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【極真会館】全世界ウェイト制大会で日本が三階級を制覇!

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2013/04/28(日)UP

ピックアップ!極真会館「第5回全世界ウェイト制空手道選手権大会」
鎌田翔平インタビュー「一本勝ちを生む“鎌田理論”とは?」&島田慧巳インタビュー「鎖骨打ちで世界を獲る!」

▲各階級の優勝者たち(左から)軽重量級ナヴァロ、中量級・森、軽量級・小沼、重量級・荒田

国際空手道連盟 極真会館
「第5回全世界ウェイト制空手道選手権大会」
2013年4月28日(日)東京体育館

 世界19カ国が参加、4階級(各階級16名)でウェイト制(体重別)の世界王座を争う4年に一度の『全世界ウェイト制空手道選手権大会』が開催された。

 無差別級の全世界大会と全日本大会では、2大会連続で外国人選手が優勝し、日本は王座を逃した。しかし、今大会では軽量級・小沼隆一、中量級・森善十朗、重量級・荒田昇毅とそれぞれ日本人選手が優勝。2009年の第4回大会に続き、三階級を制覇した。

 松井章圭館長は大会総括で、「とりあえず合格点。今日はよく頑張った、よくやったと日本人選手たちをほめてあげたい。2年前の全世界大会(無差別級)を経験した彼らが長足の進歩を遂げている」と、日本人選手たちの活躍に顔をほこらばせた。

 そして「2年後の全世界大会(無差別級)へ向けて喜ばしい結果です。日本の王座奪還のシナリオはすでに始まっている……となればいいですね」と2003年の第8回大会以来、日本から遠ざかっている世界王座の奪還に手応えを感じているようだった。

☆「第5回全世界ウェイト制空手道選手権大会」ピックアップはこちら


▲決勝戦はカパナーゼにドクターストップがかかり、荒田の不戦勝となった

▼重量級(90kg超級)決勝戦
○荒田昇毅(日本)
不戦勝
●ゴテルジ・カパナーゼ(ロシア)

 2001年の第2回大会で数見肇が優勝した以外、全て外国人選手が王座に就いている重量級。世界の強豪が集うこの階級に日本からは、荒田、村岡賢和、荒木聡の3人がエントリーした。

▲荒田(右)は準決勝で、ダミヤノフ(左)を強烈な下段廻し蹴りで攻め込む

 村岡が1回戦でジマ・ベルコジャ(フランス)に上段廻し蹴りで技あり(ダウン)を奪われて敗退、荒木も準々決勝で“世界一の攻撃力を持つ男”カパナーゼに判定3-0で敗れて姿を消し、重量級制覇の希望は昨年の全日本大会3位・荒田に託された。

 荒田は1回戦でソラニ・グメデ(南アフリカ)を判定5-0で破り、準々決勝では第10回全世界大会6位のニコライ・ダビドフから右下突きで2度の技ありを奪って合わせ一本勝ち。さらに準決勝では第10回全世界大会5位で、いま最も世界王座に近い男との呼び声も高いザハリ・ダミヤノフ(ブルガリア)をも判定4-0で撃破する快進撃。

 そして迎えた決勝戦の相手は、第10回全世界大会3位のカパナーゼ。昨年の全日本大会準決勝で荒田が敗れた相手だ。重量級世界王座とリベンジを懸けた大一番となるはずだったが、カパナーゼにドクターストップがかかり、荒田が不戦勝で優勝となった。

▲荒田(左)が準々決勝でダビドフ(右)合わせ一本勝ちの圧勝

 松井館長によれば、「カパナーゼは疲労とプレッシャーのためなのか、ここ一番になると具合が悪くなってしまう。国際大会で2~3回そういう症状が出ています」という。

 決勝戦を行えなかったことから、表彰式での笑顔がなかった荒田は「喜ぶ半分、無念半分です。カパナーゼには1度敗れているし、試合をやって勝たないとカパナーゼがいなかったから優勝できたと言われてしまう。そうではないことを証明するためにも決勝でやりたかった」とコメント。

 今大会では「初めてプレッシャーというものを大会前に感じました。重量級は絶対に獲らないといけない、それが自分の使命だと考えていました」と言い、「でも最後には開き直りました。そのため持ち前のガムシャラさが出て、原点に返れました。強い選手と戦うことが楽しいと、前のように感じられました」と本来の自分を取り戻したという。

 そして、「2年後の全世界大会は覚悟を決めたヤツが一番強い。そういう気持ちを持ってやれば達成できると思います」と、無差別級の世界王座奪還に手応えを感じていた。


▲鎌田(左)に猛然と突きのラッシュを仕掛けるナヴァロ(右)

▼軽重量級(90kg以下)決勝戦
○アレハンドロ・ナヴァロ(スペイン)
延長1回 判定5-0
●鎌田翔平(日本)

 第1回大会から日本が王座を独占しているこの階級。

 しかし今回は、昨年の全日本大会を制したナヴァロを筆頭に、第9回全世界大会4位ダルメン・サドヴォカソフ(ロシア)、第10回全世界大会7位オレクサンダー・イエロメンコ(ウクライナ)、第10回全世界大会8位イリヤ・カルペンコといった強豪が集結し、今大会屈指の激戦区となった。

 日本からは鎌田と小林大起がエントリーし、小林は準々決勝でカルペンコに判定で敗れて姿を消した。鎌田は準々決勝でダルメンに殊勲の判定勝利、準決勝ではイヴァン・メゼンツェフ(ロシア)を延長戦の末に破り、決勝へ進出した。

 決勝では、準決勝でカルペンコを破ったナヴァロと対戦。接近しての突きを連打してくるナヴァロに鎌田は右下段廻し蹴りと突きで応戦。延長戦へもつれこみ、鎌田が左中段廻し蹴りを連続ヒットさせ、さらに右下段廻し蹴り。接近戦を挑んでくるナヴァロの離れ際には上段廻し蹴りも繰り出す。

 だが、後半になるとナヴァロの接近しての突きにヒザ蹴りで応戦していた鎌田の動きが鈍り、ラスト30秒でナヴァロが左右に跳ねるようにして繰り出す突きのラッシュ! これで鎌田の動きが止まり、ナヴァロが全日本大会に続いて軽重量級世界王座を手にした。


▲最後はヒザ蹴りの連打で森(左)が粘る澤村(右)を突き放した

▼中量級(80kg以下)決勝戦
○森善十朗(日本)
延長1回 判定4-0
●澤村勇太(日本)

 2連覇を目指す森の前に立ちはだかるのは、ロシア中量級の強豪イゴール・ティトゥコフ、ヨーロッパ大会中量級王者イアコブ・ミレル(ルーマニア)、そして第10回全世界大会で森を破っているラシャ・ガバラエフ(ロシア)。

 しかし、ガバラエフは準々決勝でショウヘイ・ヤマモト(アメリカ)に敗れ、そのヤマモトはもう一人の日本代表・澤村勇太が準決勝で降した。ティトゥコフは森が準決勝で判定に破り、決勝戦は森と澤村の日本人対決に。

 無差別級の第10回全世界大会では中量級ながらベスト16に進出し、技能賞を獲得した澤村。コンパクトに鋭く繰り出す突きとヒザ蹴りで、森の左下段廻し蹴りと左中段廻し蹴りに対抗する。ラスト30秒で森がラッシュを仕掛けるが、引き分けとなり延長戦へ。

 ここで森が強い左下段&中段廻し蹴りで澤村の突きを迎え撃ち、さらにヒザ蹴り連打でラッシュを仕掛ける。澤村は突きで応戦するが森のヒザ蹴りに押され、森は最後に胴廻し回転蹴り! 判定4-0で森が2連覇を達成した。

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