TOP > インタビュー 一覧

 12月14日(土)東京・後楽園ホールで開催された『Krush.35』にて、6連続KO勝ちの挑戦者・木村ミノル(Fighting Kairos/マイウェイジム)を、1Rわずか47秒でKOしてKrush-63kg級タイトルの初防衛に成功した山崎。幼い頃から学んでいた伝統派空手をキックにどう活かしているか、そして驚異のメンタルの強さを作るイメージトレーニングについて聞いた。(取材日:12月20日)
※試合レポート=【Krush】王者・山崎、木村を秒殺KOで初防衛戦に成功

PROFILE
山崎秀晃
(やまざき・ひであき)
1987年2月5日、京都府出身
身長177cm、体重63kg
チームドラゴン所属
※詳細は選手名鑑へ→

■第1章 伝統派空手をキックにこう活かす

ーー1Rわずか47秒でKO勝ち、見事な初防衛おめでとうございます。

「ありがとうございます」

ーー速攻勝負は決めていたんですか?

「いえ、全く考えていませんでした。むしろ1Rは見ていこうと思っていたくらいです。気持ちは行きたくて仕方がなかったんですが、“冷静になれ”と前田(憲作)先生に言われていたので、冷静に戦いました。僕の中では燃えたぎるものがあったんですけれどね」

ーーそれが秒殺KOの結果に終わったのはなぜ?

「1発目のローキックに凄い感触があったからです。“あ、効いたな”と思い2発、3発と蹴り込んでいったら、やっぱりローを警戒して近い距離でも腰が引けていました。いつもの木村だったら、この距離なら攻撃して来るだろうなって距離でも来ませんでした」

ーーローで勝負するのは決めていたんですか?

「実はそれも決めていなかったです。ただ、木村は上半身だけでパンチを打っていて、下半身は棒立ちやなっていうのは前から試合を見ていて思っていました。それで公開練習の動画を見ていたら、シャドーの中でローが来た時のかわし方が足を引いて伸び切った状態でかわしていたんですね。

 ローはむしろ前に体重を乗せた方が、こっちから当たりに行くくらいの方が効かないんです。それを見て“これはもしかしたらローがいけるんじゃないか”とは頭に入れておきました。でもローの練習は毎日サンドバッグを蹴りましたけれど、対策としては全くやっていなかったんです。

 でも1発ローを蹴ってみたら、全然避けることが出来ていなかったんですよ。それで2発、3発と出していったら上手いことハマッたって感じです。試合中のひらめきですね。僕は毎試合そうなんですが、何が当たるかなって探りながらその時々で組み立てていくタイプなんです。だからローで攻めるのも、その時の発想でたまたま出てきたものですね」

ーー公開練習が仇になるとは、珍しいケースですね。

「完全にそうです。前日会見で向こうは『あの公開練習は本気でやっていたのかな』(山崎の公開練習を見て「トレーナーさんや久保優太選手と一緒に見たんですけれど、トレーナーさんに確認しました、『これ、本気じゃないですよね?』と。でもトレーナーさんからは『こんなもんだよ』って返事があって安心しました」と発言)と言っていましたが、僕は全く本気ではやっていなかったです。でも、“お前はアラがめっちゃ出ていたからね”って言ってやりたかったですよ(笑)」

ーー山崎選手は映像を見てかなり研究するタイプなんですね?

「いえ、そんなことはないです。気付いた点があれば書きとめたりはしますが、何回も見て研究に研究を重ねるようなタイプではないですね。4~5回くらい見て、気付いた点があれば頭に入れて練習でやってみる、というくらいですかね。それが試合では全く使えない時もありますよ。基本的にはその時々で臨機応変に組み立てます」

ーー山崎選手の公開練習を見て印象に残ったのが、距離を取ってのミット打ちでした。あそこまで離れてミットをやる選手はあまり見たことがありません。

「遠い距離は意識してやっています。遠い距離で出来れば、接近戦も出来ると僕は思っています。僕の攻撃は届くけれども、相手の攻撃は届かない距離を意識しています」

ーーあれは伝統派空手をやっていたことが関係しているのでしょうか?

「そうです。まさかこの距離から来るとは、と相手が思うような距離からワンステップで入るので相手は反応出来ません」

ーー伝統派空手をキックボクシングに活かしている選手は珍しいです。

「僕は寸止めせずに、ガンガン当てていましたから反則負けが多かったです(笑)。伝統派空手のステップが活きているのは間違いないですね。堀口選手(UFCに出場している堀口恭司)もそうじゃないですか。堀口選手とは雑誌で対談させていただいたんですが、流派が同じなのでそれ以前から注目していました。その対談でも話したんですが、伝統派空手の人たちがキックボクシングをやったら面白いだろうし、自分にとっては恐怖でもあります」

ーー流派は松濤館流ですよね。どれくらいやられていたんですか?

「6歳から高校までやっていました。高校も空手で推薦入学です。ずっと嫌いだったんですけれどね(笑)。本当は野球が大好きだったので、嫌々やらされていた感じでした」

ーー伝統派空手がキックボクシングでも活かせる部分とは?
・・・

===================================
※この記事は会員専用です。会員登録すると続きが読めます。

会員登録会員の方はコチラ

===================================

  • 1
  • 2

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

TwitterでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!

こんな記事も読まれています

TOP > インタビュー 一覧