【7月・ベストファイター】V2のレオナ・ペタス、武尊と対戦は「テクニックで勝っても仕方ない」と真っ向勝負宣言

■武尊に真っ向勝負宣言！「K-1王者にテクニックで勝っても仕方ない」

武尊は、これまでKO負けがないムエタイ王者を倒し切った＝19年3月

　対戦が現実味を帯びた、K-1王者・武尊の印象を聞いてみると「やっぱり穴はない。ちゃんと試合中に試合を組み立てて、相手の嫌な部分を見つけている」と考えながら戦うスタイルと認識している。武尊は持ち前の強打に加えて、左のインローやミドルなどの蹴り技を散らしながら戦う様子が見受けられる。

　レオナは、アウトボクシングスタイルと攻めのスタイルの両方を使い分ける技術の持ち主だが、武尊戦でもあくまでもKO勝利に拘るという。「K-1の武尊に勝つんだったら、テクニックで勝ってもしょうがないし、真っ向勝負で勝ちたい」との真意を明かした。

昨年6月には、強豪の小宮山工介をこの左ストレートでKOしたレオナ（左）

　武尊とレオナの両者の武器は、強烈なパンチであるが、レオナ曰く、お互いのパンチの質は異なるという。具体的には「僕のは硬いパンチで、武尊選手のパンチは重いパンチ」との認識を説明した。

　打ち合いを得意とする武尊と真っ向勝負に挑むことに怖さはないのか。レオナに聞いてみると、「今までやってきたことなので、そろそろ僕も自分のことを信じようかな」と自信ありげに語った。一方の武尊も、自身のSNSで「感情を解放して戦う」と綴っており、熱い試合になることは間違いないだろう。

■念願のK-1王座獲得へ「母と約束したけど、間に合わなかったK-1のベルト」

　レオナの母親は、がんで闘病中であったが、今年の4月に亡くなっている。レオナは、19年9月に念願のKrush王者に輝いた際も、「このベルトをお母さんにあげたいので」とリング上で話し、母親を励まし続けていた。

Krush王座を獲得して、今は亡き母と写真に収まったレオナ

　レオナは、母にK-1の世界チャンピオンになると約束していた。「次のベルトっていうのは、K-1のベルトは母と約束したけど、間に合わなかったベルト。それをしっかりと獲って、時間に間に合わなかったけど、報告したいなと思います」と力強く語る。

　その上で「しっかりと楽しんでやりたいですね。しっかり勝って約束を果たしたい」と話した。「久々に挑戦者側なので楽しみだなって、強いから怖いってのもあるけど挑戦者なので、すごい楽しみです」と、ワクワク感を滲ませる。

■レオナの思いに迫る「近い距離で、応援してくれている人をずっと大事にしたい」

　K-1には個性豊かなファイターたちが在籍している中、レオナの格闘技をしていない時の様子について聞いてみた。

会見などではバチバチのレオナ（右）だが、普段は穏やかな男だ

「普段はころっと変わって緩くて、怖いところとかそういう感じもないですね。動物好きだったり子供が好きだったりします。人と話ししたり、コミュニケーション取ったりするのも好きです」とリングで見せる表情とは、違った一面を見せるという。

　今後は、K-1 JAPAN GROUPの中心ファイターとして、メディアを含み様々な場面で活躍していくことも考えられるが、レオナは「有名人になると、距離はある程度とる例はあるけど、大物になったりじゃなくて、近い距離で居て、応援してくれている人をずっと大事にしたいです」との思いも語った。

2度目の防衛に成功したレオナ

　武尊に勝利すればK-1の象徴となる。「チャンピオンになるにふさわしい器が試される試合だと思っています」と意思表示。さらに「今までにない選手になりたいですね。そうなった上で、K-1チャンピオンになりたいです」と意気込む。

　最後に「僕はKrushチャンピオンになるまでも遠回りしたし、周りの人に長い時間かけて応援して貰いました。それをしっかりとした形で、今まで応援してくれた人には恩返しして、新しくファンになってくれる方には、レオナ・ペタスっていう選手がいると知ってもらって、ファンの方には近いところから応援していただきたいです」とファンにメッセージを送った。

■レオナが初受賞の喜びを語る

　今回、レオナはベストファイター初受賞となる。その心境を聞いてみると「連絡いただいたときに『えっ』と思って、ベイノア選手が極真空手で優勝したときに貰っていて、凄いなと思っていたので、そんな凄い賞をいただけるということで間違いではないかと思いました（笑）」との喜びを話した。

　なお今回受賞したレオナには、イーファイトより記念の盾と、ゴールドジムからアルティメットリカバリーなどのサプリメント3種類が贈られる。レオナはサプリメントについては「マルチビタミンやプロテインを飲んでいます」と話した。

（取材・文＝堀内芳啓）