【RISE】2024年MVP・那須川龍心インタビュー「“KOして勝つ”ことで新時代の革命を起こせる」
中村 まだ年齢も若くてキャリアも決してそんなに多い訳ではないですが、こんな1年は中々ないくらいに濃かったのではないでしょうか?
龍心 自分が挑む側だったので楽しかったですね。全員倒さなければいけない相手でしたし、松本選手や塚本選手や数島選手もそうですし、大事な試合ばかりでしたね。
中村 戦った選手を実際に並べてみると、上のランクにいる選手としか戦っていなかったことが分かります。
龍心 それを順番で倒していったし、そこで負けていたら今もチャンピオンではなかったと思いますし、チャンスが転がってこないと思うんですよ。その来たチャンスを全部掴んでいったって感じですね。
中村 そういった結果とか試合という部分で周りを認めさせた実感はありましたか?
龍心 実感はありましたし、“認めさせてやろう”っていう気持ちはありましたね。タイトルを獲る前までは色々な文句とかを言われる事があったので、このタイトルマッチが勝負だなと思っていました。
中村 「ベルトも巻いたし、これで文句言えないだろ」っていう1年を過ごせましたね。笑
龍心 文句は言ってこないだろうと思ったら、また文句が出てきたりするので。笑 ごちゃごちゃ言うやつは何をやっても言うんだろうなと思いながら、逆にそう言う声がないと自分的に燃えないので、ずっと楽しませてくれますよね。
中村 そういった中で今日お聞きしたかったのが、「革命を起こしたい」という事を龍心選手が言われていて、具体的に何をやりたいのか、なぜそういう言葉が出てきたのかをお聞かせいただきたいです。
龍心 今RISEを引っ張っている選手っていないと思うんですよ。いないというか、中々出てこないというか。それとトップ所にいる選手って自分より年上っていうのは当たり前なんですけど、ある程度年齢を重ねている選手が多いじゃないですか。それだとダメだと思っていて。天心は10代の頃からRISEを引っ張っていって、勝たないといけない相手に勝ってきたじゃないですか。やっぱり自分もそうならないといけないと思いますし、形は違えど自分の形で見せていく必要であったり、今度の相手も強いし天心と戦った相手というのもありますし、それ以上のものを見せられたら、自分が引っ張っていけるのかなみたいな。そういう意味での“革命”っていう比喩表現です。
中村 今お話を聞いていて、良くも悪くもトップ選手がある程度固まっていて「このメンツがRISEだ」っていうイメージはできる一方で、ズバ抜けた選手がいるかと言われると、全員でRISEを支えている状況だと思います。それは良い部分ではあるけど、そこを自分が変えたいという思いがあるんですか?
龍心 そうですね。「自分が引っ張っていった方が良くない?」みたいな感じのノリです。今の選手がトップを張っていけるかと言われたら、そういう器の選手はあまりいないと思うので、自分がそうなるしかないのかなって思っています。
中村 例えば自分がいち抜けして、孤独で辛いと思うんですけど、そうやって団体を引っ張ったり確立させていくっていうのは、やはり天心選手の姿を見て感じた事なのでしょうか?
龍心 天心が引っ張っていた時は、辛そうだなって思わなかったんですけど、今俯瞰して見ると辛かったんだろうなって思う部分もありました。でもそういうのを見てきたから、自分の標準がそこになっているんですよ。
中村 なるほど。
龍心 「そこが当たり前だよね。そこまで行くのが普通だよね」っていう感覚なので、それが“夢”ではなくてやらなければいけない“目標”なんですよね。それが自分にとってやらなければいけない事だと思っているので、だから夢だとも思っていないですし、無理な事を言っている訳でもないなと自分は思っています。
中村 龍心選手は1番軽い階級のフライ級(-51.5kg)で戦っているじゃないですか。今まで軽量級が中心になるということがなかったと思うのですが、そう言ったところも変えて行きたいと思っていますか?
龍心 昔のK-1とかはヘビー級とか外国人同士の戦いが盛り上がっていたけど、今って段々と軽量級も注目され始めているじゃないですか。それは良い流れだなと思いますし、軽量級には今の選手が多いんですよね。昔の選手というかキャリアのある選手とかと違って、-51.5kgって今を引っ張っていくような若い選手が多くて色々な個性がありますよね。
中村 偶然同じ時期に個性豊かな10代、20代の選手が集まっているのは中々ないことですよね。
龍心 中々ないと思いますし、その中でもトップを張れているのは嬉しいことでもありますね。
中村 昔はデカくないと「迫力がない」と言われていましたけど、今の選手って軽量級でも倒せるし魅せれるじゃないですか。なんならボクシングは基本軽量級の方が主なわけで、その軽量級だから試合がつまらないとかは言わせたくないっていう気持ちはありますか?
龍心 重量級の良いところって迫力というか、パンチが当たった時の音とか目に見て分かりやすいところじゃないですか。軽量級ではそれと違って芸術っぽいところを見せたいですね。一つ一つの動きのキレだったり「ここでこういう動きをするのか」とか。その中でKOできたら良いですね。
中村 “派手さ+繊細さ”といったところでしょうか。
龍心 最軽量級でやっているので、そういうところを魅せていかないといけないと思っています。
中村 今のRISEでは、-65kgや次のトーナメントの-61.5kgなどが注目されていますけど、そこではなくて自分たちの階級にも目を向けさせたいとか、ここが1番面白いという事を見せていきたいですか?
龍心 技術的なレベルを見ても、-51.5kgと-53kgが1番レベルが高いと思っています。だからその技術にプラスして、派手に倒す試合をRISEは求めているので、そこを見せていくしかないなと思います。
中村 みんなそれぞれ個性もあって、ライバルだとは思うのですが、そういった意味ではある意味同じ目標として盛り上げていきつつ、自分が1人抜けていきたいですか?
龍心 そうですね。一緒のレベルにいてはいけないと思っていて、-51.5kgのチャンピオンとして、今ランカーにいる選手たちより格の違いを見せていかないといけないなと思います。自分が抜き出ることによってランカーの選手も自分の首を狙ってレベルが上がってくると思いますし、自分のレベルが上がる事によって、そういう下地ができてくるのかなと考えています。
中村 体重の刻みはありますけど、例えば面白い試合とか、こいつと戦ったらどうなるんだろうっていう場合は、体重にこだわらずにチャレンジしていきたいと思いますか?
龍心 -55kgだとまだ体が小さいですけど、-53kgにも挑戦していきたいですし、-53kgに行けば面白い選手も強い選手もいっぱいいるので、そこも自分の中の楽しみな部分ではありますよね。
中村 まさに“最軽量級で革命を起こす”という感じですね。
龍心 そうですね。
中村 今RISEが『王道』というテーマを掲げている中で、MMAやムエタイなど色々な格闘技がありますけど、やっぱり「キックボクシングがRISEだ」という風にRISEを盛り上げていきたい気持ちはありますか?
●編集部オススメ
・那須川龍心と対決控えるクマンドーイ、バックハンド一撃で秒殺KO!怒涛の4連勝
・【RISE】”3連続KOと王座戴冠”那須川龍心が年間MVPに!次戦過去最強の相手クマンドーイも「KOする」と自信
・【RISE】那須川龍心、3連続KO勝利!“スーパーレックの愛弟子”がうつ伏せ動けず「KO出来るところ見せれた」=試合結果・速報
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
TwitterでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!
Follow @efight_twitインスタグラムでeFight(イーファイト)格闘技情報をフォローしよう!



【10月・ベストファイター】決勝、顔面ヒザ蹴りKO!”カザフの怪物”キンザースキーが、新極真会全日本優勝、克服した”意外な”課題

