【ムエタイ】福田海斗が強豪と大接戦、僅差で敗れるも即再戦決定
「ラジャダムナンインターナショナルファイト+ソーソムマイ」
2017年8月7日(月・現地時間)タイ・ラジャダムナンスタジアム
▼第2試合 114ポンド(51.7kg)契約 3分5R
◯チャットペット・ソープンサワット(タイ)
判定2-0 ※48-48、49-48、49-48
●カイト・ウォーワンチャイ(福田海斗/キング・ムエ/元タイ国プロムエタイ協会フライ級王者)
タイを主戦場にし、いま本場タイでは最も名前の知られている日本人選手である福田が第2試合に登場。チャンピオンと同等クラスの実力を持つと評価されるチャットペットと対戦した。
この日の興行は、スタジアムプロモーターではなくラジャダムナンスタジアムが主催する興行で、現在最も勢いのあるソーソムマイプロモーターが実務を担った。福田はラジャダムナンスタジアム支配人プライ氏より7月5日(タイ)のKO勝利後、直接出場要請があり、これまでの所属プロモーション「スック ワンキントーン」を飛び出し、初めてソーソムマイ氏が手がける興行に出場することとなった。しかし、対戦相手は当初決まっていた選手が直前に変更となり、強豪チャットペットに。
チャットペットは双子の兄チャットプロイ(現ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者)とともに活躍しており、前フライ級王者ドークマイデーンに勝利、フライ級ランカーのサオトー、デンサイアム、バンタム級ランカーのゴーンサックなどと対戦。実力は兄チャットプロイと遜色ないランカー、チャンピオンクラス。当然、試合前の賭け率も3―2とチャットペットが有利。この強豪に勝てば福田は115ポンド(スーパーフライ級)のランキング入り間違いなしと言われていた。
試合は第2Rから動き、チャットペットの力強いパンチのコンビネーションが福田の顔面をかすめる。ローもまじえ、手数はチャットペットが上回る。福田はジャブで突き放そうとするが、逆にカウンターを合わされ、チャットペットの左フックでなぎ倒されてしまう。日本であればダウン宣告されたであろう。このラウンドはチャットペットが圧倒し賭け率も7―4とチャットペット有利となった。
3R、追う展開となった福田は素早く前進、チャットペットは前蹴りで突き放そうとするが、福田のワンツーがクリーンヒットし、グラつくチャットペット。福田はすぐにつかまえて首相撲に持ち込み、良い体勢を作る。下がりながら左ミドルを合わせテクニックの違いを見せるつけるチャットペットだが、蹴り終わりにまたしても福田の右ストレートを受け、後退。福田はこのラウンド終了時で5―4と賭け率をひっくり返した。
そして4R、福田は前に出てワンツーから左ヒザ、下がってジャブや左ミドルを合わせるチャットペット。組んでも両者細かくヒザを蹴り合い、リードを許さない。だが、キレイにミドルを合わせるチャットペットがギャンブラーに支持され、4R終了時で2―1と再びチャットペットがひっくり返した。とはいえ、2―1という賭け率はほぼ拮抗と見られ、最終Rで勝敗が決まるギャンブラー好みの展開となった。
最終5Rも福田は勢いよく前進、下がりながら前蹴りやミドルでカウンターを狙うチャットペットという展開。福田はボディへのパンチから鋭く踏み込んで右ストレート。左ミドルを合わされるが福田の勢いが勝り、チャットペットのアゴが跳ね上がる。
立て続けに右フックから左ヒザ、組んでチャットペットの顔を押さえ、福田は良い体勢を作る。ブレイク後もワンツーから入り、組んでのヒザ。チャットペットの顔が下がり印象が悪い。ここで福田陣営からもチャットペット陣営からも、「ポーレーウ!」(ポイントを奪った選手に対して、これ以上危険な勝負はするな、というサイン)が出て、終了のゴング。
試合後も賭けが続き騒然とする場内。レフェリーが赤・青のどちらのコーナーを指すか一挙手一投足に注目が集まる中、レフェリーはチャットペットの手を挙げ、惜しくも福田の判定負け。
とはいえ、チャットペットと大接戦を演じたことで福田の評価はさらに上がり、関係者からは「試合には負けたものの、ランキングに入るのではないか」との声も聞かれた。翌日のムエタイ専門紙「ムエサイアム」にも大きく取り上げられ、注目度の高さが伺えた。
そして、この試合が好勝負だったため、すぐに再戦のオファーがあり9月11日(月・現地時間)同スタジアムでのビックマッチ『スック ソーソムマイ』での再戦が早くも決定した。
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