【UFC】最多防衛王者デメトリアス・ジョンソンついに陥落、五輪金メダリストが新王者に輝く
▼メインイベント UFC世界バンタム級タイトルマッチ 5分5R
○T.J.ディラショー(32=アメリカ/UFC世界バンタム級王者)
TKO 1R 4分10秒
●コーディ・ガーブラント(27=アメリカ/UFC世界バンタム級1位、元UFC世界同級王者/挑戦者)
※ディラショーが初防衛に成功。
両者はかつてチーム・アルファメールの同門であったが、ディラショーが2015年に同ジムを離脱して新たにエベレーション・ファイトチームに加入。ディラショーはガーブラントを含めたかつてのチームメイトらとの関係を悪化させ、UFCの選手育成番組でガーブラントとコーチを務めた際には、何度も一触即発の事態に陥るなど遺恨を残していた。
そんな犬猿の仲である両者が昨年11月の『UFC 217』でついに激突。この試合は当時UFC世界バンタム級王者であったガーブラントの初防衛戦として行われ、ディラショーがダウンを奪われながらも2Rに逆転でKO勝ちし、新王者に輝いた。だが、試合後にも両者がヒートアップして関係者に制止されるなど遺恨は続き、今大会で立場を入れ替えてのダイレクトリターンマッチを迎えることになった。
戦績はディラショーが15勝3敗でガーブラントは11勝1敗。ガーブランドは先のディラショー戦が唯一の黒星だ。
1R、打撃戦のまま2分半ばまで差し掛かったところで、ディラショーの右前蹴りをキャッチしながらガーブラントが右フック。ディラショーの動きが一瞬止まると、ガーブラントはさらに左フックを浴びせてダウンさせる。
しかし、タフなディラショーもすぐに立ち上がり、その場で足を止めてガーブランドとパンチの打ち合いに。すると今度はディラショーの右フックがカウンターで決まり、ガーブラントがダウン。ディラショーの押さえ込みと鉄槌を跳ね返してガーブラントは立ち上がる。
なおも打撃戦が続く中、ガーブラントはタックルに入る動きからすかさず上体を起こして右フック。これをディラショーは頭をかがめるウィービングの動きでしっかりとかわしながらカウンターの右フックをクリーンヒットさせ、直後には追撃の右フックでガーブラントを再びダウンさせる。
ディラショーはガーブラントをケージ際まで運んで鉄槌を連打。ガーブラントはふらふらになりながらなんとか立ち上がるも、ディラショーに首相撲からの顔面ヒザ蹴りと左右パンチを連打されてサンドバッグ状態に。ここでレフェリーが試合を止めた。
ディラショーが初回TKOでガーブラントを返り討ちにし、因縁の再戦に終止符を打つとともに初防衛を成功させた。
試合後の勝利者インタビューで、ディラショーは「俺のムエタイは盤石だぜ! ドゥエイン・ラドウィック(ディラショーのコーチで元祖二刀流ファイターとしてK-1やUFCなどで活躍した)よ、ハッピーバースデイ! この勝利とベルトは君に捧げたい」と第一声。さらに、ひとつ前の試合で新UFC世界フライ級王者に輝いたヘンリー・セフードがバンタム級のベルトも狙うと宣言したことについて聞かれると、ディラショーは「かかってこいよ、ベイビー。やろうぜ」と受けて立った。
▼フェザー級 5分3R
○ヘナート・モイカノ(29=ブラジル/UFC世界フェザー級9位)
一本 1R 4分15秒 ※リアネイキドチョーク
●カブ・スワンソン(34=アメリカ/UFC世界フェザー級5位)
スワンソンはUFCでダスティン・ポワリエ、川尻達也、チェ・ドゥホ、アーテム・ロボフら実力者を相手に勝利を重ねてきたベテラン。現在までに25勝9敗の好戦績を収めている。ここ最近は現UFC世界フェザー級1位ブライアン・オルテガと元UFC世界ライト級王者フランク・エドガーを相手に2連敗を喫しており、今大会で復活を目指す。
対するモイカノは12勝1敗1分けの戦績を誇り、昨年7月の『UFC 214』でオルテガに喫した一本負けがキャリア唯一の黒星だ。今年4月の再起戦ではカルヴィン・ケイターに判定勝ちしている。
1R、リーチで勝るモイカノに対し、スワンソンは思い切りの良い踏み込みから左右ストレートをヒットさせる。スワンソンがリズムを掴み始めたかに思われたが、両者がいったん構え直して見合ったところで、モイカノが鋭くコンパクトな左ジャブ。この一撃で不意を突かれたようにスワンソンはダウンする。
スワンソンは鉄槌とヒザ蹴りを浴びながらなんとか立ち上がるも、すぐにモイカノにタックルでテイクダウンされてマウントを奪われる苦しい展開に。最後はバックに回り込んだモイカノが渾身のチョークでスワンソンの首を絞め上げ、タップさせた。上位戦線に食い込みたいモイカノにとっては価値ある勝利となった。
▶︎次ページ:UFC代表が発掘した新星がインパクト残す
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