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【JTAテコンドー】6年ぶりに2連覇王者が誕生、女子に新星現る

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2012/11/23(金)UP

▲後ろ横蹴りを放つ趙(右)。大会2連覇を達成した

日本テコンドー協会(JTA)
「第23回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会 ITA杯無差別級王者日本一決定戦」
2012年11月23日(金・祝)東京・後楽園ホール

 11月23日(日)東京・後楽園ホールにて、日本テコンドー協会(JTA)主催『第23回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会 ITA杯無差別級王者日本一決定戦』が開催された。

 フルコンタクトテコンドーとはリングを使用し、既存のライトコンタクトルールではなくKO勝ちを認める直接打撃制ルールによって、本戦2分(延長1分2回まで、決勝戦のみ3回まで)で行う無差別級トーナメント。上段・中段への蹴り(ローキックは禁止)と中段への突き、そして上段突き(蹴りを生かす程度の額とアゴへの攻撃)を用いての一本(KO)勝ちや技あり、または時間内にダウンがなければ判定によって勝敗が決せられる。

▲蹴りを活かすための額とアゴへのパンチが認められているのが特徴

 今回、男子無差別級には21名、女子無差別級には10名がエントリー。計32試合が行われた。

 男子で初戦から目立った動きを見せていたのは、学生大会重量級優勝の近藤歩(横浜私立大学体育会)だった。きびきびした動きと闘争心を全面に出したアグレッシブなスタイルで、初戦から熱闘を展開。準決勝で倉田剛志(東京港テコンドー倶楽部)の圧力の前にスタミナ切れを起こして敗退したが、3位決定戦では小松寛卓(高知工科大学テコンドー部)を判定で破って3位入賞。同時に新人賞も獲得した。

 決勝戦は、近藤に勝った東京大会・中部大会無差別級優勝の倉田と、昨年の優勝者・趙哲来(ちょう・てつらい/鎌倉大船テコンドー倶楽部)によって争われた。倉田が身長186cm、体重92kg、趙が身長182cm、体重99kgと重量級同士の戦いだ。

▲相手の蹴りを払っての上段廻し蹴りをヒットさせる趙

 お互いに上段廻し蹴り、後ろ横蹴り、カカト落としなどテコンドーらしい蹴りの大技を放ちながら、突きと前蹴りで相手のボディを攻めていく。本戦は判定1-1で引き分けとなり、勝敗は延長戦へもつれ込む。ここで両者一気に火がついたのか、激しい蹴り合いが始まる。

 倉田が後ろ廻し蹴りからもう1回転してカカト落としを繰り出せば、趙は横蹴りで倉田を吹っ飛ばす。趙はサイドへ回り込んでの上段廻し蹴り、さらに相手の蹴りを払っての上段廻し蹴りと2度のクリーンヒットを奪い、倉田も胸元から顔面へと途中で軌道が変わる上段廻し蹴りをヒットさせる。最後は趙が顔面へのジャブとボディへのパンチ、そして中段廻し蹴りで優勢に立ち、判定3-0で優勝を決めた。

 河明生会長は常に「連覇しなければ真の王者とは言えない」と語っているが、ここ数年間は連覇した王者が誕生しておらず、趙は第17回大会で2連覇を達成した斉藤健以来、実に6年ぶりの2連覇を達成した。

 趙は「7~8kg減量してスピードを重視し、一本勝ちを目指していたんですが出来ませんでした。来年も挑戦出来れば一本勝ちと3連覇を目指したいと思います。疲れてくると突きに頼ってしまうんですが、もう少しテコンドーらしい技を使いたいです」と、優勝した喜びよりも反省点の方が多かったと語った。

▲回り込みを多用し、相手の蹴りをかわして自分の蹴りを入れる市坪(右)

 女子では昨年の優勝者・上岡紀美子(岡山大学体育会)が、準決勝で市坪愛(横浜市立大学体育会)に敗れる波乱があり、決勝はその市坪と関西大会優勝の松兼ひとみ(東京港テコンドー倶楽部)によって争われた。

 市坪は身長159cm、体重53kgと小柄だが、回り込みを多用する独特な動きで勝ち上がってきた。決勝戦でも相手の攻撃を回り込んでかわし、自分の蹴りを当てる華麗なる戦い方で、後ろ横蹴りを多用した松兼に判定3-0で勝利。初優勝を飾った(eFight賞も獲得)。

▲河代表が「逸材」と太鼓判を押す市坪

 9年間バスケットボールを経験し、大学に入ってからテコンドーを始めたという市坪はテコンドー歴わずか3年。同じ部の女子が168cmを超える長身選手ばかりで、それに対抗するために自己流で回り込む戦い方を編み出したという。

「まさか優勝出来るとは思いませんでした。小さくてもやれば出来るってことを証明したかったのと、見ている人に感動を与えたかったです」と市坪。来年はNGOのインターンとしてカンボジアに渡るため全日本大会には出場出来ないと言うが、「また予選からやります」とテコンドーは続けていく意向だという。

 また、蹴武型男女混合トーナメントでは、野村修一(岡山備前テコンドー倶楽部)が優勝し、4連覇を達成。昨年に続いて最優秀選手賞を獲得した。

●愛川ゆず季による「試割式」のニュースはこちら

●河明生JTA会長・宗師範の大会総括
「市坪の優勝は予想していました。新しいヒロインの誕生ですね。機敏性に富んでいるし、スタミナもある。2~3連覇も出来る逸材です。今回は女子の決勝の方が良かったと皆さんから言われました。趙は体重と経験で2連覇することが出来ましたが、一本で決める練習をしないと3連覇は難しいでしょう。あと、男子3位の近藤は動きが良かった。スタミナが持てば決勝まで上がっていたと思います。技はいいので体力をもっと付ければ優勝できる選手だと思います」

RESULT

▼組手無差別級トーナメント
優 勝 趙 哲来(鎌倉大船テコンドー倶楽部)
準優勝 倉田剛志(東京港テコンドー倶楽部)
3 位 近藤歩(横浜私立大学体育会)
4 位 小松寛卓(高知工科大学テコンドー部)

▼女子組手無差別級トーナメント
優 勝 市坪愛(横浜市立大学体育会)
準優勝 松兼ひとみ(東京港テコンドー倶楽部)

▼蹴武型トーナメント
優 勝 野村修一(岡山備前テコンドー倶楽部)
準優勝 植田博和(東京江東テコンドー倶楽部)
3 位 高橋佑輔(高知テコンドー倶楽部)
4 伊 大佐古勝(佐賀鳥栖テコンドー倶楽部)

▼蹴武型 少年少女部
優 勝 野原颯太(長崎佐世保テコンドー倶楽部)
準優勝 福島良菜(福岡筑紫野テコンドー倶楽部)

▼蹴武の型 団体戦
優 勝 横浜市立大学体育会テコンドー部A(川口竜、根塚友香、富永秀海)
準優勝 高知県テコンドー連盟(高橋佑輔、藤本海史、高崎航平)

▼新人賞
近藤歩(横浜私立大学体育会)

▼eFight賞
優 勝 市坪愛(横浜市立大学体育会)

▼最優秀選手賞
野村修一(岡山備前テコンドークラブ)

▼東京都知事賞
趙 哲来(横浜鶴見テコンドークラブ)

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