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“ムエタイ聖地”ルンピニースタジアムが消滅の危機、発端は1年前の銃乱射立てこもり事件

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2021/02/08(月)UP

ルンピニースタジアムで試合前にワイクルーの舞を披露するムエタイ選手

 タイ王国の首都バンコク・パトゥムワン区にある、ムエタイの二大殿堂スタジアムの一つ、ルンピニースタジアムが現在、消滅の危機に瀕している。

 タイ陸軍報道官は2月4日、軍関連施設の改革を発表。その内容は軍が所持する施設の閉鎖や使用内容の変更で、陸軍が運営するルンピニースタジアムもその対象となり、今後はムエタイのイベントを開催せず、スタジアム自体を別のスポーツ施設に変えてしまうというもの。ボクシング、柔道、テコンドーなどのスポーツ教育の場として利用されるのではと、現地紙『バンコク・ポスト』が同日に報じている。

ルンピニースタジアム外観、14年に新設された近代的施設だ(ルンピニースタジアムfacebookより)

 この改革の発端は、2020年2月8日に起きたナコンラチャシマ銃乱射立てこもり事件。タイ東北部のナコンラチャシマ市で、31歳の現役軍人が金銭トラブルで上官らを射殺。その後、軍の施設からライフル銃や実弾を奪い、市街地で市民に向けて無差別に銃を乱射した。商業施設に立てこもった後、特殊治安部隊によって射殺された。犯人を含む31人が死亡、57人が負傷し、国内のみならず世界中で報道される大惨事となった。

 この事件により、陸軍は組織の抜本的な再編を強いられ、武器庫のセキュリティ対策や福祉制度の向上、所有するゴルフコースなどのレクリエーション及びスポーツ施設の管理の見直しを進めていた。

日本人初のルンピニーのベルトを巻いた吉成名高(19年4月)

 1956年に設立されたルンピニースタジアム(現在のは2014年に建設された新スタジアム)はラジャダムナン・スタジアムと並び、最高権威を持つムエタイ試合会場。多くの偉大なムエタイ選手を輩出し、日本からもその最高峰を目指し挑戦している。
 昨年大晦日のRIZINで1R KO勝利を飾った吉成名高(エイワスポーツジム)が、19年4月に横浜で実施されたルンピニースタジアム認定のミニフライ級王座決定戦で勝利し、その栄光のベルトを巻くなど、日本の格闘技界にとってもゆかりの深い場所だ。

 今回の発表に於ける具体的な実施の情報はまだないが、タイの国技とも言えるムエタイのこの代表的なスタジアムが消滅するとなると、国としても痛手ではないのだろうか。国内外のムエタイ関係者からは反対の声が上がっているという。

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