【ムエタイ】現役高校生・福田海斗、現役ラジャダムナン王者を破る快挙達成
「スック ワンウィラポン」
2015年11月6日(金・現地時間)タイ・ルンピニースタジアム
▼セミファイナル 111-113ポンド契約
○カイト・ウォーワンチャイ(=福田海斗/キング・ムエ/WPMF世界フライ級王者)
判定3-0(49-47、49-47、49-47)
●クワンドム・トーミンブリー(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定ライトフライ級王者、ルンピニースタジアム同級6位)
WPMF世界フライ級王者で現役高校生ファイターの福田が現ラジャダムナンスタジアム認定ライトフライ級王者クワンドムと対戦した。この試合は、100万バーツ(約350万円)の賭け試合に日本人選手が挑むということで試合前から大きな話題にとなっており、欧米の観光客やタイ人ギャンブラーなど多くの人がスタジアムに押し寄せ、場内は異様な熱気に包まれた。
両者がリングに登場するとひときわ大きな歓声が上がり、ワイクルーの一挙手一投足にもギャンブラーの厳しい視線が注がれた。
1R、両者前蹴りで牽制し、福田はロー、クワンドムも負けじとローを返す。福田がワンツーフックから右ローを決めれば、クワンドムはカウンターでワンツーをクリーンヒットさせ、序盤から両者ヒートアップ。 普段は1、2R様子見のギャンブラー達も既に総立ちで歓声を送る。
2R、早くも両者が最も得意とする首相撲勝負へ。福田がステップして左ヒザを当て、深く組んでくるクワンドムの顔を押さえて細かくヒジ・ヒザのコンビネーション。クワンドムも力強いロックから左の押しヒザ。ブレイクで離れればパンチでボディを狙い打ちするクワンドムに対し、福田は左縦ヒジのカウンターを合わせる。首相撲の攻防は一進一退ながら、クワンドムのロックが強く、福田の頭が下がる場面も。
3R、両者一歩も引かないヒザ勝負となる。福田がクワンドムの蹴り際にうまくコカシ技で転倒させれば、クワンドムはロープ際で左の押しヒザからヒザを押し当てた体勢で福田の動きを封じる高等テクニックを見せる。
4R、福田は左ミドルから入り遠い間合いで組み、顔を押さえてヒザ。左右のヒジも交えヒジ・ヒザの波状攻撃。2発3発とクワンドムのボディーにヒザがクリーンヒットし、さらに福田が渾身の右ヒジを放ったあとクワンドムがバランスを崩して転倒! すぐに立ち上がり首相撲の展開が続くが、ボディーが効いているのか若干蹴り数が減るクワンドム。 ブレイク時の体勢も福田が有利な体勢となり、福田の印象が良くなる。しかしクワンドムも王者の意地を見せ前進、強いロックから大きく回してヒザ。
最終R、両者勢いよく飛び出しお互い意地をぶつけ合うかのようにヒザが目まぐるしく交差する。しかしながらクワンドムが若干スタミナ切れか、ロープ際でのブレイク時の体勢がやはり不利となる。後半セコンドからの「前蹴りで突き放せ!」の指示通り、前蹴り・ジャブで距離を保つ。クワンドムも必死にパンチを振るうが福田に動きを封じられ万事休す。試合終了後レフェリーは福田の手を挙げ、福田は現役王者を敗るという快挙を達成した。
試合後、多くの関係者や観光客から祝福を受け、またテレビや専門誌のなどのマスコミもごった返し、あるマスコミ関係者は「日本人選手がタイでタイのチャンピオンに勝ったのは、あのフジワラ以来じゃないかな。 しかもヒザの展開で勝つなんて考えられない! カイトはもうフジワラ以上だ」と今回の勝利の大きさを物語っていた。
また、ムエタイ最大のプロモーション・ペッティンディーのシアナオ氏が、12月8日(火・現地時間)に開催されるルンピニースタジアム生誕記念興行への出場をオファー。ルンピニースタジアム・フライ級タイトルマッチ出場が提案されたという。福田サイドの意向はまだ調整中とのことだが、今後の福田の去就が注目される。
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