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【パンクラス】久米が徳留を初回KOで初防衛、男泣き

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2017/12/10(日)UP

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試合レポートと同時にアップする速報動画では、KOシーンはスーパースロー再生。

久米の強烈な左フックで失神した徳留はマットに沈んだ

パンクラス
「PANCRASE 292」

2017年12月10日(日)東京・ディファ有明

▼第11試合 メインイベント ライト級キング・オブ・パンクラス・タイトルマッチ 5分5R
○久米鷹介(ALIVE/第7代パンクラス・ライト級王者)
TKO 1R1分21秒 ※レフェリーストップ
●徳留一樹(パラエストラ八王子/第6代パンクラス・ライト級元王者/挑戦者・同級1位)
※久米が初防衛に成功

 王者・久米は名古屋のALIVE所属で、UFCでも活躍した日沖発の後輩。今年4月には、第1回K-1グランプリ・ヘビー級トーナメント優勝者ブランコ・シカティック氏推薦のクロアチア人、マティヤ・ブラジセビッチにチョーク・スリーパーで一本勝ちしており、現在4連勝中。

 挑戦者の徳留は2013年から14年にかけてUFCに参戦し、1勝3敗でリリースされた。その後復帰したパンクラスで、北岡悟をKOしてライト級王座を奪ったが、昨年9月に久米に敗れ、王座陥落。その後2連勝して今回のタイトルマッチにこぎつけた。両者は今回が1年3カ月ぶりの再戦となる。

 前回の対戦では、久米がパンチで徳留を流血させ、1R4分45秒、パウンドでTKO勝利しているが、今回の試合前に久米は「徳留選手の強さは分かっているので、自分は王者ですけど、挑むつもりで全てをぶつけて、最後にベルトが戻るようにします」と徳留への強いリスペクトを表した。

 対する徳留は「KOか一本で勝つ」と完全決着宣言。そして、「前回と同じ展開になったら、きっぱり辞める」と、不退転の決意で再戦に臨んだ。

 真剣な面持ちで入場した徳留に対し、久米はベルトを肩にかけて、さわやかな笑顔で入場。両者のコントラストが際立つ。

 試合開始早々、徳留が左ハイを放つが、久米は太い腕でしっかりブロック。そして組みつくと、金網に押し込んでいく。押し込まれながらも徳留は、かかとで久米の腿を蹴る。そこから両者は打ち合いとなり、久米が左右の剛腕パンチを振るう。そして右ストレートが徳留の顎をヒットし、徳留はダウン。

 すかさず、のしかかった久米は首を狙いに行くが、徳留はなんとか防御し、久米はパウンドに切り替える。徳留はこれをしのいで立ち上がり、パンチの打ち合いに。

 久米が左右のフックを振るい、金網際に押し込む。左右の連打。左フックが入り、右ストレートも徳留の顎を捉える。そしてさらに左フックが顎にヒットし、脳を揺らされた徳留は失神してマットに崩れ落ち、レフェリーが試合を止めた。

 見事1RでのTKOで初防衛に成功した久米は、パンクラスの酒井代表からベルトを巻かれ、マイクを渡されると、「最後のディファ有明大会で、すごい強い挑戦者・徳留選手と戦うってことで、必死に(コンディションを)作ってきたんですけども……今日も名古屋から大勢の仲間たちが応援に来てくれて……」と言うと、感極まって言葉に詰まった。

 涙を両手でぬぐいながら「ありがとうございます……」と言って、号泣。「みんながサポートしてくれて、ここまで来れました」とファンやジム仲間に感謝した。久米とその仲間やファンにとっては、感動的な1年のフィナーレとなった。


村山に左ストレートを叩き込む佐藤(左)

▼第10試合 セミファイナル ウェルター級 5分3R
○佐藤 天(TRIBE TOKYO M.M.A/パンクラス・ウェルター級1位)
TKO 1R 4分15秒 ※レフェリーストップ
●村山暁洋(GUTSMAN/第9代パンクラス・ウェルター級元王者)

 ウェルター級1位・佐藤天(たかし)の王座挑戦査定試合。佐藤は長南亮の弟子で、現在3連勝中。過去2試合ではクロアチアのアントン・ラッドマンと高木健太に連続で初回TKO勝ちしている。戦前には「元王者で強い村山選手に、組み&打ち勝って、圧倒して勝ちます」と、全局面で上を行って見せると宣言。

 相手の村山は19勝7敗という戦績のオールラウンダーで、昨年10月まで同級王者だったが、三浦弘光に判定で敗れて王座陥落した。今回が1年2ヵ月ぶりの試合となる村山は「久々の試合ですが一本かKOで仕留めて王座返り咲きたい」と、完全決着での王座奪還を誓う。

片脚タックルに行った村山に、左パンチの雨を降らせる佐藤。

 試合が始まると、サウスポーの佐藤に対し、オーソドックスの村山はジャブを突きながら前へ出る。そしてタックルに行くが、倒せず。佐藤は右ジャブから左ストレート。村山は右パンチを打ちおろした後、ワンツーの連打で前へ出る。そして右のオーバーハンド・パンチを放つ。しかし佐藤は冷静に村山のパンチをさばく。

 佐藤は組みつくが、村山は金網に押し込む。しかし、ここで佐藤はクリンチ・アッパーを入れる。両者が離れると、佐藤が左ストレートをヒットさせる。佐藤はジャブ、ストレート、右フック、ジャブ、と、パンチでプレッシャーをかけて前に出る。

 佐藤の左ストレート、右ジャブがヒットし、村山は左目周辺から出血。佐藤はアッパーも入れる。村山が片足タックルに行くが、佐藤は倒されず、脚にしがみついている村山に左パンチの猛連打を叩き込む。あまりの激しさに、村山はまったく抵抗できず、レフェリーが試合を止め、佐藤のTKO勝ちとなった。

 勝利した佐藤はマイクを渡されると「酒井さん、もう文句ないでしょ。次はタイトルマッチお願いします」とパンクラスの酒井代表に王座戦を直訴。タイトル挑戦にふさわしい勝ち方だった。

次ページ:松嶋こよみvsカイル・アグオン、ISAOvs粕谷優介

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