【極真会館】那須川天心が空手時代のライバル南原にエール

2015/06/02（火）UP
（最終更新：2023/05/05 21:11）

　6月6日（土）・7日（日）大阪府立体育会館で開催される『2015オープントーナメント第32回全日本ウェイト制空手道選手権大会』。今大会は、秋に開催される第11回全世界大会への出場権を懸けた最後の日本代表選抜戦となる。

　特に注目されているのは、4月に行われた2015国際親善大会・ワールドユースエリート＋75kg級で優勝した南原健太（東京城北支部）。身長185cm、体重90kgの体格を持つ17歳で、今大会で優勝もしくは準優勝を飾って日本代表権を得れば、史上最年少での世界大会出場に。

　南原は幼年期から極真空手を学び、8歳で初めて国際大会で優勝。以来現在まで優勝・上位入賞を繰り返すスーパーエリートだ。その南原の小学生時代のライバルが、5月31日に16歳でRISEバンタム級王者となった那須川天心（TARGET）だった。那須川も極真空手の出身で、2009国際青少年空手道選手権大会10歳男子－40kgの部で優勝している。

　小学生時代、那須川と常に上位回戦で対戦していた南原は、「那須川選手は動きがものすごく速くて、胴まわし回転蹴りが巧かったですね。2度負けたのですが、1度は体重判定、もう1度は胴まわしで技有りを取られました」と当時の印象を語る。

　対戦成績は8戦して南原の6勝2敗。試合は無差別級で、当時から那須川は30kg、南原は60kgと倍の体重差があった。「速い動きに惑わされないように、距離を詰めて効かせる技を出して、上段膝蹴りや上段前蹴りで一本や技有りを狙っていきました」と南原。小学生の高学年になるとクラスが体重別に分かれるため、自然に対戦する機会がなくなり、小学校を卒業する頃に那須川はキックに転向していった。

　同級生の那須川がRISE史上最年少でタイトル奪取に成功したことについて、「僕はあまりキックや他の格闘技を見ることはないのですが、那須川選手のタイトルマッチは気になっていました。渡辺（理想）先生や鈴木（雄三）先生があれだけ苦労してなかなかタイトルを獲れないのに、昔よく対戦した同い年の選手が初めてのタイトルマッチでチャンピオンになったということに、震えるくらいの衝撃を感じましたし、競技は違いますが、彼に負けられない、自分も頑張らなければいけないと刺激を受けました」と南原。

「同時に、僕たちの世代でも一生懸命稽古して、技を磨いて対策を立てて試合に臨めば、強い相手を倒すことができる。チャンピオンになれるんだと勇気をもらいました」

　試合後の那須川が「自分が格闘技界を変える！」と宣言したことについて、南原は「自分も常にその気持ちを持ちながら毎日稽古しています。まず今週末の全日本ウェイト制大会でチャンピオンになって、世界大会出場を決めたい。同級生の那須川選手と刺激し合って、格闘技界を盛り上げていきたいと思います」と決意を新たにした。

　この南原からのメッセージを受け取った那須川は、「嬉しいですね。健太は空手時代に一番意識していたライバルです。（体格が違うので）めちゃくちゃ怖かったですが、彼を倒さないと全日本では優勝できなかったので、そのためにたくさん練習したのを思い出します」と当時を振り返る。

　また、「打ち合ったら確実に負けるので、スピードと返しの技術をその時から練習していました。今の僕があるのも、佐藤竜也先生（千葉県北支部）から極真空手を学んだおかげ、それとあの時、健太がいたからだと思っています」と、南原の存在が自分を強くしてくれたと言う。

　そして那須川は、「だから、健太には優勝してもらいたいです。頑張れ、健太！」と南原にエールを送った。