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 大みそか『Dynamite!!~勇気のチカ ラ2010~』でPPVのテレビ解説を務めていた菊野は、青木真也が長島☆自演乙☆雄一郎にKOされると、その場で「僕がK-1ルールで長島選手にリベン ジしたい」と対戦を表明。静かな口調ながらも怒気をはらんだこの言葉……菊野の本心を聞いてみた。(2011年1月13日UP)

PROFILE
菊野克紀
(きくの・かつのり)
1981年10月30日、鹿児島県出身
高校時代は柔道で鹿児島県大会66kg級優勝、九州大会同級3位。
卒業後は極真空手(松井派)鹿児島支部に入門。
木山仁らの指導を受け、全九州大会・全関西大会で無差別級優勝、全日本大会中量級ベスト16となる。
総合格闘家になるべく23才で上京し、高阪剛のA-スクエアでトレーニングを積む。
DEEP、ZSTなどでキャリアを重ね、2006年12月にDEEP本戦にデビューを果たす。
2009年4月16日、松本晃市郎に1RでKO勝ちしてDEEPライト級王座を獲得。
同年7月20日、DREAMに初参戦でアンドレ・ジダに1RでTKO勝ち
同年10月25日、エディ・アルバレスに敗れプロ初黒星を喫する。
2010年10月24日、帯谷信弘を判定で破りDEEP王座の初防衛に成功。
必殺の“三日月蹴り”を始めとする空手技を駆使する。
身長170cm、試合体重70kg
ALLIANCE所属

■川尻選手の次の相手として僕はまだ失礼な気がします

ーー最初に菊野選手のことからお聞きしたいと思います。出場をアピールしていたのに、2年連続で大みそか『Dynamite!!』出場を逃してしまったことについてどう思われていますか?

「本当に悔しいの一言です。一昨年は10月にエディ・アルバレスに負けて、ない望みと言えばその通り だったのかもしれませんが、僅かな望みに懸けていました。でも今回は帯谷(信弘=10月24日のDEEPにてタイトルマッチで対戦)選手に勝って、その流 れで関係者の皆さんに“菊野は出す方向で考えているから準備をしておけ”と言われていたので出る気満々だったんです。

 しかも大みそかにDynamite!!があって前日にSRC(戦極Soul of Fight)があったので、どっちかには出られるだろうと思っていました。こういう対戦相手を考えているから、という話もありましたし、そのつもりで練習をしていました。

 しかし、出場選手の優先順位で上位にいけなかったのは僕の責任ですからね。7月にJ.Z.カルバンに負けたことや、帯谷選手をすっきり倒せなかったことなどで選ばれる材料が足りなかった。今は頑張るしかないという気持ちです」

ーーそこでスカパー!のPPV解説席が用意され、試合をゆっくりとご覧になったと思いますが……。

「いやぁ、もうプルプル来ましたね!」

ーープルプル来ましたか!

「来ました(笑)。最初にボブ・サップが出ないと聞いて“おいっ!”となりましたよ」

ーーだったら自分が出るよ、と。

「本当にそうですよ。こんなにずっと一生懸命にやってきて、出たくて出たくてしょうがないのに出られない選手は僕以外にもたくさんいるでしょうけれど、出られる人間が直前でキャンセルかよって。本当に腹が立ちました。僕が鈴川(真一)選手とやりたいくらいでしたよ」

ーー選手からすればそう思いますよね。では、最も印象に残った試合は何でしたか?

「やはりライト級の2試合です。青木(真也)選手と川尻(達也)選手の試合は自分のこととして見ていました」

ーーでは、川尻VSジョシュ・トムソン戦の方から感想をお願いします。

「もう、見事としか言いようがありません。川尻選手は青木戦にもの凄く懸けていたでしょうから、それ がああいう形で負けて怪我もして、相当しんどい時期だったと思います。本人からも“闇の中にいるような……”というコメントがありましたけれども、本当に そうだったと思うんですよね。その中で今回、ジョシュ・トムソンという強い相手とやる、試合を受けただけでも凄いです。

 いい状態の時でもヤバイ相手なのに、自分がまだそういう状態にいる時に挑戦したのもスゲェなって思いますし、完勝と言ってもいいくらいの内容で制したのには本当に強いなって思いました」

ーー川尻選手の次の相手が、日本人の中で誰がいるかと考えた場合、菊野選手が最有力ですよね。

「でも今回、川尻選手はトムソンに勝ったので、次の相手として僕はまだ失礼な気がします。だから僕はあと1~2試合やって実績を作りたいですね。失礼にあたらないように。まずは川尻選手が僕とやりたいと思ってもらえるようにしないといけないですね」

ーーあのテイクダウン能力は脅威ではないですか?

「凄かったですね。あのテイクダウン能力とキープ力は……。MMA(総合格闘技)は今アメリカのレベ ルが高いと言われていますけれど、そこに通用することが分かりました。自分もテイクダウン自体はパワー負けするつもりはないし、特に四つの攻防では負けな い自信もありますが、川尻選手はテイクダウンに懸けている想いが強いと思うんです。

 テイクダウンだったら絶対に負けないし、これで俺は勝つんだってエゴがあると思うんですよ。エゴと いうのは僕にとっての打撃であり、青木選手にとっての寝技でありますが、川尻選手の場合はそれがテイクダウンとキープというものなので、もし組んでしまっ た場合はそこの差が出るような感じはします。

僕がテイクダウンのパワーや技術で劣っているとは思いませんが“エゴ”の部分では川尻選手の凄さを感じますね。川尻選手に勝つためにはやはり組ませない、先に倒したいです」

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