2024/07/30（火）UP
（最終更新：2024/08/01 20:06）

パッキャオ相手に善戦した安保瑠輝也

　7月28日（日）『超RIZIN.3』（さいたまスーパーアリーナ）の［RIZINスタンディングバウトルール：3分3R（69.0kg）］では、安保瑠輝也（MFL team CLUB es）のマニー・パッキャオ（フィリピン）にパンチをヒットさせバランスを崩させるなど、優勢に試合を進める大健闘。

【フォト＆動画】パッキャオを攻める安保、宣戦布告するガルシア！安保の今回の動画も

　安保は29日「正直3Rならメイウェザーでもライアンガルシアでも俺勝てる自信あるで」とXに投稿。同日夜には自身のYouTubeでパッキャオを上回った作戦を語り、その自信の裏付けを思わせた。

　安保はYouTubeで「俺はすごい平常心でリングに上がっていた。そこに”スターを倒してひっくり返してやろう”という気持ちではなく、とにかく、（中尾）先生とやっていたことを遂行しよう。そしたら結果に繋がる。そのくらい自信を持ってリングに上がらせてもらえた」とトレーナーの中尾剛之氏に感謝した。

安保のジャブがヒット！

　中尾氏が安保に伝えたことは、まず朝倉未来、那須川天心がメイウェザーに勝てなかった理由だ。それはメイウェザーのパンチ力やスピードではない。当時、ボクシングに慣れていなかったこともあるが、ボクシングの試合に対する考え方、駆け引き、戦略の部分が大きいと語り、いきなり殴りに行っても勝るものではないと、具体例を示しながら説明した。

　そして試合は戦略通りに実行される。1Rの時点で「これ、駆け引き勝ってる」と思ったという安保。
「パッキャオ選手は実際入れていなかった。パッキャオ選手の1番のストロングポイントは足運びとハンドスピード。この2つが合わさってマニー・パッキャオ。普通、パンチが早い、足の移動が早い、どっちか。この2つが両方重なることはあまりない。手と足を同時に動かすことだから、それって考えたら止まっている相手にできること。動いている相手に足を使ってパンチを打ち続けることは現実的に不可能」と断言。
　確かに単発なら追ってヒットさせることは可能だが、連打となれば確かに難しいだろう。

両者が試合後称え合う

　続けて、「それを全て分析して戦術部分に全て落とし込んだ。だから俺を捕まえられなかった。駆け引きの段階でジャブの差し合いでも勝ってたし。あれもずっと1日、1〜2時間くらい位イメージトレーニングをしていた」と言う。

　安保は「駆け引き負けてない。そしたら次の段階で自分が攻める。相手が窮屈に感じ始めるから、そこにとどまらず前に出るか下がる。するとパッキャオは前に出てくる。すると俺は下がるが、しっかり攻撃できる場所にエスケープする。ただまっすぐ下がってガードして固まらない。下がって打つ。相手が下がればその分詰めていく。駆け引きの状態からいきなりワンツーやっても当たる相手ではない。そんな選手なら世界6階級制覇はしていない」と相手の強さを認めた上での戦略が功を奏した形だ。

　パッキャオの陣営の一人は安保がボクシングしたら世界チャンピオンになれると言ったことについては、安保はMMAやキックではその可能性を語ったが、ボクシングに関しては「自分の階級は化け物ばかり。ボクシングで世界チャンピオンになるのは難しい」と苦笑いした。

ライアン・ガルシア（右）もリングに

　今後は「過度の減量、60kg台はやめる。減量しすぎたらパフォーマンスを発揮しにくい身体になっているのがわかった。MMAなんて力が入りにくいと思うし。あと減量すると、足のスピードが戻らない。俺は蹴りが得意だから。スダリオ戦やって思ったけど、81kgくらいでスピードは落ちなかった。骨格は日本人離れしてるから。でかくなればなるほど強くなるタイプと思う。でかいやつに対しての恐怖心もない」と今後は階級を上げるとし、ボクシングに行くなら足は関係ないから減量はすると語った。
　このYouTubeでは、パッキャオ戦以外の他の試合で印象に残った試合について安保の視点でコメントしている。

　今後、具体的なことについては、しばらくゆっくりしてから考えると言うが、ライアン・ガルシアにも宣戦布告された安保。大晦日RIZINは必須の人材だと思われる。

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