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【コラム】“壊し屋”高橋遼伍のカーフキック秘話と堀口恭司の巧みな間合い

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高橋遼伍は破壊力のあるふくらはぎへのローキックでKO勝ちを重ねる

 7月15日(月・祝日)の修斗後楽園ホール大会の第9試合に登場した高橋遼伍(30=KRAZY BEE/元環太平洋フェザー級王者)は、集まったファンの期待に応えるかのように、カーフキック(ふくらはぎへのローキック)で高橋孝徳(33=リバーサルジム新宿Me,we/環太平洋ジェザー級8位)を戦闘不能状態にしてみせ、2RでTKO勝利を飾った。

 そんな遼伍はこの試合の1か月前、駒沢体育館にいた。レスリング2019年明治杯全日本選抜選手権の男子グレコローマンスタイル67kg級に出場する弟・高橋昭五(警視庁)の応援のためだ。かくして弟の昭五は優勝して世界選手権の代表に選ばれた。この世界選手権の活躍次第では来年の東京オリンピックも見えてくる。兄は「弟はオリンピック、オレは世界で」とコメントもしている。

数年前からMMAにローキック、カーフキックの時代が来ると予言していた高橋。写真は17年5月、ローキックでKO勝ちする高橋

 さてさて、修斗の試合の話に戻るが、遼伍の応援に駆けつけていたKRAZY BEEの同門の朴光哲(42=元ONEFC世界ライト級王者)の姿も後楽園ホールにあった。朴の声は会場に響き渡るくらいに、非常に通りがいい。遼伍の試合でも的確といえる指示を出す中「あと2発!」という声が気になっていた。

 試合後、朴にこの真意を求めたところ「まともに3発もらったら立っていられないですよ。遼伍はMMAでローキック、カーフキックがくる時代を数年前から予言していてたんです。正直に言うと遼伍はKRAZY BEEの練習体系を変えた選手なんです。一緒に練習した選手なら分かります」と朴。それが今、多くの強豪を生み出している事にも繋がっている。

どんな技が来ても巧みな間合いで対処する堀口恭司=2018年大みそか

 そしてこう続けた。「恭司(堀口)はまったく遼伍のカーフキックはもらわなかったですね。それだけ間合いを大切にしている男だということです」と堀口恭司(28=アメリカントップチーム)がKRAZY BEEで練習していた頃のことを振り返った。

 現在のMMAではキックボクシングをはじめとする打撃系格闘技の試合と違ってローキックをスネでブロックする選手は多いとは言い難い。スネとスネがぶつからない為、そこで筋肉量が少なく急所でもあるふくらはぎ部分を蹴る選手が多くなってきている。

 しかしスネで受けられると蹴った方が痛い。5月のONEでは遼伍がスネでローキックを受けると相手のスネが骨折してしまうという逆KO勝利もあり、強烈なローキックもプラスして、さぞスネの鍛錬を積んでいると思うのが記者心というもの。
これだけを訊ねるべく控室の前の廊下で高橋をつかまえて質問をぶつけてみた。
スネを鍛える特別な練習はしているのですか?
「スクワットくらいっす」
するとスネ受けもローキックも、タイミングか、さらに脚力を鍛えてパワーを増す。
あっぱれ! というしかない。

文・三次敏之(元格闘技通信編集長)

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