2021/04/15（木）UP
（最終更新：2022/08/27 15:03）

”年俸120円”Jリーガーから、今度はRIZINを目指す安彦考真

　40歳でJリーグ史上最年長デビューを果たし、「年俸120円」でJ3リーグY.S.C.C.横浜などでJリーガーとして活動した安彦考真（あびこ・たかまさ＝43）が、明日16日に格闘家デビューする。

　舞台は4月16日（金）東京・八芳園にて開催される、小比類巻道場が主催のエグゼクティブ向け格闘技イベント『EXECUTIVE FIGHT 武士道無限〜2021』に参戦、アマチュアキックボクシングルールとなる。

　本日15日（木）都内にて、前日計量と会見が行われた。全選手が無事に計量パスする中、第5試合に出場する安彦は67.0kgジャストでパス。相手の“タイガー司”こと佐々木司（38）は65.8kgでクリアした。

安彦と対戦する“タイガー司”こと佐々木司

　安彦は39歳で年収1000万あったという仕事を辞め、幼い頃からの夢であったプロサッカー選手へ転身した異色すぎる経歴の持ち主。幼少期からサッカーに親しんだ安彦は、高校生の時に単身ブラジルにサッカー留学。帰国して清水エスパルスなどの入団テストを受けるも、他のトライアウト生たちのレベルの高さに萎縮し、引退してしまう。

　しかし夢諦めきれず39歳の時に、J2水戸ホーリーホックに練習生として入団すると、異例の「月1円」10ヶ月契約を行った。公式戦出場は一度も無いながらも、翌年にはJ3Y.S.C.C.横浜に「年俸120円」で契約。41歳の時には公式戦にも出場し、Jリーグ最年長初出場を記録した。そんな彼の次なる舞台が、格闘技だ。

1試合から7試合までは、34歳から53歳までの経営者の人たちによるアマチュアキックボクシングファイトとなる

　安彦は会見で「自分の人生の後悔を取り返すつもりで、40歳でJリーガー目指しました。公言通りにJリーガーになって、3年間続けました。次は挑戦者として何に挑むかと思った時に、今より過酷なことで生き様が表現出来るもの、格闘技だろう。去年の引退試合のセレモニーで『RIZIN目指します』と言いました。やってやれないことはないし、始めるのに遅いことはないだろうと思っています。僕にとって今回の試合は人生の岐路だと思っています」と挑戦者として人生を賭けて臨むと語る。

メインでは『格闘DREAMERS』に出演中の宇佐美正パトリックの父で不動産会社社長の宇佐美秀嗣が出場する

　対するタイガーは「タイガーマスクのような強くて優しい格闘家に憧れがあります。安彦選手のようにスポーツを真剣にしたことがなく、そんな弱っちい僕でも毎日泣きながら小比類巻さんの元でトレーニングをすれば、プロアスリートに勝てるんだということをしっかりリングで示したいと思います」と対抗心を燃やす。

　勝利の鍵はメンタルだという安彦は、瞑想をして明日に臨むと言う。安彦は「サッカーもそうですが基本メンタルスポーツなので自分との戦い。どれだけ相手を研究しようが、自分が出せなければ勝負に負けてしまう。相手をコントロールできないので、自分がコントロールできることを徹底的にやりきって勝機がみえたときに一気に畳みかける」と勝負論を語る。

明日ラウンドガールに挑む52歳・中島史恵のビキニ姿

　最後に「本当にばっちばちに思い切りぶつかり合いたい、みなさんに何かを感じてもらいたい。まだ俺ら出来るんじゃないか、まだ俺らやれることがあるんじゃないか。コロナだったり色んなことありますけど、まだまだ打つ手があって、もっともっと自分たちの思った世界に行けるんじゃないかという所を僕のファイトから感じ取って頂きたいと思います」と意気込んだ。

　メインイベントとなる第7試合では、現在ABEMAで配信されている『格闘DREAMERS』に出演中の宇佐美正パトリックの父である宇佐美秀嗣（52）が宮戸識（43）と対戦。第8試合目には小比類巻貴之vsミノワマンのエキシビションマッチが行われる。

　また、第5試合（安彦vs佐々木）の前には、ブルース・リーが創始したジークンドーを継承する武術家・石井東吾が登場し「ワンインチパンチ」を披露する。

　なお今回の大会では、奇跡の52歳・中島史恵が初ラウンドガールに挑戦。中島は「本番に向けてシェイプをupして、私自身のボディも仕上げていきたい」と語っており、仕上がったボディにも注目が集まる。