【Krush】山本優弥が引退表明「グレゴリアンとやりたかった」
K-1 WORLD MAX 2009世界トーナメント第3位、同2009&2011年日本トーナメント準優勝など数々の実績を持つ山本優弥(Booch Beat)の引退が発表された。
山本は2001年9月、17歳という若さで全日本キックボクシング連盟においてプロデビュー。その後、全日本キック第23代ウェルター級王座戴冠をはじめ、K-1 WORLD MAXでは09年と11年の日本トーナメントで準優勝するなど活躍。09年はK-1 MAXの世界トーナメントにも進出し、世界第3位の戦績を残すなど、中量級戦線を大いに盛り上げてきた。しかし、今回は首の負傷でドクターストップがかかり、約14年半にわたる現役生活にピリオドを打つことを決意。
今回の引退発表について、山本は「お医者さんのほうから『もう試合はできない、やったら死ぬ』と言われました。リング上で死んだら幸せなんですが、もし死ねずに下半身不随になって入院生活を送ることを可能性を考えたときに、家族含めて心配してくれる人が周りにはたくさんいるので……。最後は自分で引退を決断しました。何も悔いはないです」と、どこか吹っ切れた表情でコメント。
昨年の2・6「Krush.51」小鉄との試合でダウンした際、「いつもとは違う感覚だった」という山本。その後、検査で頚椎を損傷し、脊髄付近まで達しているのが発覚した。小鉄戦後、ドクターストップがかかった際、「情緒不安定で鬱の症状にまで陥り、これは治さないと生きていけないと思った」という山本は、首の付近にメスを入れることを決意。「脊髄の症状は31年間生きてきて一番怖かった。これから先、誰にも同じようになってほしくないので、選手には検査を受けることをおすすめします」と、自らの体験をもとにアドバイスを残した。
山本がキャリアを振り返って、とくに印象に残っている相手として挙げたのが、藤牧孝仁と濱崎一輝だ。
「この二人とは2戦やって、2回とも負けてるんですよね。再戦では『試合がおもしろくなくても絶対に勝ってやろう!』と思っても勝てなかった二人なので、一生恨むと思います(笑)。でも、現役の全部の試合が印象に残ってますね。全日本ウェルター級チャンピオン決定トーナメントで金統光と湟川満正とやった試合とか。この二つは割とキレイで上手なんですよ(笑)。いまの山本優弥しか知らない人は『へ〜!』ってなる試合だと思います。でも、どの試合も一生懸命だったので、悔いはないです。ホントに幸せな現役生活でした」
「もし最後、引退試合ができるんだったら、(マラット・)グレゴリアンとやりたかったですね」と、最後までファイターとしての矜持を見せた山本は、今後の活動としては指導者を目指したいとし、「僕は自分でいうのもなんですが、いい指導者になれると思っているので。これから、そちらの方向で一生懸命やっていこうと思います」と、展望を語った。
なお、4月10日(日)東京・後楽園ホールで開催される『Krush.65』では、山本のこれまでの功績を称えて引退記念セレモニーが行われる。
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