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【UFC】ジョゼ・アルドが涙の復活TKO勝ち

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2018/07/28(土)UP

アルド(右)がTKO勝ちで復活の狼煙を上げた

Ultimate Fighting Championship
「UFC on Fox 30」
2018年7月28日(土・現地時間)カナダ・アルバータ州カルガリー スコシアバンク・サドルドーム
Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images

▼セミファイナル フェザー級 5分3R
○ジョゼ・アルド(31=ブラジル/UFC世界フェザー級2位)
TKO 1R 4分19秒
●ジェレミー・スティーブンス(32=アメリカ/UFC世界フェザー級4位)

2015年12月の王座統一戦で、マクレガー(上)に13秒でKOされたアルド(下)

 アルドはUFC世界フェザー級王座を7度も防衛していた絶対王者であったが、2015年12月の王座統一戦で当時の暫定王者コナー・マクレガーに13秒でKO負けを喫して同王座を失った。翌年7月のフランク・エドガー戦で判定勝ちを掴むも、昨年6月と12月に2度、タイトルマッチでマックス・ホロウェイにTKO負け。一時は引退を示唆していたが、今大会で復活を目指すことになった。

 対するスティーブンスは2007年5月からUFCに参戦しているベテラン。昨年9月に元Strikeforce世界ライト級王者ギルバート・メレンデスから判定勝ち、今年1月にチェ・ドゥホからTKO勝ち、2月にジョシュ・エメットからKO勝ちを収め、現在3連勝中と絶好調だ。

 1R、互いに左ジャブから右ハイと右ローを蹴る探り合いが2分ほど続いたところで、アルドの左フックを皮切りに両者が堰を切ったように猛烈な勢いで左右フックを打ち合う。アルドがいったん距離を取って右ローを返すと、スティーブンスが勢い良くカウンターの右フック。これで一瞬動きが止まったアルドに対し、スティーブンスは右アッパーの連打を見舞う。

 アルドはダメージがあるように見えるが、ここで下がらずに気持ちの強さを見せる。スティーブンスの左ジャブや右ストレートを被弾しながらも、アルドは頭を上下左右に振りながらワンツーを放って押し返す。そして、スティーブンスの右アッパーからの左フックをかわすと、直後にアルドが右フックから勝負を決める電光石火の左ボディを炸裂させた。

 この一撃でスティーブンスは腹を押さえながらその場に倒れ込み悶絶。アルドが上から鉄槌を連打し、スティーブンスがサンドバグ状態になったところで、レフェリーが試合を止めた。アルドが1R4分19秒で復活のTKO勝利を上げた。

 試合後、歓喜の涙を流したアルドは「また負けしてしまうのではないかと心配だった。かなり落ち込んだりもしたが、ここへ戻って来ることができて本当に感激している。(再びベルトを狙いたいか?)チャンピオンは戻ってきたと言いたい。あとは頑張り続けるだけだ」と復活を宣言した。


ポワリエ(左)のパンチで後退するアルバレス(右)

▼メインイベント ライト級 5分3R
○ダスティン・ポワリエ(29=アメリカ/UFC世界ライト級4位)
TKO 2R 4分05秒
●エディ・アルバレス(34=アメリカ/UFC世界ライト級3位)

 両者は昨年5月の『UFC 211』で一度対戦。激しい打撃の応酬でダウンを奪い合う熱戦を繰り広げたが、アルバレスが2Rにマットに手をついた状態のポワリエの頭部に反則のヒザ蹴りを入れてしまい、レフェリーがこれを故意ではないと判断したため、無効試合の裁定が下された。その2人が今大会で1年2カ月ぶりの決着戦に臨む。

 アルバレスは日本の『DREAM』で2008年7月に川尻達也からTKO勝ちを収めるなど活躍。アメリカの『UFC』と『Bellator MMA』でも世界ライト級王者のベルトを巻いた。UFCの王座は2016年11月の初防衛戦でコナー・マクレガーに敗れて失い、その後はポワリエ戦を挟み、昨年12月のジャスティン・ゲイジー戦ではKO勝ちを飾っている。

 対するポワリエは2012年2月に現UFC世界フェザー級王者マックス・ホロウェイ、2017年11月に元UFC世界ライト級王者アンソニー・ペティスからいずれも一本勝ちを収めているトップファイター。今年4月にはアルバレスと同じく、ゲイジーにKO勝ちを収め、現在2連勝中だ。

 1Rはパンチの攻防が続いた。間合いを潰して左右フックをヒットさせたいアルバレスに対し、リーチで勝るポワリエが遠めの間合いを保ちながら右ジャブと左ストレートを先手先手で突いていく。ポワリエの左ストレートに、アルバレスはカウンターの右ストレートから返しの左フック。これをスウェイでかわしたポワリエは即座に左フックと右ローを連続ヒットさせた。

アルバレス(上)はこの体勢から反則のエルボーを振り落としてしまった

 2Rに入ると、劣勢のアルバレスはタックルを仕掛けるが、ポワリエはチョークに捕らえて一気に下へ引き込む。これを何とか外して立ち上がったアルバレスは、再びタックルでポワリエをテイクダウンして、グラウンドの攻防からマウントに移行する。

 ここでケージを背に座った体勢になったポワリエに対し、エルボーを振り落とすアルバレス。これはポワリエの左肩に当たったが、垂直方向に打ち下ろすエルボーは反則となるため、レフェリーはがここでいったん試合を止め、アルバレスに口頭注意を与える。ここから試合の流れが変わった。

 スタンドから試合が再開されると、右フックのモーションに入ったアルバレスに対し、ポワリエがヒザ蹴りと左フックを高速コンボ。これを効かされたアルバレスはよろめきながらケージ際まで後退する。ポワリエはパンチのラッシュで畳み掛け、最後は渾身の右エルボー。アルバレスはついに力尽き、その場に崩れ落ちた。

 TKO勝ちで再戦を制したポワリエは「肩に当たったエルボーについてはまったくダメージがなかった。試合後にエディは『やつらがお前を立たせた』と言ってきて、まるでそのおかげで俺が勝てたみたいにも聞こえたんだが、まあ、垂直のエルボーは打つなってことだな」と完全決着を宣言した。

 さらに「俺は若いベテランだ。これまでの戦いを振り返って欲しい。4回続けてチャンピオンを倒したんだ(昨年5月アルバレス戦は無効試合)。これ以上、何をすればいい? ハビブよ、どこにいるんだ?」と、UFC世界ライト級王者ハビブ・ヌルマゴメドフへのアピールも忘れなかった。

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