61歳の角田信朗、今月ボディビル大会参戦へ「猪木さんの言葉が自分を奮い立たせる」
正道会館の最高師範にして、俳優、歌手、元K₋1ファイターなど、様々な肩書を持つ角田信朗(61)。
すでに還暦を過ぎている中で、現在はボディビルダーとして活躍しており、8月28日(日)には、函館で開催されるボディビルの年齢別の日本一を決める日本マスターズに挑戦するという。
その衰えない原動力は、どこにあるのか現在の調整を合わせて聞いてみた。
【フォト】角田の驚異のマッスルボディ、背中には鬼が!
旧K-1時代からのファンならば、角田信朗の存在はよく知っていることだろう。もしくは、空手現役時代まで遡れば、正道会館の代表として極真会館の第7回全日本ウエイト制大会へ出場し、他流派として史上初の入賞(重量級4位)をはたしている。その後は、前田日明のリングスで世界の強豪と戦い、K-1ではアンディ・フグや黒澤浩樹、村上竜司らと名勝負を繰り広げてきた。
ファイターとしての晩年はレフェリーをすることが多かったため、そうした姿が強く印象に残っているファンも多いのかもしれない。または、パチンコ「CR花の慶次-雲の彼方に-」の主題歌でもある「傾奇者恋歌」を歌っているため、それで名前を知ったという若い世代もいるはずだ。
角田は現在、ボディビルダーとして大会まで、どんなトレーニングをしているのか聞いたところ、「いつものようにハードに追い込み、いつものように的を外さないトレーニングを心がけています」という。角田にとって的外れなトレーニングとは、「やたらと重いウエイトを振り回して、やったつもりになっているトレーニング」のことを差すようだ。
角田は昔から肉体づくりに興味があったようで、ファイターとして戦っている頃からムキムキの肉体を持っていた。当時と現在の肉体づくりの違いについて聞くと、こう答えた。
「20代の頃は、重量ばかりを意識するウエイトを振り回すようなトレーニングでした。それはそれで、無駄にはなっていません。格闘技の世界でも、それなりの成績を残してきたわけですから。でも、今やっているのは、ウエイトトレーニングではなくて、ボディビルトレーニング。身体を、理想とする形にデザインしていくトレーニングです。
ウエイトトレーニングとは、エンジンの排気量を上げる作業。スポーツの動きは、いかに筋肉、身体を効率的に動かすか?の科学です。対して筋肥大のトレーニングや脂肪の燃焼は、真逆の非効率性があります。いかに筋肉に負荷をかけて、非効率的な運動をさせて筋繊維を太くするか? 脂肪の燃焼は、いかに身体の中の燃料(エネルギー)を、燃費を下げて無駄遣いさせるか?の科学なんです」
格闘技は、打たれ強さやパワーをつけるために肉体の強度を高めていくが、ボディビルは筋肉の美しさを追求していく競技。そもそも目的が違うため、同じ肉体づくりでも、そこが難しいところなのだろう。
しかしながら還暦を過ぎてのトレーニングが過酷なのは、想像に難くない。その衰えないモチベーションは、どこにあるのだろうか。角田は語る。
「いくつになっても進化していたいという願望ですね。『挑戦を諦めた時に、人は年老いていく』というアントニオ猪木さんの言葉が自分を奮い立たせます。自分との戦いに打ち勝ち、限界の向こう側へ辿り着きたいという思いが僕にはあります。超人追求の夢。限界を超えた時に味わう達成感と脳内モルヒネ。そんな要素が色褪せることなく、僕にはあります」
※次回は還暦を過ぎても肉体が衰えないのか、錆びない肉体についてを聞く
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