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【月間ベストファイター・3月】新王者の宮﨑小雪、リング上で語った「天国のお母さん」への想い

 毎月イーファイトが取材した大会の中から決める格闘技月間ベストファイター賞。 3月は多くの候補があったが、3月28日『RISE 147』のメインイベントで王者・紅絹(37=NEXT LEVEL渋谷)との3分5Rに渡る激闘を制し、RISE QUEENアトム級(-46kg)新王者となった宮﨑小雪(18=TRY HARD GYM)に決定。亡くなった母親へ見せたかったベルトについての想いなどにも答えた。

PROFILE

宮﨑 小雪(みやざき・こゆき)
2003年2月5日、東京都出身
身長153cm
TRY HARD GYM所属

 小学3年生から学んだ空手を武器にアマチュアでは10戦10勝(3KO)と無敗の成績を収めた。2019年11月の『RISE GIRLS POWER』旗揚げ戦でプロデビュー。姉・若菜と共にRISEのリングで存在感を発揮し、昨年1月に1日2試合という過酷なワンデートーナメントを制覇した。
 2021年3月の『RISE 147』で王者・紅絹と3分5Rの激闘を繰り広げ判定勝利、18歳で新王者となった。

選考理由
1、王者・紅絹と激闘を繰り広げ18歳で新王者となった
2、亡くなった母親へ見せたかったベルトを獲得できた
3、ジム一丸となって立てた作戦と練習の成果を出して新王者に

選考委員
格闘技雑誌Fight&Lifeとイーファイトの全スタッフ

 受賞された宮﨑選手には、ゴールドジムより以下の賞品(アルティメットフレキシジョイントUC-Ⅱ 1個、マルチビタミン&ミネラル 1個、アミノ12パウダー 1個)と、イーファイトより記念の盾が贈られます。

アルティメットフレキシジョイントUC-Ⅱ®

非変性Ⅱ型コラーゲン(UC-Ⅱ®)に、MSMやユニベスティン、キャッツクローを配合したサプリメントです。

マルチビタミン&ミネラル

100%自然素材を使用したビタミン&ミネラルサプリメント。着色料、香料、保存料は一切使用しておりません。

アミノ12パウダー

BCAAなど体内で合成できない必須アミノ酸を8種類配合。身体作りに好適なアルギニン、オルニチン、グルタミン、グリシン配合。飲みやすいオレンジ風味。

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贈呈:ゴールドジム

ベストファイター記念インタビュー

紅絹(左)とトーナメントを制しリングで宣戦布告をした宮崎

 3月28日(土)に東京・後楽園ホールにて行われた『RISE 147』。宮﨑の対戦相手となった紅絹は2006年10月デビュー以来、15年の長きに渡り活躍するベテランファイター。RISEでは19年7月に王座決定トーナメント決勝で那須川梨々を下し、初代RISE QUEENアトム級王座を獲得した。
 昨年2月には、宮﨑と同門の平岡琴を相手に初防衛戦に臨み、女子軽量級では珍しいダウンの応酬を展開。激闘の末、初防衛に成功した紅絹は、月間ベストファイター賞を受賞している。

 一方、宮﨑は小学3年生から学んだ空手を武器に、アマチュアでは10戦10勝(3KO)と無敗。19年11月のRISE女子大会『RISE GIRLS POWER』旗揚げ戦でプロデビューすると、得意の前蹴りやシャープなパンチで活躍。姉の若菜(20)とともに“天才空手シスターズ”としても注目を集めた。今年1月に行われた若手ファイター4名によるワンデートーナメント「アトム級(-46kg)NEXT QUEEN トーナメント 2021」を制すると、リング上から紅絹に対戦を直訴。紅絹が受け入れたことでタイトルマッチが実現した。

試合前日の会見にて。宮﨑は女子高生らしくミニスカートの制服を着る。右は王者(当時)の紅絹

 今回が実に63戦目の紅絹は「このベルトがなくなったら(現役生活は)おしまい」と公言しており、あえて退路を断ってこの一戦に懸けてきた。対する宮﨑は、これで7戦目と浅いものの、戦前には自身のSNSで「伝説の女子高生チャンピオンになります」と堂々宣言。3月末で「高校生」の肩書が取れるだけに、直前のこの一戦がJK(女子高生)王者となる最後のチャンスであり、胸に期するものは並々ではなかった。
 両者の熱い思いに応えるように、RISEではこの一戦を後楽園ホール開催のナンバーシリーズ、しかも男子のカードも並ぶ中でメインイベントに据え、“究極の新旧対決”の舞台を整えた。

■偉大な相手でも自分なら超えられると確信した理由

紅絹に蹴りを放つ宮崎

 戦前に「伝説の女子高生チャンピオン」宣言をした宮﨑だが、いざ紅絹を下し、マイクを向けられたときは「絶対に負けると思っていた」と吐露している。自信と不安、2つの間で揺れていたのだろうか。今回の記念インタビューでは、まず試合決定当時の心境を振り返ってもらった。

「正直にいうと…」と前置きして、宮﨑は次のように続けた。
「タイトルマッチが決まったときは、紅絹さんのことをすごく偉大な人だと思っていたから、自分が叶うわけがないと思っていたんです。女子高生チャンピオンの宣言も、じつは『なりたいな』という願望というか、『なるぞ』と自分に言い聞かせている感じでした。でも、ジムの先輩の(平岡)琴ちゃんや龍聖くん、ときくん(田丸辰)たちとみんなで作戦を練って練習していくうちに、『偉大な人でも自分なら超えられる』という自信がすごくついて、試合の時にはその自信が100%になっていましたね」

■難攻不落の紅絹スタイル、攻略ポイントは…

パンチを放つ宮崎(左)

 フットワークを駆使するトリッキーな紅絹のスタイルは、これまで多くの対戦相手を翻ろうしてきた。そんな難攻不落の王者を攻略すべく、トライハードジムは一丸となり宮﨑をサポート。中でも対戦経験のある平岡琴は、同じ階級でありながら惜しみなく身をもって得た情報を伝えてくれたという。
「たとえば、パワーはこれくらいとか、琴ちゃんが戦った感覚を具体的に教えてくれましたし、動画で見ただけでは分からないような細かい動きも再現してくれたので、『こういうタイミングで攻めて来るんだ』と、すごく勉強になりました」

ベテラン・紅絹のオーバーハンドフックが宮﨑にヒット

 ところが、いざタイトルマッチが始まると、宮﨑は百戦錬磨の“リビング・レジェンド”にいきなり翻ろうされかけてしまう。
「本当に今まで戦った選手にはない動きというか、気づいたら中に入ってきていて、また気づいたら横にいて…。練習では、琴ちゃんや姉の若菜が仮想・紅絹さんになってくれましたが、それでも最初は正直、『うわ、こんなタイミングなんだ!』とビックリしてしまいました」

 それでも「焦ったら負け。つねに冷静に相手を見よう」と平常心を保てたのは、ジムのみんなと練り上げた戦略に自信があったからだ。
「まず、単発で打ったり蹴ったりしても紅絹さんには当たらないので、歩いて攻撃しにいくことをすごく意識していました。あとは、紅絹さんがストレートとフックとローを当ててリズムを作ってくることを龍聖くんが発見してくれていたので、なるべく相手のリズムにさせないということも大事にしました」

王座奪取した宮崎

 これまで3分3ラウンドで戦ってきた宮﨑にとって、第4、第5ラウンドは「未知の領域」だった。だが、中盤から手数を増やしてきた王者に一歩も引かず、ヒザ蹴りやミドルキックで応戦して見せた。
「実際、3ラウンドの途中から4ラウンド終わるまでがすごく長く感じて、体力的にきついのはもちろんですが、気力的にも『まだ、あと1ラウンドもあるのか』と、すごくきつかったです。でも、インターバルでセコンドの龍聖くんが『絶対に勝つんだろ!』と言ってくれて。熱い言葉をかけられると私が頑張れるって、たぶん分かっていたかもしれないです(笑)」

▶︎次ページは、リング上でふと浮かんだ「天国のお母さん」

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