【NJKF】天才ムエタイ少女から蹴撃女王へ、大人になった伊藤紗弥は「攻める」
11月26日(日)東京・後楽園ホールにて開催される『NJKF 2017 4th』で、BCムエタイ女子世界ミニフライ級王座決定戦を争うWMC女子世界ミニフライ級王者・伊藤紗弥(尚武会)とWPMF世界女子ミニフライ級王者ヨッティング・シット・ナムカブアン(タイ)のコメントが主催者を通じて届いた。
伊藤は4歳でキックボクシングを始め、93戦して88勝(男子を相手に40勝以上)、ジュニアタイトル4階級制覇を成し遂げ“天才ムエタイ少女”と呼ばれるようになった。16歳での国内プロデビューから13戦目でWPMF女子世界ピン級(45.4kg以下)王座を奪取したが、2016年3月の試合を最後に一時期リングから離れ、今春高校を卒業して6月に復帰した。
「怪我があって、今も試合をすると同じところが痛くなりますが、もう大丈夫です。ただ気持ちの面もあって1回休んでいました。高校生っていうこともあったし、特別なことをしていた訳ではないんですが自分のやりたいことをやって、普通に過ごしていました。
練習は以前のように毎日ではなく、たまにジムへ行ったり筋トレをしたりとかその程度でした。いろんなタイトルも獲って、世界のベルトを獲るっていう目標も達成したし、次の目標を……という思いがあまり強くなかったので、引退もちょっと考えたりしました。でも、ちびっ子たちやアマチュアの教えていた子たちが試合をしているのを見ていたら試合をやりたい気持ちが出てきて、そうしたら会長が試合を組んでくれたので流れで復帰できました」
復帰して今回で3戦目となるが「階級も上げたので、今までとは違うところがあります。この前やった試合でもパワーの差を感じました。なので自分も筋トレを増やしたり、そこを意識しながらやっています。復帰してから大きな試合ばっかり組んでもらって、どうしても慎重になったり凄く緊張したりして前の方が活き活きしていたなって感じがします(苦笑)。まだ慣れていないうちから大きな試合だったのでプレッシャーと緊張が大きくて、昔の方が伸び伸び出来ていた感じです」と、まだ違和感があるようだ。
復帰するにあたって、伊藤はWMC世界王座、WPMF世界王座、WBCムエタイ世界王座と三大世界タイトルを狙うと宣言。復帰2戦目でまずはWMC女子世界ミニフライ級王座決定戦を制し、世界2階級制覇を達成している。
今回対戦するヨッティングは200戦を超すとも言われる経験豊富な選手で、ボクシングでの戦績も持つ。「以前試合を見たことがあって、その時はパワーや迫力があるっていうより首相撲などのテクニシャンっていうイメージでした。でも今は動画を見たら蹴りも重そうだし、前より全然パワーがついて強くなっている感じがしたので警戒しています」と、強敵として認識している。
試合に向けて「パンチが苦手なのでパンチの練習を取り入れています。今までパンチでガツガツ来る相手にはいつも押されていたので、自分もパンチで対応して負けないようにしたり、あとは筋トレを中心にしたり。でも、あまりスタイルを変え過ぎちゃうと自分でもすぐには無理かなと思ったので、そこまで大きく変わったことはしていません。苦手なことを少しずつ取り入れて、パワーをつけようと思ってやってます」と徐々に強化。
「いつも通り出来たらいいなと思っています。ただ今回はタイで有名な選手で、周りの人もタイ人も、みんな『凄く強い』って言うので、そこもプレッシャーになりますけど気合いが入っているので頑張りたいです。今まではかわしてキックとか、自分から行くようなタイプではなかったんですけど今回はパンチの練習もしているので、行けるところは行って攻める試合をしたいと思います」と、今回は“攻める”という伊藤。
「ムエタイのベルトでこれまでWPMCとWMCを取って、今回WBCに挑戦するのは初めてなので何としても獲りたい気持ちがあるし、頑張りたいです」と意気込みを語った。
また、対するヨッティングは「私の国の国技であるムエタイを日本に広める機会をもらえて、とても嬉しいです。伊藤選手と試合が出来て凄く光栄です。彼女はとても強いと思いますが、私も試合へ向けて必死にトレーニングを積んできました。なので勝ってベルトを巻きたいと思います。一生懸命戦いますので、どうか応援してください。よろしくお願いします」とメッセージを寄せている。
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