なんとオッズ差13倍の大番狂わせ、期待の超新星がロープからはみ出す”壮絶”KO負け!親友の死も原因か=米ボクシング
9月20日(土・現地時間)米国アリゾナ州で行われたプロボクシング[ライト級8回戦]では、米トップランク社期待の若手である、14戦無敗(11KO)アラン・ガルシア(21=米国)が、なんとオッズ差13倍以上のアンダードッグに、一撃KO負け。
期待の超新星が、ロープからはみ出し大の字で動けない様に、老舗リング誌も「このスポーツの予想外の美しさに、顔面を平手打ちされたようだ」と衝撃を受けている。
【フォト・動画】超新星ボクサー、一撃でロープからはみ出すKO負け
ガルシアは激戦区ライト級の有望選手で、米国ジュニアオリンピックで2回の銀メダルなど華々しいアマ経歴を経て、20年9月にプロ転向した。
今年3月にはトップランクと契約し、ボブ・アラムが「世界チャンピオンになる可能性を秘めた、驚異的な若手選手。スーパースターになるために必要なすべてを備えている」と語っている鳴り物入りだ。
7歳からボクシングを始めると、17歳にロサンゼルスに移りプロ転向へ。
だが21年、愛する弟が地元の抗争で銃撃され、死亡という影も併せ持つ。
今回の試合の相手は、15勝(1KO)13敗という、明らかに格下戦績のリカルド・フェルナンデス(31=ボリビア)。
試合前のオッズはなんと、相手フェルナンデス14に対しガルシアが1.01。ガルシアに100ドルかけても1.6ドルしか儲からない。
しかし試合前の8月最終週、ガルシアの親友が、またも地元で刺殺されたとの報が入る。
ガルシアは直前インタビューで練習について聞かれ「集中はしていたけど、心の奥底では悲しみがあった。たぶん、感情を込めて一発一発を打っていたんと思う」と、残り期間の練習でも悲しみや怒りが抑えきれなかったと語っていた。
試合では、下馬評通りガルシアがスピード、パワーパンチ、10㎝差のあるリーチと上回る全てを生かし、前半の4R全てのスコアを取っていた。
そして5R、突然の形勢逆転。相手の右を受けると、オーソドックスだったガルシアが、なぜか突然サウスポーに変え、ガードを降ろし、下がり出す。
ロープへ詰まった所へ、相手の右オーバーハンド一撃!あまりにもクリーンに入ったパンチを受け、ガルシアはダウン。意識を失ったようにロープの外にはみ出て、硬直した大の字で寝転がった。
10カウントで立ち上がろうとするも叶わず。ガルシアは5R 2分25秒KO負け。相手は15勝したうち、たった1KOしかなかったが、これで2KOに増やした。
著名マッチメイカーのリック・グレイザー氏は「このような壊滅的なKO負けをした場合、トップランクが彼を解雇する可能性が高い。それがボクシングなんだ」とガルシアが念願だった、大手プロモーションからリリースされるかもしれないと語った。
ガルシアは敗北後、SNSで「ボクシングの世界では”痛み”はつきものだ。昨夜、ちょっとしたミスで初めての敗北を喫した。これがボクシングだ。良い面も悪い面も含めて、このスポーツを愛している。勝利も敗北も、愛も憎しみもすべて受け入れて、前に進んでいく。僕の物語はまだ続くし、また戻るよ」とコメントした。
今回の試合には、3週間前の親友の死の影響もあったのかもしれない。弟や親友の死も乗り越え、自身の敗北も乗り越え、ガルシアがまたリングに戻る姿を待ちたい。
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