2022/11/21（月）UP
（最終更新：2022/11/21 20:04）

鬼神の形相でコバレンコを攻める西村

　11月20日（日）『第54回全日本大会』が東京体育館にて行われ、男子は元ラガーマンのパワーファイター、西村界人（東京城北）が二連覇を達成した。
　決勝では王者返り咲きを狙うコバレンコに延長戦で下段回し蹴りで動きを止めると鬼の形相での怒涛の突きとヒザ蹴りで連打で判定で差をつけた。

【フォト】西村のド迫力の猛攻、見事な技あり奪取も

　西村はラグビーでは関西学生代表にも選抜されたタフさを持つファイターで、今年4月に行われた前回、第53回の優勝者。

　そして西村のライバルともいえる存在が、2020年第52回の決勝で西村を破って優勝したコンスタンティン・コバレンコ（総本部）だ。
　今回は満を持して再戦が実現し、決勝で西村とコバレンコが激突した。

西村（左）がライバル・コバレンコ（右）を倒し二連覇

　西村は3回戦で「少年部の頃からのレジェンド」とリスペクトしている13年の全日本王者アレハンドロ・ナヴァロ（スペイン）と対決。ナヴァロの重い突きに真っ向勝負し、怒涛の圧力とラッシュでレジェンド超えを果たした。
　その後も危なげなく勝ち上がり、準決勝戦では足払いで倒してからの左下段突きで技ありを奪い、決勝へ駒を進めた。

　対するコバレンコも殺傷力の高い突きと下段蹴りで、本戦勝利の連続。こちらも準決勝では見事な下段突きで技ありを取るなどし、決勝の舞台へ立った。

コバレンコの重い蹴り

　決勝は序盤から意地を競うような、激しい下段の蹴り合いが続く。ラストはコバレンコがステップも生かしヒザ蹴りなどもヒットさせるも、決め手にはならず延長戦へ。
　延長は、西村が本戦から蹴り続けてきた左右の下段蹴りを連続すると、コバレンコの動きが止まる。最後は西村が鬼神の如き激しいラッシュで中段ヒザ蹴りを入れまくり、判定勝利。見事二連覇を達成した。

　西村はコメントで「最後は気持ちの勝負になると思った。来年の世界大会では（1勝1敗の）決着をつけ、2年前の借りを返したい」とコバレンコとの決着をつけるとする。また「来年の世界大会では強い日本人たちで戦って、最後は自分が優勝したい」と世界大会でも優勝すると意気込んだ。

新鋭・大秦（右）が荒田（左）にローを効かせて勝利＝三位決定戦

　また3年ぶりに復帰した元世界重量級王者・荒田昇毅（千葉中央）は、4回戦で見事な下段回し蹴りで一本勝ちするなど、いまだ衰えぬ強さを見せ勝ち上がる。準決勝ではコバレンコと激突し、前半は下段合戦で互角に争うも、後半にはコバレンコの鋭い突き、下段に崩され判定負けした。
　荒田は3位決定戦では、21歳の新鋭・大秦稜司（京都支部）に前半はペースを取るも、後半にはコバレンコ戦のダメージがあったか大秦の下段蹴りの連打をもらい失速、判定負けで4位となった。

　今大会は来年秋に開催される4年に一度、体重無差別で行われる『第13回全世界空手道選手権大会』の日本代表選抜大会でもあり、ベスト8が世界大会への出場権を勝ち取った。西村の二連覇、大秦など若手も結果を残した今大会、世界大会では日本の二連覇が期待される。

第54回オープントーナメント全日本空手道選手権大会・男子入賞者

優勝／西村界人（東京城北支部）
準優勝／コバレンコ・コンスタンティン（総本部道場）
3位／大秦稜司（京都支部）
4位／荒田昇毅（千葉中央支部）
5位／加賀健弘（東京城西支部）
6位／清水祐貴（東京城北支部）
7位／石﨑恋之介（東京城西支部）
8位／山上大輝（東京城北支部）

敢闘賞／荒田昇毅（千葉中央支部）
技能賞／大秦稜司（京都支部）
試割賞／コバレンコ・コンスタンティン（総本部道場＝22枚）
新人賞／西村大河（東京城北支部）

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