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<2018年格闘技界はこう動く>各団体代表インタビュー

2018年「巌流島」はこう動く

谷川貞治(巌流島プロデューサー)
格闘技の一番の売りは幻想、その幻想をますます売りにしていく

短期集中連載として「2018年格闘技界はこう動く」がスタート。各団体の代表に今年の動向を先取りインタビュー。どこよりも早く格闘技界の動向をキャッチしよう。

■中国のテレビ局と企画を煮詰めている段階です

――今年は巌流島も立ち上げから4年目になりますね。2018年は、どんな年にしていきたいですか?

「おかげさまで格闘技マニアや、コアなファンの方たちには非常に評判がいいので、今年はマス(=一般層)の人たちに、より伝えていくということですね。今、ありがたいことにフジテレビのCSで生放送していただいていますが、今後は地上波とか、どこか配信の会社とも手を組んで、まだ巌流島を知らない人たちに伝えていきたいです。

 僕は地上波でもいい視聴率を取る自信があるんです。そのためには、もちろん地上波用の選手を用意しますけどね。アメリカの『ファイトTV』で1月3日の大会を遅れてPPV(ペイパービュー=有料視聴)放送したんですが、それもすごく反響が良かったです。だから世界にも、より広めていきたいなと思っています」

――あの独特の試合場とか、試合のコスチュームも、「和」の感じで、海外の人にウケそうですね。

「そうなんですよ。実際、中国の大手テレビ局から今、巌流島をベースとした番組をやりたいっていう話が来てるんです」

――そうですか! 中国は、マーケットとしても巨大ですし、面白いですね。

「これが決まれば大きいですね。すでに企画を煮詰めている段階です。1月3日の大会も、わざわざ中国のテレビ局の幹部が10人くらい見に来てくれたんです。彼らにも、とても評判がよかったんで、そのまま決まればいいなあ、という感じです」

――その中国のテレビ番組が決まるとすると、どんな内容に?

「巌流島を中心とした、トライアウト番組みたいな感じです」

――UFCの登竜門的なリアリティ番組『ジ・アルティメット・ファイター』(略称TUF。2005年にファーストシーズンが米のケーブルテレビ『スパイクTV』で放送されて爆発的にヒット。これによって一般層にまでUFCや総合格闘技が認知され、赤字だったUFCが一気に黒字転換しメジャー・スポーツ団体になった)のような?

「そうそうそう! で、その局も、凄く大きなテレビ局なんで。その辺も、今年はやっていきたいなと思ってます」

――中国でも『クンルン・ファイト』(ブアカーオやその弟子のスーパーボーン・バンチャーメークらも出場しているキックボクシング大会)なんかが盛り上がってますよね。

「そうですね。『武林風』とか『英雄伝説』とか。僕は、『クンルン・ファイト』は知らないんですけど…。『武林風』はもともと僕がフジテレビと一緒に中国に行って作った番組なんですよ。これが今、中国の格闘技のテレビ番組としては一番視聴率がいいと思います。あと、『英雄伝説』っていうのもあるんですけど、それは僕のK-1時代に、中国選手の窓口をやってた人がやってるんで、まあ、昔の仲間です。

 僕が落ちぶれている間に、その『武林風』と『英雄伝説』が大出世しちゃって(苦笑)。アメリカのMMA大会『ベラトール』の社長のスコット・コーカーもそうですけどね。彼もK-1 USAの社長だった人ですから。みんな僕が沈没している間に、大出世しちゃった(苦笑)。…まあまあ、そういうルートもあるんで、面白いこともできるんじゃないかな、と思ってます」

――中国はもともとカンフーの国ですから、立ち技格闘技に興味がある人は非常に多いでしょうね。総合格闘技のUFCも昨年11月に上海大会を開催して中国本土進出を果たしましたが、世界中のビジネス界だけでなく、大手格闘技団体も巨大な中国市場を狙っているようですね。

「そういう意味では巌流島はサムライの武道精神っていうか、武道的な試合、演出、精神を中心に伝えていっているんで、これから格闘技がメジャーになっていく中で、テレビ局やスポンサーに響いてくるんじゃないかと思ってるんですよね。なかなか格闘技が流行ってきたって言っても、金網のMMAを地上波でやってるのは、世界広しといえども、日本くらいですからね」

――そうですね。アメリカではUFC on FOXという大会が年4回だけ4大ネットワークの1つのFOX TVでやってますが、それ以外はPPVとケーブルですからね。

巌流島でカンフーと言えば、カマキリ拳法の瀬戸信介だが、本場中国からカンフーの使い手が参戦することもあるのか

「中国なんかは、テレビ局によっては可能かもしれませんが…でも中国とヨーロッパはMMAは放送禁止ですからね、基本的に。そういう意味では、これからの格闘技の見せ方というのを考えて行かないと。巌流島は“親が子供に見せたい格闘技”というのを1つのテーマにしていきたいです。そういうことがすごく重要になると思います」

――そういう意味では、これからルールなども変更されていく?

「基本的に、ルールにはあまりこだわってないんですよ。例えばグレイシー柔術の人が来て、立ち技の人と決闘するんだったら、寝技の時間制限はない方がいいですよね。その方が公平だったりするわけじゃないですか。『寝技は15秒だけ』とか『関節技なし』なんていうルールでは、公平じゃないと思いますから。いまだに、押し出しには賛否両論がありますが、そういうところを含めて、マッチメイクによっては、ルールも変えていきたいなと思っています」

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