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【ボクシング】カニサレスを捕まえられず田口が引き分け防衛

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2016/12/31(土)UP

ワタナベジム
「BOXING THE BEST OF BEST TIME FOR PAYBACK」
2016年12月31日(土)東京・大田区総合体育館

田口(右)が判定勝ちで5度目のタイトル防衛に成功

▼WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ 3分12R
△田口良一(ワタナベジム/WBA世界ライトフライ級王者)
ドロー 判定1-1 ※116-112、112-116、114-114
△カルロス・カニサレス(ベネズエラ/WBA世界ライトフライ級3位・挑戦者)
※田口が5度目の王座防衛に成功。

 昨年の年末興行で2度目の防衛に成功し、“強カッコいい”宣言をした田口が3年連続で大晦日のリングに立った。田口は今年4月、8月に防衛戦を行い、難敵をクリアして防衛回数を4度に延ばし、今回はプロ16戦全勝13KOの強打者ベネズエラのカニサレスを迎えての5度目の防衛戦。勝てば同じライトフライ級で同日に王座を獲得したWBO王者の田中恒成や29日に2度目の防衛に成功したIBF王者の八重樫東との統一戦に注目が集まる。

 身長・リーチともに田口が約15センチ上回るが、低い姿勢からアグレッシブに前に出て強打を振るうカニサレスに対し、田口は試合前に「やり易くもあり、やり難くもある」と予想。試合は実際その通りの展開になった。

 1R、距離を取って相手の出方をうかがう田口に対し、カニサレスは下から突き上げるような左ジャブと右ストレートを繰り出し、返しの左フックも速く、田口のガードを弾く乾いた音が場内に響く。中盤にはカニサレスの左フックがノーガードの田口の頬をかすめる場面もあり、このラウンドは3者10-9で挑戦者を指示した。

 2R、田口はリーチを活かした左ジャブを有効に使い、カニサレスの大振りのパンチを見切ってカウンターを狙うなど、このラウンドは逆に3者とも10-9で田口を指示。 

 3Rはカニサレスが3者とも10-9で取るなどシーソーゲーム。また、このラウンド以降はジャッジの採点が微妙に割れていく。

 7Rには、やや疲れの見えるカニサレスのステップが雑になったところに田口の左フックがヒット。終わり際には田口がギアを上げてカニサレスを捕まえにかかるが、終了のゴング。

 8R、続けてステップの鈍った挑戦者に田口のパンチがヒット。だが、カニサレスは巧みにクリンチして相手の連打を許さない。

 以降も田口がパンチで追えばカニサレスは打ってはクリンチして打たせないという展開が続く。

 最終の12Rも相手を追う王者田口とそれをかわす挑戦者の攻防。カニサレスは打ってはあからさまなクリンチを仕掛けて場内からは大ブーイングが巻き起こる。田口は相手を捕まえ切れないまま試合終了のゴングを聞いた。

 判定は116-112(カニサレス)、116-112(田口)、114-114の3者3様のドロー。辛うじて5度目のタイトル防衛に成功した田口は「(カニサレスは)やりにくかったのと、戦前の作戦と相手の戦い方が違ったので困りました。防衛できて良かったですが、ポイントを取られたラウンドもあるので、次は相手がどんな戦い方で来ても勝てるように練習します」と反省しきり。2017年に向けて課題の残る試合となった。

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