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【Krush】野杁、大和、KANAが名古屋でKO競演

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2017/08/20(日)UP

eFightの試合動画
試合レポートと同時にアップする速報動画では、KOシーンはスーパースロー再生。

野杁(右)が徹底したボディ攻めで、地元名古屋でのKO勝利を飾った

グッドルーザー
「Krush.79 ~in NAGOYA~」
2017年8月20日(日)愛知・名古屋国際会議場イベントホール

▼第9試合 トリプルメインイベント第3試合スーパーファイト Krush -65kg Fight 3分3R延長1R
〇野杁正明(K-1ジムEBISU小比類巻道場/K-1スーパー・ライト級王者)
KO 2R 1分14秒 ※右ハイキック
●ディエゴ・フレイタス(ポルトガル/ISKA欧州スーパー・ライト級王者&Strike League2015同級トーナメント王者)

 6月18日のK-1さいたまスーパーアリーナ大会で、延長の末、王者ゲーオを破ってK-1スーパー・ライト級王座を獲得した野杁が地元・名古屋に凱旋し、日本vs世界3対3マッチというトリプル・メインのトリに出場した。

 2009年のK-1甲子園で、高校1年だったにもかかわらずHIROYAを降して優勝し“怪物高校生”と呼ばれた野杁も、いまや24歳。相対的に見ればまだ若いのだが、中学生時代から野杁を知る佐藤嘉弘・大会実行委員長は「年齢を重ねて円熟してきた」と高評価。

 相手のフレイタスは“ポルトガルからの刺客”。ISKA欧州スーパー・ライト級王者で、2015年のStrike Leagueトーナメントでも優勝した実力者。野杁と同じく24歳だ。

 1R、フレイタスはアップライトに構え、両腕のガードをしっかり上げてパンチや蹴りを出していくスタイルは、野杁そっくりだ。両者はローで探り合った後、野杁がジャブの2連打からフック。フレイタスもローを返す。さらに両者のローがヒット。

 ガードを固めた状態からワンツーを繰り出すフレイタス。野杁がヒザを出せば、フレイタスもヒザを返す。野杁がパンチからヒザにつなげると、またもヒザを返したフレイタス。

 フレイタスは右ハイ。そして腿にヒザを入れる。しかし野杁はローからアッパー、ヒザ、さらにガードの隙間からアッパーをねじ込み、さらなるアッパーからヒザにつなげる。だがフレイタスもヒザを返した。

 両者は構えもファイト・スタイルも似ており、野杁と同じ攻撃を返すシーンを何度も見せたフレイタスだが、野杁の方が攻撃の多彩さで一枚上だと感じさせる1Rだった。

 2Rが始まると、フレイタスはローを連続で入れる。野杁はローとインローを返す。フレイタスはワンツーからフック。だが野杁はしっかりガード。フレイタスがジャブからアッパーを打つと、野杁もパンチを振るって前に出、ボディを打つ。

 フレイタスはハイを出し、左右のパンチにつなげる。野杁はガードするが、野杁のガードの後ろ、耳のあたりにヒットした。だが野杁はここで、怒涛のごとき反撃に出た。ボディにパンチを2発叩き込み、ヒザを2発、さらにボディに左右のパンチ、そしてハイキックまで叩き込んだ。

 たまらず倒れたフレイタスは、そのまま起き上がれず、野杁のKO勝利となった。K-1王者にふさわしい、貫録のKO勝利だった。

 試合後マイクを持つと野杁は「皆さん、これがK-1チャンピオンです」と叫んで地元からの大歓声を浴びる。「この名古屋でのKrushは、僕が言い始めてスタートして今回が6回目ですが、チケットが完売するのも早くなりました。これからも僕のことを期待して見ていてください」と王者らしく、たのもしい言葉で締めた。


大和(左)が流血に追い込まれながらも最後はKO勝ち

▼第8試合 トリプルメインイベント第2試合 スーパーファイト Krush -65kg Fight 3分3R延長1R
〇大和哲也(大和ジム/Lion Fight世界スーパーライト級王者)
KO 2R 2分04秒
●エルソン・パトリック(アンゴラ/Strikers League -65kgポルトガル王者)

 大和は愛知県知多市出身の29歳。18歳でプロデビューし、53戦37勝15敗2分けという戦績を誇る歴戦の勇者であり、27のKO勝ちがある。

 対するパトリックはアフリカ南西部のアンゴラ共和国出身で、強烈なヒザ蹴りを武器とし“ドクター・ニー”の異名を持つ。身長183㎝で、170㎝の大和より13㎝も長身。年齢も24歳で5歳若い。

 1R、長身のパトリックに対抗するため、約180㎝の選手とスパーもしてきたという大和は、身長差を気にせず攻めていく。そしてロー、フック、右ロー、左インローと多彩な攻撃を繰り出す。パトリックがジャブを出し、両者のパンチが交錯。大和のストレートがヒット。

 2R、パトリックのハイキックを大和はブロックし、またも前に出る。大和はワンツーからボディブローを叩き込む。しかしこの直後、鮮血がマットに飛び散った。パトリックの放った右ストレートが大和の目の上をカットし、流血させたのだ。レフェリーがいったん試合を止め、ドクターチェック。左眉あたりが大きくカットされている。

 試合再開後、大和は前に出て左右のパンチを連打し、パトリックがダウン。カウント7で立ったパトリックだが、大和は前に出てパンチを振るう。両者は激しい打ち合いを展開、大和が右のクロスカウンターをヒットさせ、2度目のダウンを奪う。

 それでも根性を見せ、またも立ち上がるパトリック。だが大和は追撃の手を緩めない。コーナーに追い詰めると、パンチの連打で一気呵成に仕留めにかかった。棒立ちになって打たれまくるパトリックを見て、レフェリーが割って入り試合を止めた。
地元愛知で、大和は見事な逆転勝利を見せた。

 大和はマイクを持つと「すいません。ヒヤッとさせました。いい右ストレートをもらっちゃいました」とカットされて、あわやストップかというシーンを振り返った。
「でも今日、名古屋でKrush、盛り上がってますね!皆さん、名古屋でK-1、見たくないですか?」と尋ねると、会場は沸き返った。

「首の皮一枚でのKOでしたけど、KO勝ちできたので。『大和哲也とKOはセット』ってことで。宮田さん、名古屋でK-1やりましょう」と宮田充K-1プロデューサーにアピールし、会場からまたも喝采を受けた。

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