【ニュース】MMAジム代表がビジネスGP獲得

2015/02/25（水）UP
（最終更新：2015/02/26 06:54）

eFightの試合動画 試合レポートと同時にアップする速報動画では、KOシーンはスーパースロー再生。

　2月22日（日）都内にて、社会起業大学が主催する『ソーシャルビジネスグランプリ2015冬』が行われ、MMA（総合格闘技）ジムのSHINWA SPORTS ACADEMY代表・山城裕之氏が社会起業家グランプリを獲得した。山城氏は在校生、卒業生、そして一般公募の約40名の参加者の中で、「総合格闘技　世界最強の日本人を育成するビジネス　格闘家のセカンドキャリアを創造」というテーマのビジネスプランをプレゼンした。

　社会起業大学は、社会貢献とビジネスを両立させる社会起業家を育成するビジネススクール。同グランプリは新進気鋭の社会起業家が、自身の事業プランをプレゼンテーションし、参加者が「共感した」と思う社会起業家にその場で投票を行い、社会企業家グランプリ1名を選出するというもの。

「選手の引退後を考えてセカンドキャリアの道を作りたいと思って勉強を始めたところ、プロデビュー戦の相手のfacebookで大学を知り、8年前に入学しました」と山城氏。フランチャイズの会社に勤めていた経験から、格闘技ジムのフランチャイズ化というビジネスモデルを考え、以下の内容のプレゼンを行った。

「日本の格闘技選手は欧米に比べて厳しい状況にあります。メディアの露出が少なくなってしまったので。競技人口が低下しているのもその理由のひとつ。そこで競技人口を増やしていこうとした時に、ジムで人材を育ててからその人物に支部を任せるという形でジムを出すと展開速度が遅くなってしまうと思うんです。

　それならフランチャイズシステムを利用して、まずジムの経営者になりたい方を募ります。例えば地元のサッカーチームのような感覚で、サイドビジネスとしてジムを出したいという出資者を募りまして、私はジム運営の方法をシステム化しているので、そのまま手法を提供します。

　もうひとつは、オーナーさんは格闘技の経験がない人になると思うので、ジムで教える人は一般公募します。例えば空手の初段以上ですとか、格闘技歴4年以上で道場主に興味がある方、というように。そうすることで選手の仕事場も増えます。出資者がいればどんどんドミナント（出店）展開していけるので、普通の支部を作るよりは何倍も早く底辺拡大が全国で出来ます。

　同時に、オーナーさんにとっては人材を獲得できる間口にもなります。会社としてジムと選手を育て、その選手を人材として雇用していただきます。格闘技選手は一般の人より体力がありますし、気持ちも真っ直ぐで強いので、仕事は一生懸命にやってくれる人材が多いんです」

　山城氏が代表を務めているSHINWA SPORTS ACADEMYでは、ジムに実業団制度を取り入れている。月～金曜日の8：30～17：30はしんわグループの介護福祉業務全般・レスキュー・外食事業・不動産などで業務し、最低週4回の練習参加を義務付けている。

「今、私が実際にやっているモデルとしては、選手に介護の資格を取得してもらって日中はジムの母体であるしんわグループの介護施設で働いていただき、夕方以降はプロの選手として活動してもらっています。もし仮に怪我などで早期引退しても、介護職でやっていける道も出来ます。グループ企業に所属している中で、グループが出資してジムを建て、その代表として自分が位置付けされている形です」

　グランプリ獲得の決め手は「日本の武道から学んだ、強いからいい、勝てばいいではなく人間性を磨く心の部分を世界に向けて発信していく」、「格闘技から受けた恩恵を忘れずに恩返しする」、「底辺を広げて世界（UFC）に挑む姿勢」が評価された。

「名誉ある賞をいただいたので、その重みと責任がここから始まる、という感覚が沸いてきました。もうさっそく動き出しています」と、山城氏はグランプリを受賞したビジネスプランの実現へ向けて行動を開始している。

やましろ・ひろゆき/1972年9月19日、静岡県出身。16歳で日本空手協会に入門。その後、極真空手を学び、総合格闘技に転向。ZST、シュートボクシング、K-1ポーランド大会などに出場し、2009年5月24日のZSTでの試合を最後に引退。2012年SHINWA SPORTS ACADEMYを設立。ZST、修斗などに強豪選手を送り込んでいる。