフットワークを使って動き回り、カウンターのパンチや蹴りなどの手数を出す。終盤になるにつれて目黒は強引に圧力を強めて倒しにかかるが、古宮は自身の打撃を効果的に当て判定勝利した。

■長いリーチと光るテクニックで判定勝利、「メインで経験値を得た」

 試合では音が聞こえない古宮、電話取材では補聴器をつけ、対応してくれた。
 試合は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が出される3日前に行われたが、所属ジムが開館していたため、「試合をやるかは分からなかったけど、そこは切り替えて頑張らないといけないと思っていました」と古宮は練習でいつものように追い込み、試合に臨んだ。

右のパンチで攻めていく古宮(右)

 デビュー戦で、メインイベントかつ対抗戦の大将という重要な役割を任された古宮は、3月22日のK-1年間最大のビッグマッチ『K’FESTA.3』で「トップファイターが色んな熱い試合を見せてくれて、今回は自分がメインなので盛り上げたいと思ってモチベーション上がった」と試合前の心境を振り返る。

 試合は前に出てくる目黒に対して、古宮がステップを使いながら左ジャブや前蹴りで突き放す。離れ際に右のハイキックを繰り出すなど、様々なパターンの打撃を繰り出していく。終盤になるに従って、目黒は前日会見で「ガチャガチャでも戦える」と予告していた展開に持ち込もうとするが、古宮は粘り強くカウンターのフックを当てて判定で勝利した。

 試合前の作戦では「自分はプレッシャーをかけられたら弱いと思われていたと感じていて、目黒選手はガチャガチャにして来ると思っていた。作戦は、いなして(突進してくる相手を捌く)、手数を出すこと、カウンターで重いパンチを入れることでした」と自身の強みである足運びと手数を活かした戦いを見据えていた。

絶妙なタイミングで右のハイキックをヒットさせる古宮(左)

 試合を終えて、判定勝利したものの「目黒選手の体の力が凄くて、引き気味になってしまいました。手数を当てていたのは良かったけど、3Rにスピードが落ちてやられそうになったのでそこは納得いってないですね」と終盤に圧力負けしそうになったことは反省点だと語った。

 前日計量時の映像を見返すと、目黒の体の厚みやフィジカルが古宮と比べて勝っていたことが良く分かる。現在16歳の古宮は身体的にはこれから伸びていく部分が大きいだろう。

 パワーアップの一環として、1発の瞬発力とパワーを上げるために瞬発力系のトレーニングに取り組んでいる古宮。長いリーチを活かしたカウンターパンチと絶妙なタイミングでの蹴り技を活かすために、そのトレーニングは欠かせないといえる。

■「頭がパニックになった」との苦難も、惜しみない努力でリングへ

代理戦争の舞台にリングに立つ古宮(右)(C)AbemaTV

 耳の聞こえない古宮は、リングの上ではセコンドの指示や観客の声援は聞こえない。小学生の頃はプロと比べてパンチに威力がないため、補聴器をつけた上で試合に出場していた。しかし、自身の成長に伴って相手のパンチで補聴器が壊れてしまうこともあり、中学1年の時に補聴器を外してリングに上がることになった。

 補聴器を外した当時は「セコンドの指示が飛んでこないのでどうしようと思った。試合中に何も聞こえないし、自分が何をしたいかも分からなくなってしまっていました。恐怖感もあったけど、それよりは頭がパニックになっていた」というように計り知れない苦労をした経験もある。

▶︎次ページは、耳の聞こえない”無音”の苦悩を乗り越える

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