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【食】極真伝統の鶏の水炊き

 格闘家やアスリートにとって、毎日のトレーニングと同じくらい大切なのが、『強くなるための食事』。「eFight」では、トップ選手やそのトレーナーなど一流指導者に“秘伝”の献立メニューを紹介してもらう新コーナーを企画しました。第1回は、極真空手創始者・大山倍達総裁と弟子たちがテーブルを囲んで食べた『鶏の水炊き』を新極真会・高知県支部 三好一男師範に紹介していただきます。

1979年 第2回世界大会で活躍する三好師範

 若き三好師範が日々稽古に明け暮れた30数年前は空前のカラテブーム。東京・池袋の総本部道場には全国から入門希望者が殺到し、中には内弟子として寮に寝泊りし、大山総裁直々の弟子となって総裁のお世話や本部の雑務をしながら空手を学ぶ生徒もいた。その内弟子寮は、“若獅子寮”と呼ばれ、そこでは内弟子が交代で炊事当番をして共同で自炊をしていたというが、週に1回、大山総裁を囲む食事会が開かれて、そこで皆が食べる名物料理が“鶏の水炊き”だったという。

「毎週金曜日の夜に黒帯研究会という上級者が集まるクラスがあって、それが終わった後に総裁を囲んで“水炊き”を食べるのが恒例でした。元々は内弟子のカラダ作りが目的だったと思いますが、私たち通いの道場生も参加して一緒に食べることを許されました。総裁の指示で内弟子は昼頃から作っていましたね」(三好)

中谷元 衆議院議員(左)と三好師範

 その中でも当時は「総裁の運転手をしていた黒岡八寿裕支部長(新極真会和歌山支部)の作る水炊きは、まさに天下一品の美味さ」だったという。後に高知県に支部道場を開設し、自分でも水炊きを作って生徒たちに食べさせてあげたいと思った三好師範は、黒岡支部長にその材料や作り方のコツを聞いて“水炊き会”を催したところ、壮年部から一般部、少年部の生徒はもちろん、支部の後援者や少年部の父兄まで一緒に鍋を囲んで大好評を博した。以来、現在まで毎月この“水炊き会”を催しているうちに、それが口コミで広まって、国会議員(中谷元、広田一)、尾崎高知県知事までも参加。毎回40~50人が定員だったが、この2カ月は70人を超えてしまったと嬉しい悲鳴をあげている。2013年1月19日、この水炊き会も50回目を迎えることになった。継続は力なり!

定員オーバーの70人が参加した新極真会高知支部の水炊き会の模様

 さて、肝心の鍋の中身である。鶏は、昔の本部時代には骨付きで20羽をブツ切りにしたものを鍋に入れていたというが、今は若鶏をだいたい20kg、あとは白菜、長ネギ、水菜、ニラ、もやしなどの野菜、豆腐、しめじやえのきなどのきのこ類を鍋いっぱいに入れて煮る。師範は、「中でも、もやしが大事。もやしは豆が発芽する野菜なので、子供たちには絶対に食べさせたい」とこだわりを語った。

「もやしは豆が発芽する野菜なので、子供たちには絶対に食べさせたい」と、もやしが山盛りに。

 そしてもう一つこだわっているのが、「高知県の地場で作られた野菜や豆腐を食べること。県内の農家の人たちを出来るだけ応援していきたいと思っていますし、地元で収穫された朝採りの新鮮な食物がいちばん身体にいい」。

 三好氏以外にも当時の料理担当の内弟子の方数人に話を伺ったところ、鶏や野菜の入れる順位、煮る時間、また、にんにくと生姜を多めに使うのが共通した特徴であった。

完成間近の水炊きの様子

 1970年代、プロテインやサプリメントが一般的ではなかった時代、稽古後のカラダ作りに大山総裁は鶏の水炊きを取り入れたのではないか、と三好師範が言う。水炊きは果たしてカラダ作りのためにどれほど有効か。全国にフィットネスジムを展開するゴールドジムのサプリメント開発担当主任の佐藤貴規氏によると「稽古後の食事は身体づくり、疲労回復のために特に重要。プロテインなど手軽に摂れるサプリメントの普及していない当時としては脂肪の少ない鶏肉はベストな選択です。また、鍋は野菜をたくさん摂ることができますが、中でもニラはビタミンが豊富で消化を助ける作用もあり、食事から沢山の栄養を補給しなければいけない場合などに優れた食材です。タレのポン酢や薬味に極真流として使用されるニンニク、ショウガは、それぞれクエン酸やアリシン、ジンゲロールが含まれ、疲労回復効果や消化促進が期待できます」とのこと。

参加者全員の最初の一杯分は、三好師範がボウルに入れる。

 大山倍達というと「大食は強運なり!」と言って若い弟子たちに腹いっぱい食べさせたというエピソードが有名だが、三好師範は「もちろん若い選手や子供たちにはいっぱい食べて欲しい。でも、地元の安心できる食材を使ったり、高知の海洋深層水を飲んでもらったりして、道場生に少しでも強く、健康な身体になってほしいという願いが今はいちばんです。大山総裁が我々に気を配って下さったように、私はその恩をこうやって生徒たちに還元していきたいと思っています」(三好)。

 最後に、美味しい料理をさらに美味しく食べる“秘訣”を三好師範はこう力説した。

「道場で、みんなで汗を流して、ヘトヘトになるまで稽古してから食べるから最高なんでしょうね。今日はよく頑張ったなとみんなで話し合いながら食べる、これ以上のご馳走はありません!!(笑)」

大山倍達も食べた『鶏の水炊き』レシピをご紹介! (会員専用)
この鶏の水炊きを家庭で作りやすいように、2人前のレシピをご用意しました。当時の内弟子が水炊きと一緒に食べていた麦飯のレシピもご紹介。これでパワーアップ間違いなし!
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