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 3月14日(金・現地時間)マレーシア・スタジアムネガラで開催されたアジア最大のMMA(総合格闘技)イベント『ONE FC ~WAR OF NATIONS~』にて、ブロック・ラーソン(アメリカ)を破りONE FC世界ウェルター級王座を獲得した鈴木。15歳から始めたフルコンタクト空手の技をMMAで活かす工夫とは?(取材日:3月21日)
※この大会の試合レポートはこちら
All Photo=ONE FC

PROFILE
鈴木信達
(すずき・のぶたつ)
1977年9月16日、東京都出身
身長172cm、体重77.1kg
ハイブリッドファイター所属
※詳細は選手名鑑へ→ 

■第1章 1試合1試合で自分が納得できる試合をすることの方が大事

ーー世界タイトル奪取おめでとうございます。どんなご気分でしょうか?

「ありがとうございます。感想としては疲れました(笑)。嬉しいのはもちろんですが、開放感というか安心感というか、そういう気持ちの方が大きいです」

ーー本来なら昨年11月大会で王座決定戦を行う予定でしたが、対戦相手の欠場によってタイトルマッチが延期になっていましたね。

「あまり深くは考えず、“まあ、仕方がないかな”とそんなに気落ちすることもなかったです。逆に代わりの選手との試合がなくなった時の方が気落ちはしましたね(タイトルマッチの代わりとしてノンタイトル戦が組まれたが、対戦相手が医療検査をクリア出来ず、中止になるというハプニングに見舞われた)。あの時は“マジかよ”と思いました」

ーーそのことがあったので、よりタイトル獲得への気持ちが高まったということは?

「試合が近付けば近付くほどタイトルが欲しいなって気持ちは強くなりましたけれど、僕は元々、何かタイトルが欲しくて格闘技をやっているわけではないんです。

 とにかく1試合1試合を一生懸命にやって、自分が納得できる、もしくは観客の皆さんが納得できるような試合をやりたいって気持ちの方が強いんですね。だからタイトルへのあくなき渇望というよりも、1試合1試合で自分が納得できる試合をすることの方が大事でした」

ーー今回の試合を振り返るとどんな感想をお持ちですか?

「判定が出るまでは、自分が負けたんじゃないかって気持ちもあったんです。正直、僕は試合中にアピールするのが嫌いなタイプなので普段はやらないんですが、今回は試合が終わったところで自分の方が元気だぞってアピールをしてしまいました。それは自分が負けたんじゃないかって気持ちが強かったからです。試合中は勝ってるイメージを持てなかったですね」

ーー4Rは蹴りを多用して徹底的にスタンドで戦い、5Rはパウンドを叩き込むなど優勢なシーンが多く見られました。

「プレッシャーをずっとかけることが出来ていたのは分かっていたんですけれど、映像を見るまでは自分が優勢だったイメージはなかったですね。相手の左ストレートが脅威で、カウンターを取らなければいけないところで怯んでしまい、手が出なかったという反省点もありました。

 でも映像を見るとけっこうワンサイドの試合だったんだな、と自分でも意外でしたね。あとは彼の組み技の力が、僕が削ったからもあったんでしょうけれど、そんなに強くはなかったというのもあります」

ーー作戦的にはどんなことを考えていたんですか?

「僕の場合、戦い方が一辺倒なのでそれが通じなかったら勝てないというところがあります(笑)。自分はボディを効かせて削っていって、最終的に打撃で仕留めるスタイル。

 直線的な攻撃を多く使うことによって相手のタックルも打撃も機先を制することが出来るので、ヒザ蹴りや前蹴りを必ず多用することは攻守ともに武器になります。

 それを主体にしてそこから活路を見出そう、と。一発で効かせてやろうとか倒してやろうとかではなく、とにかく削って、削ってチャンスがあれば倒してやろうって戦い方です」

ーー空手家でありながらも、一撃必殺にはこだわっていないんですね。

「そうですね。倒せるところでは倒さなければいけませんが、あれだけ頑丈で一流の選手ですから、欲を出して一発で何とかしてやろうと考えると足元をすくわれてしまいます。

 中村K太郎選手とやった時(2012年12月24日、VTJ 1stで一本負け)がまさにそうだったんですが、欲が出て一発で効かせてどうにかしてやろうという慢心があると、一流選手には通用しません。その分、こっちも耐えないといけないので厳しく苦しい戦いなんですが、とにかく削っていこうという気持ちでやりました」
・・・

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