【ムエタイ】“天才ムエタイ少女”伊藤紗弥&溝口達也がタイで勝利
▲日本とタイのリングで活躍する“天才ムエタイ少女”伊藤がタイのビッグマッチで勝利を収めた
ジュニアでトップクラスに位置する選手が多数在籍するキックボクシングジム、尚武会が3月17日(土)、18日(日・ともに現地時間)タイのナーイ・カノムトム記念日(ムエタイの父と呼ばれるナーイ・カノムトムの功績を称える日)に、アユタヤ県で行われた大会に参戦した。
この大会はタイ国政府観光庁とアユタヤ県庁が共催したムエタイのビッグイベント。今年は50カ国500人近いムエタイ選手や愛好家がアユタヤを訪れた。
13歳にして70勝(20KO)10敗3分の戦績を持つ“天才ムエタイ少女”伊藤紗弥の試合は、17日の第4試合で行われた。相手は伊藤より一つ年上の14才でベルトを持つムアンシン・オーワンチャイ(タイ)。
最初にミドルキックで伊藤が仕掛けたが軽くかわされる。お互いけん制しながら1Rが終了した。2Rに入ると1Rとはまったく違いムアンシンが攻める。ミドルから首相撲へと繋ぎ伊藤をコカす。何度となくコカされた伊藤の動きが止まった。このラウンドはムアンシンがリード。
3R、組まれないようにパンチでけん制し、ミドルを決める伊藤。対して首相撲でポイントを取りに出るムアンシン。その首相撲に対応し始めた伊藤はコカされることが無くなり、次第に伊藤のペースとなりこのラウンドはイーブンとなった。
4R、前へ出る伊藤はワンツーからミドル、そして首相撲へとつないだ。首相撲勝負も同等でこのラウンドは伊藤が取る。全てが決まる5R、伊藤はスタミナが残っており左右のミドル、距離を詰めてストレートからヒザを決める。下がるムアンシンを追い詰め、再びミドルの連打を放ち試合が終わった。
ジャッジペーパーが回収され、レフェリーの手が青コーナー伊藤に上がった。逆転で勝利した伊藤は「首相撲の勉強になりました」と試合を振り返っていた。
伊藤と同年代の溝口達也もこの大会に参戦した。溝口はM-1やMAジュニアで活躍し、国内で5つのベルトを保有する。今回でタイ6戦目の溝口は「勝ってルンピニーに上がりたいです」と目標を語る。相手はナロンリット・オーワンチャイ(タイ)でアユタヤ県を主戦場にしているファイター。
1Rから仕掛ける溝口に対して、前蹴りとミドルで防戦するナロンリット。2Rに入り、ミドルから首相撲へとつなぎポイントを取るナロンリットに溝口は動きが止められてしまい、得意のパンチラッシュが出来ない。
3Rになると、首相撲に付き合う溝口が何度となくナロンリットをコカす。やがてナロンリットの動きが止まり、溝口が得意のパンチから首相撲へとつないでコカす展開となる。徐々に溝口が優勢になって最終Rを迎えたが、ナロンリットは勝ちを確信して距離を取る。
インターバルで「勝ちに来たんだろ? 最後まで諦めず攻めろ」と今井会長から檄を飛ばされた溝口は、ナロンリットをコーナーに追い詰めすかさずミドル、パンチ、首相撲で投げ飛ばす。この瞬間に勝利を確信した溝口だったが、攻撃の手は止まらずゴングが鳴るまで攻め続けた。判定により、溝口が嬉しいビッグマッチ勝利。「次はルンピニーに出ます」と、目標が近付いたことに満面の笑みで会場を後にした。
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