2018/11/19（月）UP
（最終更新：2020/04/24 12:18）

伸びのある右ストレートを突き刺すパトリシオ（右）

▼メインイベント　Bellator MMA世界フェザー級タイトルマッチ　5分5R
○パトリシオ・“ピットブル”・フレイレ（31＝ブラジル/Bellator MMA世界フェザー級王者）
判定3-0　※48-47、48-47、48-46
●エマニュエル・サンチェス（28＝アメリカ/挑戦者）

　パトリシオはシュートボクセ出身で、小柄な体格ながらパワフルなパンチ力を持つBellator MMAの看板選手だ。2015年11月にダニエル・ストラウスに敗れ、Bellator MMA世界フェザー級王座を失ったが、昨年4月に王座奪還に成功。同年10月には王座返り咲き後の初防衛も果たしている。

　対するサンチェスは元WSOFフェザー級王者ジョージ・カラカニヤンやストラウスら強豪を相手に、現在4連勝中と波に乗る選手。Bellator MMAで9勝2敗の好成績を収め、今回の12戦目で初戴冠を目指す。

　1R、序盤にローブローを受けたパトリシオだが、再開後の動きは軽快で、ワンツーや左右フックをまとめては離れる出入りを繰り返す。しかし、パトリシオはケージ際で一瞬足を止めたところに、サンチェスの右フックをもらってヒザが落ちる。サンチェスは攻め急がず、左右ハイとワンツーなど着実に手数を増やしていく。

　2R、サンチェスが左右ミドルで快音を響かせ、ワンツーからの左ハイもパトリシオの頭をかすめる。パトリシオも出入りの動きが戻り始めると、左右フックでサンチェスを吹っ飛ばし、組みの攻防からテイクダウンにも成功。サンチェスは右目下から出血し、形勢逆転となった。

　3R、手数を落としたくないサンチェスは、左右の蹴りを上中下に散らし、踵落としやバックハンドブローの奇襲攻撃も見せる。だが、ワンツーや左フックのカウンターなどで有効打を重ねるのはパトリシオ。サンチェスは終了間際に右ミドルをキャッチされ、痛恨のテイクダウンも許した。

　4R、サンチェスは開始早々のタックルで起死回生のテイクダウンに成功するが、スクランブルに持ち込まれると、パトリシオに抱え上げられテイクダウンを返されてしまう。ただ、後半の打撃戦ではパトリシオがサンチェスの右ローを嫌がり、構えをスイッチする場面も。

　5R、巻き返したいサンチェスであったが、序盤に距離を詰めて右ローを放ったところで、パトリシオにカウンターの左フックを強打され大きくぐらつく。ふらふらになりながらなんとか組みの攻防に持ち込むサンチェス。パトリシオはテイクダウンを重ねてマウントも取るなど圧倒した。

　フィニッシュこそ逃したが、パトリシオは1Rのピンチを凌いでからは優勢をキープし、判定勝ちで2度目の防衛に成功した。

昨年末のRIZINに参戦したダンドーワ（右）は、無敗のルービン（左）にパンチで苦しめられ、Bellator MMA初戦を落とした

▼女子フェザー級　5分3R
○オルガ・ルービン（29＝イスラエル）
判定3-0　※30-27、30-26、29-27
●シンディ・ダンドーワ（34＝ベルギー）

前日計量にはコスプレ姿で登場したダンドーワ（右）とルービン（左）

　ダンドーワは柔道のベルギー王者として活躍し、2009年1月に総合格闘家としてプロデビュー。Invicta FCやUFCへの参戦を経験し、昨年末には初参戦のRIZINで当時7戦全勝の戦績を誇ったKINGレイナに初黒星を付けた。戦績は12勝3敗。Bellator MMAには初参戦となる。

　対するルービンは16年11月に開催されたBellator MMAのイスラエル大会でプロデビューし、現在までの戦績は4戦全勝。このうち3勝がKO・TKOという強打者だ。

　1R、左構えのルービンは右ジャブから左ストレートや左ローに繋げ、ダンドーワの突進も軽快なフットワークで捌いていく。ダンドーワは終盤に右ミドルをキャッチされて転倒。ルービンはすかさずパウンドを落とした。

　2R、右ジャブを被弾しながらも強引に間合いを詰めたダンドーワは、ルービンの首に腕を回すようにして押さえ込みにかかるが、これがすっぽ抜けてスタンドに戻されてしまう。すると、直後の打撃戦でルービンの強烈な左オーバーハンドが炸裂。ダウンしたダンドーワは下から懸命に足を絡めて、なんとか追撃を防ぐ。

　3R、今度はルービンが柔道王者相手に臆することなく組み付いてテイクダウン。ダンドーワに下から三角絞めを仕掛けられても、ルービンは振りほどいてグラウンド勝負にいく。残り1分でいったんスタンドに戻ってもすぐに組み付くルービン。ダンドーワはここぞとばかり投げから袈裟固めに持ち込んだが、ここでタイムアップとなった。