2019/09/01（日）UP
（最終更新：2021/07/31 10:43）

決勝戦の団体戦で戦った日本チーム。左から影浦、芳田、大野、新井、村尾、濵田

　9月1日（日）、日本武道館において世界柔道選手権・東京大会の8日目が行われた。
　日本はこれまで金メダル4個、銀メダル6個、銅メダル5個と合計15個のメダルを獲得。最終日は東京オリンピック新種目の男女混合団体戦。2連覇中の日本は16個目のメダルを目指す。

大野将平が決勝で内股と巴投げで秒殺一本勝ちを飾る

　男女混合戦は男子の-73㎏級、-90㎏級、+90㎏級、女子の-57㎏級、-70㎏級、+70㎏級の6戦が行われ4勝を挙げた国が勝利、3勝3敗となった場合は代表戦で勝敗を決する。

　日本は初戦となった準々決勝で韓国と対戦し4連勝で準決勝に進出。準決勝も強豪ブラジルを相手に4連勝を収め決勝へと進んだ。

　決勝戦は前年と同じ顔合わせ、日本は競技人口で4倍を誇る柔道大国・フランスと金メダルを争う。

先鋒の影浦心は足払いを決め幸先よく一本勝ち

　先鋒の+90㎏級は影浦心（かげうら・こころ/23＝日本中央競馬会）がリオ銅メダリストのシリル・マレ（32）と対戦。引き込んでの寝技を狙うマレに、影浦は背負投げを狙うなど積極的に攻める。延長戦でも引き込んでくるマレ、影浦は変わらず背負いで攻めると、マレが前に出てきたところをいなしながら足払い。これが見事に決まり、一本勝ちで日本が1勝目を挙げる。

　次鋒戦は女子-57㎏級。芳田司（よしだ・つかさ/23＝コマツ）とサラ＝レオニ・シジク（21）の対戦。前年銀メダリストの芳田有利かと思われたが開始早々、芳田が引手を切ろうと下がったところに合わせてシジクの大外刈り。まさかの秒殺一本で1勝1敗となった。

大野将平の巴投げが決まる

　中堅戦の-73㎏級には個人戦で3回目の金メダルを獲得した絶対王者・大野将平（おおの・しょうへい/27＝旭化成）が登場。ギヨーム・シェーヌ（32）と対戦した。大野は始まってすぐに内股で技ありを奪うと、その直後に巴投げで技ありを追加。圧倒的な強さを見せ、合わせ技一本で再び日本にリードをもたらした。

　三将戦、女子-70㎏級は新井千鶴（あらい・ちづる/25＝三井住友海上）と、個人戦金メダリストのマリー＝エヴ・ガイエ（22）の一戦。序盤からフィジカルを活かしたパワフルな攻めを見せるガイエ。新井の払い腰を受けて裏投げに返すなど攻勢を見せるが、新井は足技に来たガイエを潰すと袈裟固め。ガッチリと抑え込み。最後はガイエも諦め、一本勝利で日本が王手をかけた。

村尾三四郎はクレルジェ（青）の三角絞めでタップ

　副将戦の-90㎏級。19歳の村尾三四郎が登場。対するは個人戦90㎏級銅メダリストのアクセル・クレルジェ（32）。激しい組手争いから村尾は内股、クレルジェは大内刈りを仕掛けていく。延長戦に入るとクレルジェは引き込んでの浮き技、大内刈りで攻める。しかし村尾も大外刈り、さらに内股から小内刈りで豪快にクレルジェを倒すもこれはクレルジェが腹ばいとなりポイントとはならず。

　一進一退で両者2つの指導。３つの指導で失格のため両者崖っぷちに。延長4分、本戦と合せて8分が経過する消耗戦の中、村尾の内股を潰してクレルジェが寝技に持ち込み、後ろ三角絞めで捉えて抑え込む。一旦待てがかかるが、フランス側が抗議、ビデオ判定で村尾が三角絞めでタップしたと判定され、クレルジェが一本勝ち。日本の3勝2敗となった。

表彰式には安倍総理、森喜朗東京五輪組織委員会会長も出席

　大将戦の女子+70㎏級は個人戦78㎏級の決勝を争った濵田尚里（はまだ・しょうり/28＝自衛隊体育学校）とマドレーヌ・マロンガ（25）。個人戦ではパワーで優るマロンガが大外刈りで一本勝利している。しかし開始1分過ぎ、濵田が裏投げのような形でマロンガを腹ばいに倒すと、亀になるマロンガをひっくり返して胴をまたいで抑え込み。ガッチリと固め、そのまま20秒が経過して一本。濵田が個人戦のリベンジを果たすと共に、日本の団体3連覇を決定づけた。

　有終の美を飾り今大会5個目の金メダルを獲得した日本。世界を相手に一歩抜きんでる総合力を証明した。

フォロー

●編集部オススメ

・大野将平が圧倒的な強さを見せオール一本で金メダル