2018/11/04（日）UP
（最終更新：2018/11/04 22:23）

ワイドマン（左）の顔面に右ストレートを叩き込むジャカレ（右）

▼セミファイナル　ミドル級　5分3R
○ジャカレ・ソウザ（38＝ブラジル/UFC世界ミドル級5位）
TKO　3R 2分46秒
●クリス・ワイドマン（34＝アメリカ/元UFC世界ミドル級王者、現同級3位）

　今大会のセミファイナルでは当初、ワイドマンとルーク・ロックホールド（34＝アメリカ）の元UFC世界ミドル級王者対決が組まれていたが、ロックホールドが直前に負傷したため、ソウザが代役として緊急出場し、ワイドマンと対戦することになった。

　ワイドマンは2015年12月にUFC世界ミドル級王座から陥落し、泥沼の3連敗を味わったが、昨年7月のケルヴィン・ガステラム戦で一本勝ちを収め、復活の狼煙を上げた。

　一方、ジャカレはミドル級のトップ選手として活躍してきたが、昨年からは勝ち負けを交互に繰り返しており、今年5月の前戦はガステラムに判定で敗れている。急遽巡ってきた再起戦で、元王者を相手に勝利を目指す。

　試合は激しいパンチの応酬となった。1R、間合いの探り合いから2分が過ぎたところで、ワイドマンが左ジャブからの右オーバーハンドワンツーを決め、ジャカレをよろめかせる。しかし、ジャカレは怯まずに前に出て、左ボディと右オーバーハンド。終盤にはジャカレが左ボディからヒザ蹴りを突き上げ、直後にワイドマンと右フックを相打ちさせた。

　2R、ワイドマンが積極的に左ジャブを突き、右ストレートや右ローに繋げれば、ジャカレは鼻から血を流しながら左右フックと右ローのコンビネーションで応戦。ジャカレはワイドマンの右フックを被弾して後ずさりするが、すぐに気合いの掛け声を上げながら右フックのフルスイングを返す。終盤の組みの攻防でも両者は譲らない。

　3R、ワイドマンの左ジャブと左ミドルを被弾しながらも、ジャカレは構わず間合いを詰めて左ボディ。両者は何度もパンチの応酬を繰り広げ、片手クリンチからヒザ蹴りと左アッパーも入れ合うが、ジャカレの左右フック連打が効いたか、ワイドマンは徐々に後退。ジャカレが左ボディから右フックを振り抜くと、側頭部に直撃を受けたワイドマンは目が飛んでマットに大の字となった。

ダウン後も試合を続けようとするワイドマン（下）だが、明らかなダメージを見て、ジャカレ（中央）は激しい剣幕でレフェリー（右）にストップを要求する

　それでもジャカレの足に手を伸ばして試合を続けようとするワイドマン。ジャカレが躊躇しながらも鉄槌を3発落としたところで、レフェリーがストップに入った。

　ジャカレが元王者から値千金のTKO勝利で、急遽決まった再起戦を飾った。試合後、マイクを向けられたジャカレはワイドマンに感謝の言葉を述べ、レフェリーストップのタイミングについては「これはMMAだ。お互いに敬意を持っているが、オクタゴンの中では何があっても覚悟を決めていないといけない」と振り返った。

▼ミドル級　5分3R
○イズラエル・アデサニヤ（ナイジェリア/UFC世界ミドル級9位）
TKO　1R 4分51秒
●デレク・ブランソン（アメリカ/UFC世界ミドル級6位）

　アデサニヤはミドル級注目の新星で戦績は14戦全勝。UFC初参戦は今年2月で、今回が4戦目となる。対戦相手のブランソンはUFCミドル級の強豪として活躍中。昨年10月には元UFC世界ライトヘビー級王者リョート・マチダから初回KO勝ちを収めたが、今年1月のジャカレ・ソウザ戦で初回TKO負けを喫し、今回が再起戦となる。

　1R、ブランソンがいきなりタックルで組み付き、アデサニヤをケージに押し込む。しかし、ここでブランソンはアデサニヤのパンツを引っ張ったため、レフェリーが試合をいったん止めて注意を与える。

　試合が再開されると、ブランソンは再びタックルでしぶとく組み付くが、アデサニヤはテイクダウンを許さない。終盤までこの展開が続き、残り40秒。ブランソンのタックルにアデサニヤの顔面ヒザ蹴りがドンピシャで決まる。アデサニヤは右ハイと右ストレート、さらに右フックの連打を叩き込み、ブランソンをTKOに追い込んだ。

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