【ムエローク】15歳の“ムエタイ天才少年”吉成、世界タイトル獲得ならず
尚武会
「ムエローク 2016 4th」
2016年11月13日(日)東京・新宿FACE
▼第10試合 メインイベント WMC世界ピン級タイトルマッチ 3分5R WMCルール
○シューサップ・トー・イッティポーン(タイ/WMC世界ピン級王者)
判定3-0 ※三者ともに50-47
●吉成名高(エイワスポーツジム/アマチュア17冠王/挑戦者)
“ムエタイ天才少年”こと、15歳の高校1年生である吉成は、小学生時代からアマチュアジュニア大会で数々のタイトルを獲得し、17冠王に輝いた実績を持つ。今回、この年齢としては異例となるムエタイルールでの世界タイトル挑戦を迎えた。
迎え撃つ王者シューサップも17歳という若さで、33勝12敗の戦績を誇る。幼少期よりプロとして活動し、ヒジ打ちあり、首相撲無制限のムエタイルール3分5Rを当たり前にこなすタイのヤングファイターだ。
しかし、シューサップは計量を規定時間内にクリアー出来なかったため、吉成が勝利した場合のみ王者に認定されるという条件で試合が行われることに。また、吉成がグローブハンディと相手側へのマイナスポイント無しでの試合を希望したため、この試合は通常ルールで行われた。
1Rと2Rは一進一退の試合展開。サウスポーの吉成は左右ローでシューサップの前足を攻めつつ、右のジャブから踏み込んで左ストレートをボディと顔面に打ち込む。
対するシューサップは右の蹴りを中心とした攻め。時折、左ジャブを細かく放ちながら一気に距離を詰めてパンチやヒジ打ち、ヒザ蹴りを繰り出す。
3R序盤に吉成の右ストレートがシューサップの顔面をとらえると、そこからパワーで勝るシューサップが組み付いて強引に吉成をコカし始める。吉成はパンチで応戦を試みるが、シューサップはすぐに組み付いて左右のヒザ蹴りを連発し、首相撲で崩して転倒させる。
4R、吉成は左のミドルと前蹴りで距離を取ろうとするが、シューサップは組み付いてコカす攻撃を一貫し、試合の主導権を握る。
5Rに入ると、後が無い吉成は手数を増やし、ジャンプしての前蹴りやパンチのコンビネーションなどで攻める。しかし、シューサップのタイミングの良い右ミドルと足払いに手を焼き、なかなかペースを取り戻せないまま、試合終了を迎えた。
試合巧者ぶりを見せたシューサップが判定勝ち。吉成は15歳での世界タイトル獲得を果たすことは出来なかった。
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▼第9試合 セミファイナル ライト級 3分5R WMCルール
○DAIJU(尚武会/TEAM 3rd PLACE)
TKO 4R ※セコンドからタオル投入
●大和知也(SQUEA-UP道場/日本キックボクシング連盟/NKBライト級王者)
※この試合の速報動画(ノーカット)はこちら
DAIJUは8月に元日本ライト級暫定王者・中尾満をパンチのラッシュでKO寸前にまで追い込み勝利したムエローク期待の有望株。今回、NKBが誇るライト級王者・大和を迎え撃った。
1Rからアグレッシブな打撃戦を展開する両者であったが、2Rに入ると大和がパンチと蹴りのコンビネーションから右フックを連続で浴びせ、DAIJUの動きを鈍らせる。
好機と見た大和は左右のパンチで攻勢を掛けるが、見合ったところでDAIJUの右ストレートを被弾。よろめいた大和を今度はDAIJUがパンチの連打でコーナーに追い込む。形勢逆転かと思いきや、大和がふたつきながらも右ストレートをDAIJUの顔面にヒットさせ、ここから両者はパンチの打ち合いを繰り広げた。
3R、再び足を止めて打ち合いとなる両者。大和が右ストレートで踏み込むと、DAIJUはこれをかわして左手で大和の頭を押さえ、首が下がったところへ渾身の左ハイ。これがクリーンヒットし、大和はマットに崩れ落ちてダウン。すぐに立ち上がり試合再開となると、試合を決めようと前に出てくるDAIJUに対し、大和も果敢に打ち合って会場を沸かせる。
しかし4R、大和の蹴りに合わせてDAIJUがパンチの連打を叩き込む。大和も何とかパンチを返して応戦するが、再びコーナーに追い込まれてDAIJUのパンチとヒジを被弾。よろめいたところで大和のセコンドからタオルが投入された。
DAIJUが8月に中尾を下した勢いそのままに、今度はNKB王者との激闘を制した。
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