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<2018年格闘技界はこう動く>各団体代表インタビュー

2018年「パンクラス」はこう動く

酒井正和(パンクラス代表)
ラスベガス進出の理由、新本拠地スタジオコースト利用方法

短期集中連載として「2018年格闘技界はこう動く」がスタート。各団体の代表に今年の動向を先取りインタビュー。どこよりも早く格闘技界の動向をキャッチしよう。

■8月のラスベガス大会計画、そしてその先に見据えるもの

――1月1日にパンクラス公式サイトで「2018年の具体的なミッション」として「8月にパンクラスナンバーシリーズラスベガス大会を実現させたいと思います」と発表されて驚きました。実際、1月にアメリカにも行かれていたそうですね。

パンクラスをけん引するバンタム級王者・石渡伸太郎は、昨年RIZINにも参戦して活躍

「はい、行きました。いい感触がつかめましたね。アスレチックコミッション(MMA=総合格闘技を含む格闘競技を統括する組織)とも以前からコミュニケーションを取っており、今回はネバダ州アスレチックコミッション認可用の指紋申請をしたり、ラスベガス大会実現に向けた諸々の打ち合わせをしてきました。結果は2カ月くらいかかります」

――このタイミングでラスベガス大会を実現させようとするのはなぜなのですか?

「今ラスベガスは景気がいいです。カジノホテル全体の売り上げがアップしています。どうしてかと言うと、エンターテインメントもありますが、スポーツに関してネバダ州が力を入れているんです。例えば、アイスホッケーのプロリーグのチャンピオンチームがベガスにあったり、2020年にはアメフトのレイダーズが本拠地をラスベガスに変えるんですよ。マンダレイベイの資本でスタジアムを作り始めています。

女子ストロー級王者の朱里は、パンクラス王者になってUFC参戦のチャンスをつかんだ

 そうなってくると間違いなくスポーツカジノが盛んになって来るので、今からパンクラスとしてはベガスでスポーツMMAとしての立場を確立させたいのです。今のパンクラスは、ハッキリ言ってまだなんちゃってスポーツMMAなんですよ。UFCと同じユニファイドルール(アスレチックコミッションが定めるルール)でやっていますが、日本にはアスレチックコミッションがないじゃないですか。そういうものがクリアできないと、スポーツMMAと言っていても難しい部分はあります。突っ込まれどころが満載です。

 だったら、アメリカでアスレチックコミッションの認可をもらえれば、これはスポーツMMAです。まずそれを実現させることが私のミッションなんですね。今年はまず1回ラスベガスでやって、来年は3回と数を増やしていきたいです。かと言って国内のナンバーシリーズは減らしません。海外の大会を増やします。

ウェルター級王者・阿部大治も王者となってUFCへの道が開けた

 ベガスは今後どんどん成長していく場所なので、日本のいろいろなカジノ絡みの企業が研修を受けに来てノウハウを学んでいます。日本もいずれグローバル化して、カジノ的なものが増えてくると思います。そうなってくれば、私たちがやっているものがオッズの対象になりやすい。ただ公平さなどいろいろな必要なものが実際どうなのと言われたら、今の日本の格闘技団体はほとんどがまず無理でしょう。

 しかし、そこでパンクラスはアスレチックコミッションの認可を取ったパッケージを日本に逆輸入すればオッズの対象になる。いわばその実績を作っているところです」

――なるほど。1回花火を打ち上げるのではなく、未来を見据えてのラスベガス大会なのですね。

2015年11月に開催されたハワイ大会は、ラスベガス進出のためのテストだった

「そういうことです。ただやるだけだったら面倒くさいじゃないですか(笑)。2015年11月にハワイ大会をやりましたが、あれはテストだったんです。ハワイにはコミッションがあるので、コミッションの認可を取って実際向こうのレフェリーを使って試合をやりたかったんです。そして本丸はネバダ州のアスレチックコミッション。MMAの総本山ですし、ボクシングもそうです。世界で一番認可が厳しいので、あそこをパスするのが僕の狙いなんです。

 ベガス大会にはUFCも協力してくれます。 ・・・

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