2022/11/09（水）UP
（最終更新：2022/11/13 13:01）

日本人初のONEキック世界王者となった秋元が初防衛戦を迎える©︎ONE Championship

　11月19日（土）シンガポールで開催される『ONE 163』のONEバンタム級キックボクシング世界タイトルマッチでペッタノン・ペットファーガス（タイ）の挑戦を受ける秋元皓貴（30=Evolve MMA）が、初防衛戦を行う。秋元は今年3月に強豪カピタンを世界最高峰の打撃の技術で破り、日本人初のONE立ち技世界王者となった。
　初V戦に臨む秋元のインタビューが主催者を通じて届いた。

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　秋元はJFKO第4回全日本優勝やWBCムエタイ日本フェザー級王者など、数々の実績を持つ天才ファイター。19年1月からONEに参戦し、今年3月にルンピニー戴冠経験もある王者カピタン・ペッティンディーに挑戦すると、空手仕込みのローキックを効かせまくり王者となった。

　対するペッタノンは357戦のキャリアを持つベテランで、18年には中国の格闘技団体『武林風』の32人トーナメントで優勝。翌年の同トーナメントでも準優勝し、ONEには20年9月に参戦するもカピタンに6秒KO負けを喫する。しかし昨年9月には秋元とも2度戦ったジャン・チェンロンに勝利し再起した。

カピタンのハイキックを決める秋元©︎ONE Championship

　秋元は初戴冠となった前回のタイトルマッチについて、「やっぱり、今思い返しても本当にタフな試合でした。2ラウンド目で、いける、確実に勝てるって思ったんですけど、それでも5ラウンドまで一瞬でも気を抜いたら負ける、やられちゃうっていうのは常に思っていました。一発がある選手ですし、本当にギリギリまで気が抜けない戦いでした」と激戦を振り返った。

　対戦相手のペッタノンについては「ここ最近は試合数が多くない選手ですけど、過去にはたくさんの試合をして、たくさんのタイトルを獲得している。本当にベテランで、レジェンドと言っても良い選手だと思います。タイミングを取るのが上手い選手だなっていう印象があるので、それをいかに崩すか。相手の都合の良いタイミングで攻撃をさせないように、いかに動くかが重要になると思います」と警戒している。

今回の試合へ向けて万全の体勢が整っているという秋元©︎ONE Championship

　そんな中で今回のテーマは、完封という。「もちろん倒すことを前提として戦っていくんですけど、自分はスタミナにも自信があるので、1ラウンドからどんどん削っていきます。見せたいのは1ラウンドからプレッシャーをかけていって、完封すること。自分だけが攻撃して相手には攻撃させないっていうのが、今回のテーマです」と秋元は打たれずに打つことを目指している。

　ONEフライ級世界王者のデメトリアス・ジョンソンがジョー・ローガンとのポッドキャストで、秋元をお気に入りのファイターとして挙げたようだが、「MMAの選手ですけど評価してくれて、好きな選手として選んでくれるのはすごい嬉しいことだと思います。自分もデメトリアス・ジョンソン選手のことが本当に好きで、タイトルを獲得した時の右ストレートから飛び膝までの間が僕はすごいなと思いますし、本当にリスペクトしています」と秋元は喜んだ。

　最後に秋元は、「自分の試合はポイントを稼ぐファイターと思われるかもしれませんが、どの試合でもしっかりと相手にダメージを与えています。カピタンもその前に戦った選手たちもそうですが、みんな僕と試合をした後、抱えられてサークルから降りていったり、サークルから降りたら車椅子で退場していく選手がいたり、やってみて初めて（僕の攻撃の強さに）気づいたんじゃないかなと思います」と殺傷能力が高いことを強調した。

　初防衛戦は“王者として完封”と同時に、誰が戦っても勝てないと思われる領域に行くことが秋元の目標なのだろう。日本人の強さを、ぜひ初防衛戦でも見せてほしい。

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